双極性障害と診断されてから復職まで part5

6月に入ってからは、ほとんど体調を崩す日がなくなりました。

1週間に1度、30分〜2時間程度、うつっぽくなることはあっても、生活には支障をきたさない程度になっていきました。

この期間で、やって良かったな〜と思うことを3つ挙げるとするなら、

①散歩を毎日続けたこと

②Twitterでのみなさんとのやりとり

③リワーク通所を始めて、いろいろなプログラムを受講したこと

この3つだと思っています。


①の散歩に関しては、自分の過去のコラムで、素晴らしさを沢山語っているのですが、やっぱり、朝日をしっかり浴びる事と、自分のペースで歩いて良い事、そのことの偉大さに気づけたことが大きかったと思います。

朝日を浴びることでセロトニンも生成されていきますし、また、自分のペースで歩いて、「花鳥風月を感じる」ということは、人生の醍醐味の一つなのだと、毎日続けることで気づかされる部分がありました。


②のみなさんとのtwitterでのやりとりに関しては、

ツイートしようと思うことによって自己観察を行えることと、そのツイートに対して、リアルタイムでフィードバックをもらえる事が本当に大きいです。いつもありがとうございます。実際にお会いした or お会いしていないに関わらず、たくさんの仲間から、いろいろな考え方や経験を教わる事で、病識を深めていくきっかけをもらうことにもなりますし、何より人生に対する考え方の幅が広くなっています。

フォロワーさんから教えていただいた中で、今でも自分をコントロールする上で、取り入れている事でいうと、「作業興奮」を利用しています。作業興奮とは、心理学者のクレペリンが発見したの脳の作用なのですが、「やる気スイッチを入れるために、とりあえずなんでも良いから何かやってみる。」ということです。

なんらかの作業をすることで、脳のなかにある側坐核という部分が刺激され、興奮ホルモンと呼ばれる『ドーパミン』が分泌されるために、次の作業も行えるようになると言う原理だそうです。

うつっぽくて行動量が減っているときに抜け出す際には、今でも活用しており、これを下記の図のように捉えています。

また、自分の今までの思考の癖にも気づけるようにもなっていきました。

私は昔から、根本にある自己肯定感の低さから、常に高い理想を掲げて、努力し続けることを正義だと感じていました。そのために、目の前のことができても何も達成感を得られず、全てのものに意義や意味を求める生き方をしていたと思います。

ある日、「こうあるべきなのになぜか?」ばかり考えてしまい、一歩踏み出せなくなっている自分に気づいたのです。そして、それを抽象化しすぎるあまり、進みながら答えを見つけていく大きな問題までも、「この意味はなんだろうか?」と、

哲学者のように思考をぐるぐると巡らせていたのです。(WHYとIDEALを行き来)

「こうあるべきなのになぜなのか?」という抽象的な思考を巡らせるのも、時には必要ですが、時間を区切った方が良いのかもしれません。

そこで、WHYからHOWに思考を切り替えたのです。「こうあるためには、どうすれば良いのか?」に思考を切り替えて、"具体的な行動計画"を立てながら、進めていくことも大切なのかなと思います。


また、③のリワークに通い始めたことも、体調安定の大きな要因となっています。先日のコラムで、「松浦さんが通っていたから」通い始めた、と記述したのですが、本当にそれ以上でも、それ以下の理由でもありませんでした。

いろいろな経験や深い考えを持っている方が、「社会復帰のために選んだ施設」かつ、「そこを選んで働かれている施設」という2つの事実で、判断する上では十分でした。

必ず良い施設だし、良い人に巡り会えると、信じて通いました。(判断は間違っていなかった!)

LIVAという施設です。

「戻ろうではなく、進もう」という理念を掲げており、自分は強くそこに共鳴しています。通所期間を通して「元の自分に戻る」のではなく、「新たな自分で書き換えていく」。

私の場合は、この理念を聞いた時、「27歳の半年という期間を境にして、過去の自分からのアップデートを図って、嫌いだった自分を断ち切りたい」と思い、通所を始めました。

そして実はこのキャッチコピー、それぞれ用意されている個人ファイルにも刻印されているため、毎日この想いを感じさせられるのです。

プログラムの内容としては、おそらく場所によって様々で、私は復職者向けのところに通っているためか、「ビジネス×心理療法」の色が強い気がしています。

(日経要約プレゼン、グループワーク、PRトレーニング、集団認知行動療法、アサーション、運動療法などなど。)

また、実践的なフェルミ推定や水平思考、新たな会議の形とも言えるダイアログなども取り入れられており、個人の能力開発に止まらず、組織開発的な視点が多く取り入れられているのも、とても印象的です。

さらにいうと、利用者を一律化して合理的な判断を下していくのではなく、利用者個々に合わせたスケジューリングや面談、今後のキャリアビジョンを描くための機会にもしっかりと時間をかけてくれます。

とても、良い施設だと思っています。


そんなこんなで、他の利用者の方々や、柔軟で穏やかなスタッフとの新たな出会いに支えられながら、日々過ごしていきました。


余談ですが、自分はリワークへ通所し始めてから、少し軽躁期間に入ります。座学での知識や人との交流を増やした途端、さまざまな疑問が止まらなくなったのです。例えば、「アサーションの成り立ちと、日本の文化背景との親和性について」「自律神経の乱れと天気の関係性」「双極性障害に対する認知行動療法の効果」などなど、パッと気になったことを、夜中まで調べる日が続きました。

このことを、リワークの支援員さんに日報でお伝えしていたのですが、様々なアドバイスをいただきます。自分の行動傾向として、

・一つの課題(抽象的)に対して、過集中し、時間を忘れて、突き詰めすぎる癖がある。その後、疲弊する。

・夜の時間帯に、様々なことが気になり、論文漁りをする傾向がある。その翌朝、疲弊する。

・エネルギー量と修正能力は高いが、それゆえに活動量が増えて、その後疲弊する。

という事に気づかされ、毎日生活記録表をつけることも始めました。

当面の目標を「やりすぎない事(=80%で時間を区切る)」として、リワーク施設への通所を、日々続けていくのです。


つづく(part6へ)

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