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Monark 感想記事

CRYMACHINAをプレイする前に林Pが手掛けた作品をプレイしておこうということで今さらやっと手をつけました。

【ビジュアル面】

パッケージイラスト

本作は現代日本の新御門学園が舞台(おそらく西暦2021年か2022年の秋)なので、メインキャラクターは全員学校制服を着ています。
戦闘では変身するように「思装」という武器と防具を身に纏いますが、コレ上の画像見たらわかるように、制服の上にそのまま装備しているだけなんですよね。
とくに日向望はわかりやすいです。

通常時の制服姿
思装を纏ったバトルモード

槍と盾と兜に肩当付きマントを羽織っただけで、学生服はそのままなのがわかりやすいですね。
これは初見時「学芸会のコスプレ感」を覚えて正直ちょっとダサいと思っていたのですが……。

この作品のテーマとして「虚飾を誇る」「エゴ=虚飾」なので「素の自分にゴテゴテと武具を装着して威容を誇示する」のは実は意図的なビジュアル演出だったと後々気づくことになりました。
それを「みっともない」「ダサい」と感じるのは当然のことであり、そういう客観的意見を全部飲み込んで超克し「それがどうした!これが自分のエゴの姿だ!!」とする開き直りをキャラデザで表現するのは見事な演出。

また、OPムービーもまたわかりやすいのですが。

主人公はとくにハッキリと王冠クラウンが強調されており、他の契約者の思装も同じく王冠クラウンが頭上に浮いています。
Monarkとは「君主」という意味ですが「エゴを貫け」というテーマを考慮すると「お前の人生はお前が王だ」という意味が込められているのだなというのはプレイ前から感じていて、実際そういう感じでした。

【戦闘面】

最初はあんまりパッとしない普通のターン性SLGなんですが、主人公の固有能力「共感」と、一時的にパワーアップする「覚醒」とバーサー化する「発狂」の三つを駆使することによって戦略がグッと広がって中盤から一気に面白くなりました。

また、良くも悪くもゲーム中でよく行われる心理テスト結果で配下ユニットとなる「眷属」の解放順が変わるので各プレイヤーごとにプレイスタイルが変わりやすいのも特徴ですね。

七つの大罪に対応したステータスを主人公は保有する
戦闘には直接影響しないが、後述する眷属の解放順や
ステータスのブーストアイテムゲット条件、上級装備の可否に関わる
眷属
配下ユニット
七つの大罪に対応した七種類が存在しており
それぞれ一長一短の能力を保有しているうえ、各眷属同士の連携問題もあるため
バトル面ではますます「正解」が無くなる傾向にある

ちなみに私は「嫉妬」→「傲慢」→「憤怒」→「怠惰」→「色欲」→「暴食」→「強欲」の解放順でした。
「欲望のエゴが足りない」と心理テストのたびにダメだしされていました……。

色欲ノ章の診断テスト結果
最後のバニタスからの診断テスト
挙句この有様
言い訳すると大切な家族たちはもう私を置いて先に逝ってしまったばかりなので……

自己分析的には「憤怒」と「怠惰」が一番強い性格だと思っていたのですがこのゲームの回答例だとなんかちょうどいい答えが無くて嫉妬に落ち着いた感あります。
傲慢はぶっちゃけ最初に倒すボスが傲慢のモナークなので、傲慢のステータスが高めだと早めに解禁されやすい傾向にある罠(回復能力を持つユニットなので意図的な調整かもしれません)。

【共感】

公式紹介動画より

このゲーム最大の特長。

「共感」することでバフデバフバステ一部のスキルなどをユニット間で共有することができるようになります。このため

魔法技に関与するステータスが高いユニットが
肝心の魔法系スキルを保有していないのを「共感」で解決する
バフをかき集めて一時的に超ドーピングしたユニットで何事も暴力で解決する

といったメリットも大きいのですが

・うっかり行動不能系バステを一人でも入れられたら共感したユニット全員が行動不能になってしまう
・かき集めたバフを横取りされるスキルで仲間全員が無力な丸裸にされる

そんな悲喜こもごもの状況が起こってしまうのが「共感」です。

最初は仲間の一人と主人公でしか「共感」できないのですが、敵や複数の仲間といっぺんに「共感」できるようになってからが本領発揮。

全軍といいつつ範囲内のユニットとしか共感できなかったりしますが
状況に応じて選別したユニットと適時共感するのが適切な使い方です

敵の「覚醒」を横取りしたり、自分が睡眠するスキルを使った仲間と敵をまとめて「共感」してから敵を無理矢理眠り込ませたり、味方に行動権を譲れる「リオーダー」と絡めてかなり悪さができるデザインになっています。

※※※

また、ややネタバレになりますがこの「共感」はゲームシステムだけでなくシナリオの根幹にして切り札にもなっている固有能力。
シナリオテーマ的にも最初の「主人公と味方一人」の「共感」は(最初は)使い道が少ないのに対し「敵と共感」「敵味方全員と共感」「複数の味方と共感」はそれぞれ使い所が違って全部有用な場面があるのが見事の一言。
ゲームシステムとストーリーが密接に関わっている、というのは良ゲーならぜひあってほしい要素なので、嬉しいところですね。
あと人生観で言っても「私とあなた」だけの閉じた共感より「私とあなたたち」の方が、より爆発力とリスクが増す要素なので変にリアルだなと感心するところでもあります……。
発狂や魅了が共感で感染してあっという間にゲームオーバーするのはなんかこう集団心理の暴走の暗喩に見えます……。

【最終メンバー】

プレイ記録として裏ラスボス倒した時とそれに至るまでの裏ボス戦で使っていたメンバーのスクショ張っておきます。

主人公
名前の由来は白髪赤目でエヴァの渚カヲルを彷彿としたので
石田彰+○ヲ○からテキトーに
後でCRYSTARの久遠ちゃんと被っていることに気づいたけど時既に遅し
館パイセン(と私は勝手に呼んでいる)
ラピッドファイアとアブソーションHPにアシストが優秀
終盤は基本的に覚醒要員
食いしばりがあるので精神統一→致死ダメージで一気に覚醒がしやすい
色欲の眷属の焼心火葬に巻き込めば1ターン目から発狂覚醒が現実的に
バッファーのようで共感使うとアタッカーに変貌するこころちゃん
クリティカルバフとLUCバフを撒いてから
共感でPSY依存攻撃で蹂躙するスタイルでした
終盤はATKバフが充実したので危険な砲撃でボスキラーに
二番目に解禁されてからずっと使っていた傲慢の眷属
傲慢という割に回復とバフスキルを持ちつつ殴れる勇者タイプ
完全強化は後半の切り札になっていました
MADが重いのも発狂覚醒条件を早期に満たしやすいのでかえってメリットに
こころちゃんが使えない間バッファー兼アタッカーしていた怠惰の眷属
怠惰という割にリオーダーで一番働かされていたヤツ
上述の完全強化でドーピングした矢の雨が強すぎる
地味にPSYも高いので主人公のPSY依存系スキル使わせても強い
MOVが低いのだけが欠点(画像ではMOV+1装備付けてます)
第二部突入時に加入した憤怒の眷属
雷雲招来と猛攻荷電が強く、アシスト参加もさせやすい
あと傲慢の眷属が寝たら一括で叩き起こすのも仕事でした
最後に解禁された強欲の眷属
主に機動力補助要員で、MAP次第で憤怒の眷属と使い分けてました
シナリオ的にも強欲の権能は公式チートだと思います

【BGM】

これは後々に個別で記事書きたいくらいに、すごく良いです。

普段のBGMは当たり障りがなくBGMに徹していて自己主張が激しすぎないのが、かえって良い所。
というのも、上述の公式紹介動画でもあるようにボーカル曲とのメリハリが利いているため。
各ボスキャラとはそれぞれに専用ボーカル曲をバックに戦闘を行うため、ボス戦が非常に熱い。
「このキャラはどんな曲を引っさげてくるんだろう?」というワクワク感が強かったです。

↑別個記事になります↑
我ながら圧巻の1万5千文字越えの超長文記事なので全文無理に読む必要ないです。

【総じて】

キャラとかBGMとか語るとめちゃくちゃ長くなりそうなので、そちらはいずれ個別記事にするとしてとりあえず感想記事としてはここで締めることにします。
CRYSTARとはシナリオ面ではどっちも別ベクトルで同じくらい好きなのですが戦闘がしっかり面白いのでCRYSTARより面白いと言わざるを得ない。

また、CRYSTARがタイムループしてなおビターエンドだったのに対し、Monarkではメタ発言スレスレの「ハッピーエンドじゃなきゃ嫌だ」で力技と周囲の迷惑ガン無視でハッピーエンドに漕ぎ付く開き直りが清清しい。

「昨日が不幸であっても、今日が不幸であっても、明日もきっと、不幸であっても。(中略)涙に意味を与えてあげて」

がCRYSTARの始まりに対し

「世界が君のエゴを否定し、受け入れないのだとしたら、こんな世界、許すな」

がMonarkの始まりなので、もう最初っからThen The Bad EndingのCRYSTARと比較して世界に対して攻撃的すぎます。いいぞもっとやれ。

……次回作のCRYMACHINAに至っては

「全てコロしてでも生きてやる」

だからさらに攻撃的になってますね。
みらいや遠野スミレ以上に業の深そうな妹キャラもいるし、本当に性癖とエゴがブレないゲームばっか作るなこの人は……。

だから気に入った!

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