【随筆】天を仰ぐ
日食や月食のような現象でもない限り、空をただ眺める、という事がめっきり少なくなって来ました。
昨夜は七夕だったので、外に出てみましたが、暑さに負けてしまったし。
観天望気という言葉があります。高校の頃、理科の先生に教えてもらった言葉。
雲の動きや形、風の吹き具合、太陽や月などの見え方などを経験して天気を予想することだそうです。
鮮やかな夕焼けが見えたら、明日はいい天気。
飛行機雲が長くなっている時は、明日は雨。
山にカサがかかっていると、明日は傘が必要、と割とお馴染みの事柄は、一度は聞いた事があると思います。
テレビやネットの天気予報に頼っている現在は、空模様を「読む」という事が、分かりにくくなりました。
それは、異常に暑くなったり、 急に突風が吹いたり、
ゲリラ豪雨があったり、
長い時間、同じ場所に居続ける線状降水帯など、
これまであまり無かった空の様子から、
空模様を「読む」事が難しくなって来ているからではないでしょうか。
天気予報の精度が、以前より上がって来ているのも要因ですかね。
「夕立ち」なんていう風情な言葉も、今は聞かれません。
代わりに防災が盛んに云われるようになりました。大事なことだからです。
生きている私たちに出来ることを、これからは、まず考えなくてはいけなくなりました。
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