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やればできるからやってみよ!|マインドセットについて考える

こんにちは。「ぐり」です。

今回は

『「やればできる!」の研究 能力を開花させるマインドセットの力』

を読みました。

本著は2008年に初版が出版、2016年にタイトルが少し変更され再販されるなど世界的なベストセラー本として非常に有名です。学業や子育て、人間関係など多くの場面で、「マインドセット」がいかに重要がを力説してくれています。

今回はマインドセットについて考えていきます。


マインドセットとは?

デジタル大辞泉では「マインドセット」が以下のように述べられています。

ものの見方。物事を判断したり行動したりする際に基準とする考え方。

つまりは、独自の思考のフレームワークみたいなものです。


このマインドセットには2種類あると言われています。


1つ目は、「固定マインドセット」です。

簡潔に言えば、「能力はもともと決められており、変わることはない」という考え方です。参考文献には「こちこちマインドセット」と表記されています。


2つ目は「成長マインドセット」です。

簡潔に言えば、「自分の能力は努力次第で成長させることができる」という思考の仕方です。参考文献には「しなやかマインドセット」と表記されています。


人間はどちらのマインドセットも備えていますが、どちらの考え方に重きを置いているかは人によって異なります。


僕自身の過去体験について。。。

この本を読んだ後、僕は自身の体験を思い出しました。

他人との考え方のギャップに衝撃を受けた日のことを。。。


1年生の春休みに友だちのA子と将来について話していました。A子は司書を目指し、司書課程を専攻していました。その当時から働くことに関心があった僕は企業でインターンを行っていました。


A子「ぐりは将来に向かって動いていて偉いね。」

僕「僕はまだ将来やりたいこと決まってないから。それに比べ、A子は司書という夢が定まってるから羨ましいよ。」

A子「でも最近迷ってる。公共図書館の職員の募集なんて、採用人数は精々が1~数名の狭き門なんだよね。司書の資格とっても実際に司書なれる人ってほんの一握りだし諦めようかな。」

僕「小さい時からの夢だろ?大学だって司書になるために選んだんじゃないか。」

A子「そう、でも無理なの。司書辞めたら将来どうすればいいのかわからないよ。」

僕「まだ何もやってないし、諦めるのは早いって!A子いつも人当たりいいし絶対受かるって!」

A子「絶対無理なの。」

僕「やってみなきゃ、無理かどうかわからないじゃないか!」

A子「私はぐりと違うの!!!」


このように言い合いが続き、最終的にはA子を泣かせてしまう結果になってしまいました。僕にとってはとても苦い経験になりましたが、なぜ彼女がトライしたわけでもないのに、長年の夢を諦めることを選ぶのかまったく理解できない日々を送っていました。


2年の春休みに入り、この本を読んだときに、A子が僕に言った

「私はぐりとは違う。」という意味がようやくわかりました。


これは、2人のマインドセットが異なっていたということです。

彼女は「固定マインドセット」、僕は「成長マインドセット」を持っていました。A子は「自分には才能がないから司書にはなれない。」と思っており、僕自身は「A子が頑張れば絶対に司書になれる。」と思っていたことで、なかなかうまくコミュニケーションがとれなかったわけです。

マインドセットを知ったことで、僕の心につかえていた何ががとれたような気がしました。


マインドセットも「感情」だ。

マインドセットは自分独自の思考のフレームワークです。

思考自体は自分の頭で意識的に考えることを指します。しかし、そのフレームワークであるマインドセットは、自分の経験に基づいて、凝り固まった偏った考え方が勝手に形成されていきます。


つまりマインドセットは、もはや意識的なものではなく、無意識的なものだと言えます。


マインドセットを、前回考えた「行動」と「感情」の関係性と絡めて考えてみましょう。

人間は湧き上がる感情は完全にはコントロールないが、自分の行動はコントロールできる。そしてその行動は、少なからず自分の感情に影響を与えることが出来るという関係です。

※前回の記事については以下のURLをチェック!


つまりは、無意識的でコントロールできないマインドセットは、「感情」に似ているともいえるでしょう。


両者の違いを挙げると、

「感情」はその都度沸き上がりは消えていく一過性のものの一方で、

「マインドセット」は木の根っこのように根強く残り続ける継続的なもの

であるという点で異なります。このことは、感情に変化をもたらすより、マインドセットを変化させることの方ががはるかに難しいともいえます。


但し、「行動」によってある程度コントロールができるのは両者も同じです。


マインドセットは経験を繰り返すことによって形成されていきます。経験することは、なにかしらやってみることから始まります。すなわち、行動する(目の前の事象に対して自分がすべきことは何かを考え、しっかりと責務を果たす)ことが、マインドセットに変化をもたらすことになるでしょう。


マインドコントロールをしなやかにするためには、より多くの「成長体験」を積み重ねることが重要です。「成長体験」は決して「成功体験」とは限りません。つまずくことを恐れて安易な成功を選ばず、自己の成長を目指し、困難な道を選ぶ人こそが「成長マインドセット」の持ち主です。


本著では、第三者の視点から人を褒める際、その人の性格・才能を褒めるよりも、やり方やプロセスなど結果に対する個人の努力を賞賛すると良いと書かれていました。

努力をし続けることが、成長につながり、それは前向きなマインドセットを持つきっかけとなるからだと思います。


まとめ

今回はマインドセットについて実体験も交えながら考えてみました。


マインドセットは、イルミネーションのようなものです。木々が倒れないように支える根っこのように、マインドセットは僕たちの思考の基盤となってくれています。またそれは、1つ1つのライトが光るように、アイデアや考えをひらめかせてくれます。


僕は今なら、A子のマインドセットを理解し受け入れたうえで、

「司書という夢を追うために、一生懸命勉強し、志望の大学に入り、司書として働くことが狭き門にも関わらず、司書課程を通してしっかり知識を蓄えて、夢をかなえようと努力してきて本当に尊敬しているよ。」

と声をかけることができると思います。


自己の行動によって自身のマインドセットも変えることができるし、他者のマインドセットを変えるきっかけを与えられます。マインドセットは独自の思考のフレームワーク。自分の行動で、しなやかなマインドセットに変えてみませんか?


【参考文献】

キャロル・S. ドゥエック(2008)『「やればできる!」の研究 能力を開花させるマインドセットの力』, 草思社




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