お節料理(2023年暮れ)
今年も年末が来てお節料理をどうするのか考える季節になりました。
何を作るのか?それとも買ったもので済ませるのか?
悩みながら準備をしました。
母好みのお節料理
正直、母との思い出はあまり良いものが無いのですが、お節料理だけはちょっと特別です。
超偏食な母なのでいろいろと偏っていたのですが、母の実家が佐渡だったという事と時代背景を考えると仕方ないか、とも思ってしまいます。
また特別な行事(お祭り等)の時は精進料理になっていました。
精進料理と言っても、緩めの感じです。
殺生は禁止なので、当然ながらお肉はNGです。
普段の食事も4つ足は食べず、鶏肉まででした。
我が家で豚肉を食べるようになったのは、私が中学に入り母がほぼ完全に炊事をしなくなった頃からです。
精進料理と言ったら全て植物性の物と認識していた私は緩さに質問をしたくらいです。
何か行事があるときに必ず作るのがお煮しめです。
必ず入っていたのが、大根、人参、ごぼう、椎茸、こんにゃく、結び昆布です。
そこに蒲鉾とゆで卵が入るときもありました。
精進料理と言いつつ、蒲鉾とゆで卵は良いのですか?という突っ込みなのです。
昔の事(母は昭和10年1935年生まれ)なので卵はすごく貴重品でご馳走だったのです。
また今のように冷凍冷蔵技術が発達していません。
輸送網も発達していません。
佐渡と言う場所もあり、冬は海がしければ漁に出られません。
つまり魚を食べようと思ったら、加工品しか食べることができません。
ストレートに言うと塩抜きしないと食べられない塩漬けと、カチカチに乾燥した干物になります。
昭和10年生まれで母の少女時代がどうだったのかは推測する事しかできませんが、小学4年生の時に終戦を迎えます。
つまり時代背景を考えれば豊かな食生活とは程遠い時代でした。
精進料理なのだと言って納得させられたという側面もあったのでは?と考えます。
とにかく精進料理と言いながら、蒲鉾と昆布巻きの身欠きにしん、田作りも用意していました。
どれもお魚が使われているので、それは良いのか?と聞いたことがあります。
生魚を使わなければ良いのだと言っていました。
祖母はもっときっちり守っていたようです。
もともと大所帯だったので31日と1日は精進料理でお魚抜きだったそうです。
2日にお魚入りの物を食べご馳走になったという話を聞いたことがあります。
母のメニュー
母が作っていたお節料理のメニューは以下の物です。
煮豆
黒豆の事もありましたし、金時豆の事もありました。
とにかく母の大好物です。
煮物
大根、人参、ごぼう、椎茸、こんにゃく、結び昆布
そこに蒲鉾が入って7種類です。
私もですが、煮物を作るとき入れる物を数えて5種類または7種類になるように数えています。
昆布巻き
昆布をただ巻いてかんぴょうで縛っただけのこともありましたが、芯に身欠きにしんを入れることも多かったです。
田作り
ある時期まで作っていたのですが、毎回残るので作らなくなりました。
詳しくは以下の記事を読んでいただければと思います。
今思えば普段ほとんど料理をしないのに、お節料理だけはそこそこに作っていたのだと感心します。
そういえば祖母が「好物だけは作れるように」と言っていたと聞いたことがあります。
草餅入りのお汁粉
お汁粉と言うとこしあんになるので、正確にはぜんざいです。
1日の朝食にいただきます。
そして絶対外せないのが、焼き豆腐とごぼうのお味噌汁です。
これは周囲の人から、え?!って言われます。
でも甘いお汁粉にさっぱりとしたごぼうのお味噌汁がおいしいのです。
お雑煮は大根、人参、蒲鉾入りの醤油味です。
これは1日のお昼にいただきます。
母の好みは汁だけですが、野菜も欲しい折衷案です。
31日に煮物作るな
盆正月にしてはいけないと昔から言われてきたものがいくつかあります。
その中に31日に煮物作るなという物があります。
私も長い間、忘れていました。
理由を言えば、煮物は2日目以降がおいしいのだから31日にバタバタとはよろしくないという事らしいです。
ある時母がお煮しめを作っていて、出来上がったものを食べようとしたら「それは今日食べるのではない。1日に食べるのだから」と言われたことがありました。
かなり幼い時の話です。
31日にほんの少し食べて1日になったのですが、私はしょっぱくなり全ての具材が醤油色に染まった煮物がおいしく感じられませんでした。
その結果一口食べて全て残したように記憶しています。
つまり作った日と翌日は食べるけど、3日目は食べなかったのです。
それ以来、母は「おいしいうちに食べたほうが良い」と言うようになりました。
保存容器に入れて冷蔵庫保管できれば良いのですが、昔は冷蔵庫も小さかったので鍋で温めなおすしか方法が無かったのです。
今年は何をどれだけ用意しようか?
実は私は母が作るお節料理はあまり好きではなかったのです。
大きな部分は食生活の好みの違いです。
精進料理は別に問題ないのです。
ただ超偏食の母は、野菜が嫌いなのです。
精進料理で野菜が駄目って、もう食べるものがありませんというレベルです。
私は単純に野菜と蛋白質をバランスよく食べたいだけなのです。
その為、世間の言うご馳走と呼ばれる蛋白質中心の料理もちょっと苦手です。
かといってお正月らしくないのも寂しいのでどうしよう・・・と言う感じです。
いろいろ作ってみたいと思っても、長期保存はあまりしたくないです。
おいしく食べきれるだけ用意したいと思っています。
煮しめ
冷凍の野菜セットにこんにゃくを追加して作りました。
冷蔵庫で保存する事を考えると、あえて鶏肉は入れずに作りました。
素材を1つ1つ用意するのも良いのですが、作りすぎて食べきれないのは避けたいので冷凍野菜にしました。
煮豆
私、実は甘い煮豆が非常に苦手なのです。
10粒もあれば十分です。
作るにしろ買うにしろ、煮豆10粒はさすがに無理なので無しにします。
田作り
作ってみようかな?という気分があったのですが、いろいろ考えて今年もパスにしました。
子供のころは飴に絡めた魚が美味しいと感じられなかったのです。
伊達巻
今年は一正蒲鉾さんから優待を頂いたのでそれにしようと決めていました。
でも大好物なのでもう1本買ってきました。
そのうえ、自分でも巻かずに作ろうとはんぺんを買っています。
どれだけ好きなの?と呆れられそうです。
はんぺんは作らなかったら別で食べれば良いと思っています。
お汁粉
小豆はそこそこ好きなのですが、おいしく煮るにはお砂糖がたっぷりになってしまいます。
お砂糖の使用量を減らすために、発酵餡子を作りました。
餡バターにするとおいしそうな甘さに仕上がったので、かなりお砂糖の量を減らすことができます。
適量を器にとりお湯をさすとお汁粉になると言うので、来年はこれを使うことにしました。
今年は草餅を買う事が出来ました。
お正月に食べるのを楽しみにしています。
高野豆腐
精進仕様でお料理を作るときに絶対外せない食材です。
買い置きがあったはずだと見たら、賞味期限がかなりすぎていました。
とりあえず戻してみたのですが、古すぎてこりゃ駄目だと判断し大急ぎで新しいものを買ってきました。
5個パックの物があったのでそれを買ってきました。
残すと使い切れない気がしたので全部煮ました。
昆布巻き
母と住んでいたころはかなりしっかり作っていました。
元夫と居た頃はどうだったのか?
正直覚えていません。
何回かは作った気がするのですが、いつの間にか作るのをやめたような気がします。
今年は頑張って作っても食べきれないと判断したので購入してきました。
紅白なます
作ろうか買おうかかなり悩んで、とりあえず買ってきました。
材料は用意できていますが、きれいにおいしく食べきることが目的です。
一口食べて終わりになるのであれば、買って済ませようと考えています。
上生菓子
お正月らしい華やかなお菓子と思ったら良さそうなものが売っていました。
きんとん
いつもはサツマイモとパイン缶できんとんを作りますが、今年はスイートポテト風のケーキを焼いて済ませることにしました。
サツマイモがあるから、ケーキときんとんが作れると思っていました。
でも測ってみたらちょっとサツマイモが足りなくなったのです。
食べきれる分を作るというのが基本なので、きんとんは今年は無しにしようと決めました。
精進料理にしなければいけない理由はないので、ゆるく気の向くままにしようと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
読んでいただきありがとうございます。 アトリエを無事引っ越すことが出来ましたが、什器等まだまだ必要です。 その為の諸費用にあてさせていただきます。