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初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『サムソン』

●開発経緯

 ジオン公国軍は開戦以前から地上におけるMSの移動力の低さが問題視されていました。そこで、MSの輸送を目的に開発されたのが本機です。

 サイド3の民間企業“ホシオカ”で使用されていた同名の大型トレーラーがベースとなったのではないかと思われます。

●縁の下の力持ち

 トラクター部の推進機関には、ガスタービンエンジンが採用されており、MS-06およびMS-07タイプのMS1機を積載したトレーラー部を牽引します。

 トレーラーであるため、不整地を走破するのは困難で、迅速な輸送という意味でも十分ではありません。また、熱核反応炉を動力源とし、歩いたり、走ったりするだけなら推進剤を消費することがないMSをわざわざ燃料を消費する本機で輸送する意味はあるのだろうかという疑問を持たれる方もいるかもしれません。大きな理由は二つあります。

 一つは、いくら推進剤を消費しないMSでも長距離を移動すると、脚部関節に負荷がかかり、故障の原因になるという点です。できるだけ万全な状態でMSを送り届けるという意味があるわけです。

 もう一つは、MSパイロットの負担を軽減するという役割があります。不眠不休で最前線まで移動し、そのまま戦闘に参加するというのは不可能です。本機を利用することで、MSパイロットは睡眠や食事を摂りながら、最前線まで向かうことができます。

 MSを前線に輸送するという本来の目的以外にも、動けなくなったMSやマゼラ・トップを運ぶ、MS以外の物資を運ぶという役割も担うわけですから、地味ながらも公国軍の兵站を支える縁の下の力持ちだったわけです。

●サムソン・トップ

 トラクターの運転席部分は分離して、ホバークラフトによる飛行が可能な構造になっており、車輌では走破することができない不整地でも高速で移動することができます。ただし、これはあくまでも緊急時の脱出装置として機能するものであり、分離後はトレーラー部を動かすことができず、実質破棄することになります。この分離可能な運転席部分は“サムソン・トップ”と呼ばれます。

 サムソン・トップは基本的には脱出装置なのですが、武装していることや通信設備、広いキャビンを持つことから、兵員輸送車として運用されることもありました。

“サムソン”

●スペック

 詳細は不明です。

●基本武装

○2連装機関砲
 サムソン・トップに2基装備されています。武装されてはいますが、あくまでも輸送車であるため、交戦能力は無いに等しいと言えます。

“サムソン・トップ”

●戦後、連邦軍によって運用される

 戦後、連邦軍によって接収された本機は、その利便性を買われて、量産までされています。表舞台に登場することはほとんどありませんが、多くの兵器が消えていく中、本機のような地味な兵器が舞台裏で活躍し続けているというのが面白いところではないでしょうか。

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