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初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『PVN.4/3 ワッパ』

●開発経緯

 ジオン公国軍が“地球侵攻作戦”の実行に伴い、主力となるMSの不足を補うため、車輌や航空機と共に開発しました。MSや車輌に随伴できる機動性を有し、哨戒や偵察、連絡任務の遂行が目的とされます。

●扱いやすいパーソナル・ホバー・バイク

 前後のローターを用いて浮遊、垂直離着陸が可能で、不整地でも運用できるようになっています。運転席下部には伸縮式の着陸脚を持ちます。

 本機は内燃機関ではなく、電動モーターによって駆動します。電力を供給するためのパワーパックが機体底面に4つ設置されています。モーターの出力は高く、十数メートルまでの飛行が可能となっており、小型で運動性も高いことから、森林のような狭い場所でも運用することができます。

 また、モーター駆動のため、静粛性にも優れると言われますが、それなりの騒音は発するようです。

 操縦はレバーとフットペダルによって行いますが、機体の制御に関しては自動化されているため、数時間程度の訓練で乗りこなすことができます。さらに熟練者になると、自らの身体の一部のように動かすこともできると言われています。

●対MS戦にも使用される

 地球侵攻作戦の際、占領地域の拡大による兵員不足から、本機と少数のMS-06による機動偵察部隊が編成され、少人数による効率的な哨戒任務を行いました。本機の配備によって、機動力が大幅に向上したことで、通常の偵察部隊ではカバーできなかった範囲まで対応できるようになりました。

 また、極東地域に配置された第908機動偵察中隊に所属するクワラン小隊は、ホワイトベース隊のMSをMS-06を用いて森林に陽動し、本機の集団運用により、吸着時限爆弾を直接取り付けるという作戦を敢行しました。結果的に作戦は失敗に終わりましたが、軍上層部はこの戦術に有効性を見出し、本機を用いた対MS部隊が編成され、オデッサ防衛戦で実戦投入されています。

“PNV.4/3 ワッパ”

●スペック

全高:2.7m
全長:5.5m
全幅:2.1m
動力源:電動モーター2基
乗員:1名
主な搭乗者:クワラン、ソルほか公国軍兵士

●基本武装

○マズラMG74/S機関銃
 ブーム懸架式機関銃にマズラMG74/Sを装備したものが一般的ですが、構造がシンプルであるため、様々な兵装に改修された機体も存在するようです。MSや戦車の脅威にはならず、対人用として使用されます。

●戦後は民間にも普及する

 戦後、連邦軍によって接収された本機は非武装化した上で民間に流されます。その優れた操縦性や運動性、整備性が高く評価され、モータースポーツにも用いられるようになります。

 様々な民間企業がこれに着目し、ホバー・バイクの開発、販売を進めていきました。これによって、ホバー・バイクは民間にも普及していくことになります。

 以降、“ワッパ”という言葉は特定の機種を指すものではなく、ホバー・バイク全般を指すものとして、認識されるようになります。

 ワッパはU.C.0150年代になっても使用されて続けています。特に多くの人々が離れて辺境の地となってしまった地球では、路面が未整備のまま放置されていたため、生活になくてはならない存在となっていました。

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