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水戸&伊豆へ【旅記録】

旅の発端

 最初は水戸の偕楽園に梅を見に行ったのだが、帰るとき急に伊豆へ行きたくなって、その場で宿をとり、茨城から静岡まで鈍行列車で移動した。

一日目

①常盤神社

 参拝し、御朱印をいただく。梅まつり中は「観梅まいり」の印が追加されている。能舞台でコンテンポラリーダンスのリハーサルをやっていて興味深かった。

②義烈館

 以前水戸を訪れた際に行けなかったので楽しみにしていた。"義"公・水戸光圀、"烈"公・徳川斉昭から義烈館というらしい。
 展示はかなり充実していたと思う。直筆の手紙や書など、見ごたえがあった。
 水戸黄門と呼べる人間は実は7人いるや光圀は生涯一人だけ手討にしたことがあるなど歴史的な側面から、光圀の人柄がうかがえるような手紙(鮎あげるよという内容など)が確認できてよかった。
 斉昭は筆跡に烈公と称されるような性格が表れていた。斉昭が鍛刀したという"八雲鍛"の刀剣から食事の際に拝んだ農人形などが展示されていて、水戸の発展のため様々な分野を支援していたことが分かる。天狗党党首・武田耕雲斎の刀剣と藤田東湖の書などもあって満足。企画展(?)として全国の絵馬が展示されていたのも面白かった。

③偕楽園

 ちょうど満開の頃合いであり、どの木も咲いていて、とても綺麗だった。紅梅、白梅。色鮮やかで青空によく映える。梅は嗅ごうとしたときに匂いはせず、ふとした瞬間によく薫る。

④好文亭

 梅見の客で大行列ができていた。亭内も一方通行で一列に並んで進みながら見学していった。二階からは千波湖を一望でき、大変見晴らしが良い。昔も今も、人の心を慰めるのは自然の景色なのだと実感できる。しかし冬の日本家屋は寒い。廊下が冷たくて、一周する頃には足ががちがちだった。

⑤樂~raku~

 好文亭内にあるカフェ。激込みだったが、食べたかったので頑張って待った。桝のティラミスと珈琲を注文。ティラミス、とっても好みの味と食感で美味しかった!また食べたい。

二日目

修善寺駅にあるパネル

 三島に宿泊。早起きして修善寺駅まで移動。バスで河津を目指す。片道一方通行限定だが、主要な観光地で途中下車が可能な切符があって、普通に乗るよりお安く乗れた。ありがとう、バス会社の受付さん。

①湯川橋

 川端康成著『伊豆の踊り子』にて、"私"がはじめて踊り子を見た場所。平成28年にかけ直されたらしく、綺麗な橋だった。以前は近くに『伊豆の踊り子』について説明する立て看板があったようだが、今は何もない。ちょっと残念。

②浄蓮の滝

 日本の滝100選にも選ばれている滝。高さ25mから大量の水が水面に叩きつけられる音に最初はおののいていたが、聞いているうちに清涼として心洗われてくる。夏は涼しそう。冬は寒い。

 入り口あたりに『伊豆の踊り子』の像があったが、浄蓮の滝って出てきたっけ?と思っていたら、どうやら川端が『伊豆の踊り子』を執筆した旅館の創業者が滝への道を開いたり休憩所をつくったりしたらしい。

③伊豆近代文学博物館

 道の駅天城越えの中にある文学館。伊豆に関係する文学・作家を扱っている。お目当てはもちろん川端康成。直筆の原稿(伊豆冒頭、単行本のあとがきなど)・手紙(井上靖への穂高行お誘い、三好への原稿料について、梶井全集の相談など)や見たことのない写真(伊豆の文学碑完成時の記念写真。隣の女の子の振袖が川端に少し被っていてちょっと居心地悪そうな感じ)があって楽しかった。川端が実際に打ったという碁盤もあった。
 横光利一の『寝園』は伊豆が舞台であることをはじめて知った。何故か、直筆の手紙(水島治男宛、風邪なのでもう一か月延ばして(何かは分からない)という内容)も展示されており、予想外の巡り合わせにちょっと舞い上がった。
 梶井関連では、友人の中谷孝雄の原稿などがあった。
 最も充実していたのは井上靖であり、旧居まで見学することができる。井上靖が書いた「川端さんのこと」という文章の原稿もある。
 他にも伊豆に関係する文豪は多く、太宰、志賀、井伏、吉川、菊池、三島、幸田、若山などの名前が確認できた。三島が海で船に乗ってポーズを決めている写真の説明「スリリングな海のエロティシズムを楽しむ」が忘れられない。

④踊り子温泉会館

 靴もびしょびしょで寒かったので、お風呂であたたまることにした。入館料1000円、貸タオル200円。河津桜を見ながらの露天は最高だった。

⑤河津桜

 踊り子温泉会館から河津駅まで、川沿い並ぶ桜を見ながら歩いた。あいにくの雨で、花はみな下を向き、葉桜も多かったが、写真で見ていたとおりに花の色が濃いことが分かって良かった。途中、メジロの群れが花の蜜を吸うために木々を移動する姿を見つけ、春を感じた。

⑥河津駅前

 ここにも『伊豆の踊り子』像。

 写真もあった。

⑦Cafe Kirinkan

 お腹が空いたので駅前のカフェに入店。
 おいしいサンドイッチでした。紅茶で体もあたたまって、ゆっくりできた。

帰宅

河津から熱海へ向かう車窓より

 伊豆はいつか行きたいと思っていた場所なので、行くことができてよかった。『伊豆の踊り子』関連でまだ行けていない観光地や旅館、梶井・川端・横光の文学碑などもあるので、この旅が懐かしくなったころ、元気なうちにまた行きたい。次はあたたかい季節がいいな。