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ソノダ テンパ (Takeru Sonoda)
2019年8月25日 09:28
町中どこに行っても音楽が満ち満ちていて疲れてしまう。喫茶店に座っても、居酒屋に入っても、ショッピングモールを歩いても、スーパーマーケットの店内にいても、どこもかしこもBGMが溢れている。どうして、こんなに聴きたくもない音楽を聴かされることになるのだろうかとイライラしてしまうが、BGMはどこにいてもつきまとう。場所によっては、音楽のボリュームが活気の現れと勘違いしているのだろうかと疑いたくなること
2019年8月25日 09:13
嫌いな食べ物がほとんどない僕でも、世の中本当にこんなものを食べるのか、とちょっと口にするのを躊躇するものがある。東南アジアの孵化しかけたアヒルの卵や、ゲンゴロウやらタランチュラやらを素揚げにした各種昆虫食。ヨーロッパにおいても子羊や豚の脳味噌が調理されたものなどがあり、世界にはまだまだ見知らぬ食べ物があることを知る。おっかなびっくりしながらも、いつかは食べてみたいという相反した気持ちが芽生え、そ
2019年8月5日 14:39
いろんな所で料理をしてきた。人の家に上がり込んで料理をして、自分の慣れ親しんだキッチンと違いを感じて、料理をするのはナカナカ乙である。あの調理器具がない、ここにはこんな調味料があると手探りで調理を進め、家主にあれこれと尋ねて、世の中のキッチンのバラエティーを楽しんでいるのに気がつく。職業的に料理をする人のキッチン、料理が趣味の人のキッチン、家事はおざなりながらも食べることに心血を注いでいる人のキ
2019年8月5日 13:51
どこまでも続く平原。ちらほらと点在する白いシルエットの羊を見渡せるが、あまりの空間の広大さに、その膨大な羊の数がかすんで見える。牧場のフェンスと巨大な農業機械と時々羊。町から町へと結ぶハイウェイの周囲では、そんな単調な景色ばかりを見ていた。小さな集落が忘れた頃に現れるが、一瞬にして通り過ぎてしまう。もう何百キロも運転しているのに信号がまったく出てこない。人気のない土地をどこまでも道が延び、時折道が
2019年8月2日 22:43
The Datusunsというバンドは、2002年デビューの南半球はニュージーランド出身の四人組。日本でのデビューアルバムが発売される年の『Rock'in on』だか『Player』だかの雑誌に小さな記事が掲載され、初めて彼らを知ったのだった。何やら2000年代に古典的なハードロックをリバイバルするバンドの雄であるようなことが書かれていたような覚えがある。今更そんなゴリゴリのロックを炸裂させるバ
2019年8月2日 22:30
南洋の大陸オーストラリア、その地に暮らしたのは、2003年のことだった。父親の仕事の関係でシドニーで一年過ごすことになったので、どうせなら家族で行こうと提案があった。僕と弟は大学を休学することになった。妹は高校が決まったばかりの時で、入学と同時に休学するという荒技をなして、渡豪を決行した。到着したシドニーは晴れ晴れとした土地だった。澄み渡る青い空、湾から吹き付ける潮風、人々は砕けた着こなしで(と