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言わぬが花

てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,32

2023年9月15日号

建設中の建物の取っ手を自作中

こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。

今日は旧暦8月1日、新月です。
南国沖縄も朝夕は過ごしやすくなってきました。
最近は朝6時から7時までは畑の草取りタイム。
これが非常にすっきりとした
良い気持ちになります。

今回は「言わぬが花」についてです。

「なんでも鑑定団」という番組が好きで
時々見ていますが、
その中で出会ったお話です。

日本の抽象画家の先駆者で、
武蔵野美術学園の学長も務めた
山口長男(やまぐちたけお)。

依頼人は子供の頃、
実家が山口家の近所で
家族ぐるみの交流をしていた。

ある時、依頼人の母と奥様が世間話をして
近所の人の話となり、
「一言多いわよね~。」
「そうよね、言わぬが花よね~」
そんな話をした帰り際に、
アトリエから出てきた山口が
「奥さん、こんなもの描いたから持っていきなさい」
と一枚の紙を手渡された。

見てみると色紙に大きく
『言わぬが花』と書かれ、
筆で百合の花が描かれ
筆の後ろをスタンプのように使って
朱の印が押されている。

母親はさっきの話を聞かれていたとわかり
恥ずかしくなった。

というお話でした。

金額は忘れましたが
良い評価額でした。

絵画鑑定士さんによると、
彼は非常に自己顕示を嫌い、
黙って静かに存在するのを良しとした。
だからこの言葉は
批判というよりも
彼の本心から出た言葉ではないか、
そうして考えると
とても味わい深く良い絵です、
大切にしてください!
とのことでした。

そう聞いて眺めると
確かに良い絵でした。

いい言葉だね!
と夫婦で話して夜になっても
ずっと心に残っていました。

言わぬが花、というと
言ってしまうと粋ではないとか、
余計なことや悪口は言わない方が得だ、
という意味だと思っていました。

けれどもこの絵をみたら
ふと子どもの頃に読んだ絵本
「花咲き山」を思い出しました。
「人のことを思って辛抱したり、優しいことをすると、
その気持ちが花となって咲く」

つい一言いいたくなってしまう時も
多々ありますが
ぐっと我慢しているとき
「言わぬが花」で
どこかで自分の花が咲いているのかもしれない。
描かれていた百合の花が
そんな意味に思えてきました。

夫も
「なんだか言わぬが花、と思うと
優しい気持ちになれる。」
と言っていました。

「言わぬが花」、素敵な言葉です!



*今回もてるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンを
 ご購読いただきありがとうございます。
 今日も良い日となりますように。


私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
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編集後記
作業場建設も大詰めとなっています。
連日頭を悩ましながら作業を進めています。
水平とは地球上の水の表面と平行なこと、
垂直とは地球の中心にまっすぐ向かっていること。
単に紙に書いた90度の直角ではなくて
地球を感じられるのが建築の面白いところです。
完成ももう少しです。
(のり子)

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