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「月とビールが好きなクロ」

酒屋の息子、田村太郎。猫に招かれる。
あ、はい。

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酒屋の息子。田村太郎。弱々しく泣き虫。
可愛がっている黒猫のクロは変わった猫で、ビールが好きだった。
クロは長生きしたが死んでしまい、それ以来、さらに塞ぎ込む太郎。
新しくメスの白猫、シロが来たが、太郎とは仲が悪い。

父親、太郎にビールの配達を頼む。嫌がる太郎。
泣きながら駄々をこねているところをシロに見られる。
馬鹿にした目で去るシロ。渋々了承する太郎。

出発したはいいもののすぐに迷う。暗くなっていく。
立ち竦んで泣きそうになる。と、黒猫を見つける。
黒猫、手招きする。
目を疑ったが、やはり手招きしている。
配達のビールは置いたまま、ついていく。

曲がりくねった道を通り、角を曲がるといつもの商店街だが、様子が違う。
賑わっていて、二足歩行の猫たちが闊歩している。
クロと会話する。化け猫になった話。思ったより声が渋い。
「元気にやってるのか」「戻ってきてよ」「それは無理だ」的な。

クロは化け猫界隈でショービジネスをやっているらしく、顔が広い。
舞台でバーレスク、ラインダンスなど。盛り上がっている猫たち。
サーカスの団長猫、挨拶に来る。太郎に驚き、威嚇。
クロが自分が連れてきた。と言うと態度を変えゴマをする。

サーカスが始まる。
ゲストとして選ばれ、舞台上へ。
頭にリンゴを乗せて矢で抜かれるなど。怖いやつ。
最後のマジック。団長自らやるらしい。ナイフ刺すやつ。
ビビるが「また泣くのか?」などクロに言われて「全然平気」と強がる。
なぜか口を縛られる。ボックスに入る。

本当に刺さる。
「あいたたた。あの、本当に刺さってます」とサーカス猫に訴えるも、聞いてくれない。
「刺してますもん」団長の目が光る。
様子がおかしいことに気付いたクロ、助けに向かう。
が、他の猫たちに押さえつけられる。

「人間、死ね」
刺さる瞬間、シロが飛び込んでくる。ボックスを蹴倒し太郎を助け出す。
走って逃げる。暴れるクロ。「クロ!」
シロに急かされ、曲がりくねった道を駆ける。
追い詰められる。路地からクロ。抜け道を通る。

怪我をしているクロ。心配する太郎。ビール箱の入り口まで戻る。
「本当はサヨナラが言いたかっただけなのね」みたいなこと言うクロ。
「やっぱりクロに戻ってきて欲しい」など。断る。
サーカス猫たちが迫るが、団長、横暴すぎて、反乱を食らう。
血祭りにあげられそうになる。石を投げる太郎。団長、助かる。

追っ手猫たちのターゲットが太郎たちに移る。
クロ「サヨナラ。元気でやれよ」
シロに太郎を頼むクロ。シロ、一鳴きする。
シロと太郎、逃げ切る。暴れるクロの鳴き声。

田村家。
父「今日は猫、うるさいなあ」
ビンタされる父。
母「太郎になんかあったら殺しますから」
父「心配しすぎなんだよ」など。
帰ってくる太郎。ドロドロのボロボロ。
「ごめんなさい、ビール置いてきちゃった」
父、母よりも早く太郎を強く抱きしめる。
太郎、泣きそうになるが、グッと堪える。
シロ、素知らぬ顔で部屋の奥へ。声をかける太郎「シロ、ありがとう」

猫たち、ボコボコにされた姿でビールを飲みながらクロに感謝している。
団長「いやあ、人間たちも、別に悪くはないなあ」など。
鼻で笑うクロ。舞台上では盆踊りが始まる。

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おやすみなさい。

読んでいただきありがとうございます。血が沸騰していますので、本当にありがとうございます。