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『いつもと違う』ことにワクワクして絵の仕事をした話

クラウドソーシングにて、とあるクライアントさんにスカウトされたのでテストを受けた時の話です。
※業務内容の詳細は、伏せたりちょいちょい改変します。

詳しくは言えませんが、絵柄寄せができるかどうかのテスト。固定のキャラがいるチャンネルを運営しているクライアントさんの案件なら、よくあるテストです。
特定のキャラクターを指定のポーズやアングルを数カット、清書までして提出します。

その時のテストは、キャラクターの配色カラーに規則性(上手い表現がみつからない)がなかったんです。
いわゆる影を1色だけで乗算や焼き込みなどで配色することが対応できないオリジナルキャラクターだったんです。

依頼されたテストは同じキャラクターをポーズ、表情や視点を変えて、5枚ほど。
ベース、影、ハイライト(白じゃない部分もあった)を含めて全身を、20色以上毎回スポイトで取って塗り分けて行くのは、色を置くだけで時間のかかり方がはかりしれない……。

線画描いて…ベースベタ塗りして…影とハイライトだけ一気にやって…一括で色分けできないものか…

あ、そうだ
…グラデーションマップ、使えるんじゃない?

グラデーションマップの最初のカラーセットだけ準備しておけば、あとはグレーで全体を影付けすれば細々な色付けを何回もしなくてよい…!

とりあえず渡された見本の配色表に「0 、10 、30 、50」と数字を振る。
グレースケールの%の数字です。
0は、ハイライト
10は、ベース
30は、影
50は、上記以外の指定カラー
になるように気をつけて振り分ける。

次にクリスタのグラデーションマップで、新規セット作成し(キャラクターの名前で登録)、「肌」「髪」「シャツ」「ズボン」「金具」…のように各パーツ毎にどんどんマップを作成してカラーも振り分けていく。
これで、グレースケールで特定の%の数値で塗られた場所を希望の色が表示されるようになりました。

さらに効率化を求めてみます。
そのキャラクターの配色用のレイヤーセットを作り、素材登録をする。
各パーツのグラデーションマップレイヤーを作り、レイヤー名をパーツの名前に変更。
およそ15枚ほどになったがそのグラデーションマップレイヤー達を1つのフォルダへまとめ、クリスタへ素材登録。

この下準備をした事により、グレースケールでベース、影、ハイライト、時々指定のパーツで一気に塗り、いつでも素材登録したフォルダを呼び出し、各パーツをマスクすることでキャラクターの配色を終わらせることができるようになった。

結論から言えば、
この方法は有り!でした。

もちろん影1色で乗算や焼き込みで対応できるなら、そっちが1番速いです。
そして3〜5枚程度ならスポイトで取って塗っても作業時間的にはあまり変わらないと思います。

ただ変化球な配色なキャラを10枚20枚と『大量』に描くなら、事前準備にグラデーションマップ仕込みをするほうが圧倒的に効率が良いです。私にとってはハマったやり方でした。
塵も積もれば山となる現象がおきるでしょう。

今回は枚数が少ないなら、「まぁ…スポイトで…対応しても…いいけど…うーん…」な、感じでしたが、

受かるかどうか別として、新しい方法試してみたい…!

…もしこのテストが受かったら、特定のキャラクターをたくさん…YouTube漫画動画だから20〜30ページキャラクターを描いて塗っていくことになる…

…それならキャラ寄せのために下描きや線画に集中したい…

…配色に規則性の無い同じキャラクターを大量に描いて行くのに効率の良い方法を試したい…!!

なにより、好奇心が勝りましたね。はい。

グラデーションマップは今まで1枚絵のカラーイラストの色味調整で仕上げにちょこっと使う程度でした。
他の使い方もあれば、面白いのになぁ…と思っていたので、そのテストのご依頼はとても勉強になりました。

仕事絵の集中力、長くて1時間しか持たないのに、そのグラデーションマップ作戦は気づいたら2時間経ってた…!コーヒーを飲むのも忘れて…!

仕事でも趣味でも、ワクワクしながら作業ができること、とてもよきです。
これからも新しい発見をしながら絵を描いていけたらいいなって思います。

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