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初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『FFX-7 コア・ファイター』

●開発経緯

 元々は地球連邦軍のV作戦によって開発されたMS、所謂“RXシリーズ”のコックピット・ブロックを兼ねる脱出装置として、開発がスタートしました。

 しかし、開発を担当した老舗の航空機メーカーである“ハービック社”は戦闘機への変形機構の導入に成功し、そこから様々な新機軸を盛り込んだ多目的戦闘機に生まれ変わります。

 ベースは同社が開発した戦闘機“FF-6 TINコッド”だと言われています。

●コア・ブロック・システム

 本機は戦闘機からコア・ブロック形態へ変形し、MSとドッキングすることで、MSのコックピットになります。これはコア・ブロック・システムと呼ばれ、後年の試作実験機の一部にも採用されました。

 本機の場合、機首と翼を折りたたみ、コア・ブロック形態に変形し、MSの上半身(Aパーツ)と下半身(Bパーツ)で垂直に挟み込む“バーティカル・イン・ザ・ボディ”と呼ばれるドッキング方式を採ります。

“バーティカル・イン・ザ・ボディ”

 コア・ブロックがMSの装甲で完全に覆われるため、安全性は増しますが、複雑な変形機構は生産性や整備性の悪化を招いたことやコア・ブロック側の兵装や燃料などがデッドウェイト化するといったデメリットから、後年のものはMSの後方から水平に差し込んでドッキングする“ホリゾンタル・イン・ザ・ボディ”方式に変更されています。

 本機は機首を折りたたむ際にコックピットも回転し、内装も変化します。戦闘機形態の時は一般的な戦闘機のような操縦桿を使用しますが、コア・ブロック形態になると、レバーやフットペダルが現れます。

●戦闘機としても高性能

 動力源として、熱核反応炉が搭載されており、推進エンジンは熱核ロケットと熱核ジェットのハイブリッド形式になっています。その結果、宇宙空間ではマッハ4.8、重力圏でもマッハ3.0という最高速度を誇ります。

 また、装甲にはルナ・チタニウム合金が採用されており、装甲性能も一般的な戦闘機を遥かに凌ぎます。

 先述したようにバーティカル・イン・ザ・ボディ方式を採るため、デッドウェイト化する兵装や燃料などの搭載は制限され、継続戦闘能力は高くありませんが、戦闘機形態となるのは、あくまでも緊急脱出時なので、問題視されることはありませんでした。

●教育型コンピューター

 教育型コンピューターが搭載されていることも本機の大きな特徴です。これは我々が日常的に使用しているものとは違う次世代型のスパコンで、ミノフスキー粒子による機能障害を防いだり、機体制御と火器管制システムを統括し、戦闘データを蓄積、更新することでOSが常に進化していきます。

 そして、蓄積されたデータから同じような状況になった時に最適な動作をパイロットに提案してくれます。ホワイトベースのパイロットたちが訓練も受けずに本機やMSの操縦ができたのは、試験の際に蓄積されていたデータがあったからです。

 また、このデータは他機種とも互換性があり、複製や共有も可能です。そのため、後に開発された量産機にもそのデータを反映することができたのです。その結果、訓練期間が短い新人パイロットでも熟練パイロットのような動きができ、連邦軍の勝利に大きく貢献することになります。

 本機が戦闘機としても非常に高い性能を誇るのは、パイロットの生命と同等以上に戦闘データは貴重なもので、それを持ち帰るためだとも言えるわけです。

 この教育型コンピューターは非常に高価だったこともあり、量産機に本機は搭載されておらず、簡略化されたコックピット・ブロックに置き換えられることになります。

“FFX-7 コア・ファイター”

●スペック

全高:3.2m
全長:8.6m
全幅:6.8m
本体重量:8.9t
装甲材質:ルナ・チタニウム合金
最高速度:マッハ4.8(宇宙空間)、マッハ3.0(重力圏内)
出力:12,000馬力
主な搭乗者:アムロ・レイ、リュウ・ホセイ、ハヤト・コバヤシほか連邦軍パイロット

●基本武装

○2連装30mmバルカン
 機首に左右1基ずつ装備されています。近接戦闘で使用されます。

○4連発対艦ミサイル・ランチャー
 本体上部に左右1基ずつ内蔵された空対空ミサイルです。対艦以外にも対戦闘機戦や対地攻撃、対MS戦でも使用されます。

●ホワイトベース隊での活躍

 本来は緊急脱出用だった本機でしたが、常に公国軍から付け狙われていたホワイトベース隊はMSの整備や修理が追い着かず、本機をひとつの戦力として、偵察や哨戒、さらには直接戦闘に参加することも多くありました。

 そして、その性能の高さから活躍を見せたことで、連邦軍からの評価が高まり、強化ユニットや派生機の開発が進められることになります。

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