ヴァンガードDivines 運命大戦の行く末
怒涛の9~11話でしたが。
いや面白かったです。
満を持して登場したブラグドマイヤーが劇中でもさんざん触れられているように、他の運命者殺しのカードでさもありなん。
誰だよ!よりによって一番ブラグドマイヤーと当たりたくないゾルガに対戦割り振りしたヤツは!(運命)
【運命は自分の意志で切り開くものであり、自分の意志とはぶつかり合う相手との対話で変わるもの】
ディヴァインズのテーマって結局はここに収束するんですよね。
「ファイトで気持ちが通じ合えたのならどんな未来でも立ち向かえる」
陳腐で王道なんですけど、それを1クールという(ヴァンガードとしては)短い期間で何度も提示するから気持ちが良い。
あとメタ的にはぶっちゃけ次シリーズからの方が戦いの本番なので、ディヴァインズで未成熟なメインキャラが成長してもらわないと困るって話でもあるんですが。
アキナと未来ヒカリの兄妹ゲンカは今まで互いに我慢しあっていたものをぶつけ合うので微笑ましかったです。アキナ絶対に現在のヒカリには同じことできないだろ。
あとディヴァインズになってからさっぱり出てこなかったオーバートリガーの撃ち合いがここに来て出たのも熱い。
【変わっていた運命】
仮面の人物=未来ヒカリがタイムトラベルして介入してきた本編では、特異点と言われたタイゾウが関わったことで色々変わっているようなのですが、タイゾウが関わらなかった本来の流れを考えてみました。
タイゾウVSアキナが成立せず、アキナのファイタースキルと運命に立ち向かうための強い意志を成長させるフラグが立たない
スオウが他の運命者と対戦したのか不明。その場合ブラグドマイヤーのディヴァインスキルによって初見殺しされた可能性がある
(アニメで相手のカードテキスト確認しないのはお約束)スオウの抱く虚無感が大惨事を引き起こすほど大きなものだとは、アキナも理解していなかった。
ただでさえスオウを放っておけなかったアキナはスオウが最後の対戦相手という戸惑いもあったことから、スオウとファイトを通じて心を開かせることができなかったのではないか
余談ですが、ガブエリウスとしても「二度目の運命大戦なんて本来はありえない。不本意な結果で終わったのなら二度目もありえる」と供述していることから、運命力が「ノーカン!今のノーカン!」とゴネた結果と考えてもいいみたいですね。
本来はグリフォギィラが暴れまくったせいでぐっちゃぐちゃになった運命力の整理がこの運命大戦の意義みたいなので、穏当な落とし所を惑星クレイは求めているのでしょう。
こう考えるとやっぱり運命に振り回されているのかもしれないですな、ディヴァインズの登場人物たちは……。
【でも誰が勝者でも後腐れないよね】
ここまで本来の歴史から変わっている以上、最終決戦のスオウVSアキナはどっちが勝ってもストーリーの落とし所としては問題ないんじゃないのという印象が。
ようはスオウに「何かを得たい」と願うよう心開かせることがファイトを通じてできたのなら、大惨事は起こらないわけですからアキナが負けたって構わない。
……ストーリー的にスオウが覚醒して勝っちゃう流れで熱い展開描けるのかってメタ的な話もありますが。
ブラグドマイヤーのディヴァインスキルターンによる詰め力は高いですが、アキナはダメージコントロール戦略をもう既に習得しているようなので
レザエルのディヴァインスキルでトリガー率上昇→ブラグドマイヤーのディヴァインスキル★2アタックを勇気のノーガード宣言→ダメージトリガー出まくってスオウが詰め切れずに終わる→ペルソナライドからの逆転勝利
こっちの方がまぁ熱いよね、と。
ノーガード宣言時も「お前の虚無も受け止めてやる」とか「クリティカルトリガーもゼロみたいだったな」とか言えますし……。
※※※
まぁ一方でスオウが勝つとTCGアニメ的には燃えませんけど「友達が欲しい」とか「願いを第三者に譲渡すること自体が願い」とか、他人を思いやる心が芽生える展開にも持っていけるんですけどね。
それはそれでアリじゃないかとは思うんですけどね。
アキナの願いが、未来ヒカリと兄妹ゲンカしてお互いの気持ちをぶつけあったことで、スオウと対話することで、ヒカリを救うのではない別の何かに願いが変わる、が運命大戦の落とし所なんじゃないのかなと考えています。
だってアキナは初戦の時点で運命大戦で勝ち残らなくても別に終わるわけじゃないって、そっちはそっちで覚悟決まっていますし……。
【「切札」の解釈】
「覚醒」の中でちょっと異彩なヒロイックな曲なんだけどヴァンガードのOPソングなんだから仕方ない。
「詩に乗せて仮想現実から君を探すんだ」とかいつものV.W.P全開の歌詞とかあるけどV.W.Pだから仕方ない。
【歌唱パートのボーカルでキャラクターの視点が変わっている説】
「切札」のメインボーカルを担当しているのはヰ世界情緒ですが、V.W.Pの五人メンバーそれぞれで、ディヴァインズにおけるキャラ視点が変わっているんじゃないのかな、と。
※※※
花譜=未来ヒカリ
キレ気味で絶望感に打ちのめされそうになりながらも希望を捨てられないあたりがそうかな、と。
※※※
理芽=アキナ
アキナは人たらしの世話焼きなので「君」「you」が一定ではなく、ヒカリでもありスオウでもあるという解釈。
※※※
幸祜=現在ヒカリ
主にアキナ視点で話が進むので、明るく振る舞う場面が多いですが一人きりでいる時は、既に兄アキナが何か無理無茶をしていることを本編時間軸でも理解しており、止められないでいます。
大雨でスオウの家に泊まり込んで毎日のお見舞いに来れないことを拗ねていたり、他人のタイゾウには兄の無茶っぷりを愚痴りながら褒めていたり。
ヰ世界情緒=スオウ
主人公視点の歌だと思わせておいてメインボーカルは実はライバルのスオウ視点だったんだよ説。
いやスオウって単に深刻に拗らせているだけだから……。
これ以上失う経験をしたくないから何もいらないと自分に言い聞かせているだけで、ぐいぐい来るアキナとフラグ立っているし……。
ヴァンガードで男同士のフラグ立つのはいつものことだぞ?
※※※
合唱パート=全員視点(V.W.P視点)
これは仮想世界の魔女であるV.W.Pが現実世界の観測者(ファン)たちに対して常に問いかけて、手を差し伸べる一貫しているスタンスの表現ですね。
ヰ世界情緒の代表曲とも言える「物語りのワルツ」からして
こうなので。
一方でヴァンガードというTCG及びアニメの世界観としても
地球と惑星クレイは鏡合わせの異世界同士
その境界線を打ち破り互いの世界に影響を与えるヴァンガードというゲーム
積極的に惑星クレイ側へと踏み込み、同調するユニットに憑依して地球とクレイ両方に影響を与えるヴァンガードファイター
正に「穿つ者が越える平行線」。
穿つ者とはV.W.Pの魔女たちであり、ヴァンガードファイターであり、平行線とは現実世界と仮想世界を分ける線引きであり、そして平行世界を象徴する世界線でもある。
そして深読みしなくても「このまんまなんにも変わらない平行線をなぞり続けるくらいなら強引にでもブチ破る!」と受け取るのがたぶん一番正しい。
【TCGについての方のDivines】
前記事で「運命者カードはトライアルデッキからの乗り換え想定しているよね」とか書いてましたが、ブラグドマイヤーは「裏でバインドしたカード枚数」が発動条件なので、「表でバインド」するアストロアやダイアフルドール軸からのフィニッシャーとしては機能しないようにデザインされていますね。
【無幻双刻で刺さったユニットそのいち】
相棒と一緒に戦おうぜ!ってコンセプトのユニットですね。
ライドラインがそのまま盤面に展開されるわけですが、一人の少年と一頭の幼竜の成長過程と一体になる設定が上手く噛み合っていて好きです。
能力は自分たちが強くなるんじゃなくて仲間を強くするとかね。
自分の能力はノーコストだから、コストは他の仲間の分とかね。
『一緒に戦うんだ!』感が強い。デザインもなんか主人公っぽい。
ヴァルガ軸でも使う(える)カードがある程度被っているので、ヴァルガをピン差ししておくだけでフィニッシャーになる軸でもありますね。
グライアンドラ用のサポートカードはドローソース多めですしG1あまり多く入れる必要ないのでG2~G3の余剰枠多めですし。
今まで一緒に戦ってきた仲間を全部斬り払う恐怖の剣客がいい所取りして勝利をもぎ取る酷いイメージになるな……。
【無幻双刻で刺さったユニットそのに】
成長段階を踏むイメージでライドしていくヴァンガードですが、FL∀MMe-G軸は最初のG0のブルクレィアがリーダーで、プロデューサー的役回りもしているという設定なんですよね。
だから切り札のG3のロージアから、G0のブルクレィアにセンターを交代=スペリオルライドしてメスガキリーダーがトドメを持っていく。
え、何この設定とイメージすごくいい
しかもこのメスガキ自分も相手も追い詰められるほど燃え上がるのかどんどんパワーが上昇していく。SでMかよ。最高じゃねーか。
もちろんプロデューサーでリーダーだからメンバーかき集めたのもメスガキだし、メンバーのキャラ作りしたのもメスガキ。
なんだよこのメスガキバブみまで兼ね備えてんの?
ファーストヴァンガードでここまでキャラ濃くて盤面に出張る奴そうそういねーよ!
動きとしては既存のLèVre♡SœurS軸に似通っているんですが
シャルモートは相手のグレードを参照するのに対し、FL∀MMe-Gはライドラインが早期展開する能力で、サポートカードもロージアの能力も彼我のグレードを参照しないため、速攻型戦法を得意とするデッキですね。
CB結構使うのでノーガードを序盤から連呼する動きにデザインされており、ギャンギャンに攻める設定とデッキの動きが嚙み合っているなと……(実情は結構キツくて無理しているのもロージアの設定に噛み合っている)。
※※※
ところでこの刺さった軸両方ともブラントゲート的には取り締まり対象らしいです。
やめて!ソウルにキーカードが入っていないと動けないの!
セラス軸は理想的には5パンできるようになったので、相手のダメージを抑えてCB依存の強いデッキの動きを抑制し、ピュアライト降臨=ファイナルターンに持っていく理想の動きの安定が見えてきましたね……。
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