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世界の希望と絶望が交差する時、あなたはどちらを選ぶのか_第4話
「そういえば領長、お伝えしたいことがあります」
「どうしたの?シルヴォ」
何かを話し始めた。凛は状況を察して部屋を出て行こうとしたが、
「待って」と止められた。
「凛にも聞いて、協力して欲しいの」
エイラは何か深刻そうな様子で話し始めた。
「見てもらえたからわかると思うんだけど、今私たちの住んでいるこの場所は侵略されようとしているの。あなたはとっても強いし、頼りになるの。私たちのために、一緒に戦って欲しいの」
シルヴォも共に頭を下げた。凛も流石にここまで頼まれては見て見ぬ振りはできない。
「分かりました。一緒に戦います。なのでどうしてこうなって今どういう状況かだけ教えてもらえませんか」
凛は2人に対してそういうと、持っていた鞄の中から筆記具といくつかの置物を取り出した。
「それなら、今の状況を簡潔にいうと、僕達の場所と隣の国の間の森の先に100人ほどの武装した大人の集団が集結しています。恐らく僕たちやこの場所を狙っているのでしょう」
シルヴォはそう答えると、地図を持ってきた。そして、森の場所を指差して、防衛陣地の配置を示した。
「僕達には訓練されてはいるものの子供の弓兵が30人ほどしかいません。数人例外はいますが。今僕たちには余裕がないんです」
そう言われると凛は俯き考え込んだ。人数に余裕がない状況は慣れている。経験から何か思い出せないかと思っていた。
少し前、一度だけ一般歩兵10人ほどだけで100人ほどの敵を壊滅させたことがあった。
「あの時は確か、洞窟の中で戦ったんだよな…」
凛は過去のことを思い出す。
「何か思い出せた?」
エイラは凛に聞いた。
「少し前に、少人数ですごい数の敵を打ち破ったことがあるんですよ。その時、洞窟の中に散らばって敵が体勢的に応戦しずらい場所を狙ったんですよ」
「それなら!」
シルヴォとエイラは口を揃えて言った。
「あの森には険しくて大きい洞窟があるの。そこなら、できるかもしれない。それ」
エイラが言った。
「そうと決まれば早速準備しましょう。」
そう言うと、シルヴォは人を集めてこの状況と作戦を説明した。
「さて、今日はもう遅いし、しっかり休んで明日に備えましょ」
そうエイラが言うと、集まった人はどんどん解散していった。
「凛、あなたはここを使って」
近くにある空き部屋に案内された。物は殆どなく、棚と水甕とベッドがある。それが出入口を中心に左右対称に並んでいた。
ー翌日ー
「ここか…その洞窟は…」
凛はニヤリと笑った。
「今から配置を説明する!今から言う場所に各自配置に!」
ほとんど全員の配置が完了し、残りは3人だけになった。
「凛さん、領長とあなたの場所は任せます」
シルヴォはそう言うと、自分の配置場所に就いた。
「私は入口の近くで牽制攻撃をして、敵をこっちに誘導するわ」
「じゃあ、自分は入口近くの小穴に居ますから」
小柄な人1人がやっと入れる穴に入ると、銃を構えた。
森の方から人の迫ってくる気配を感じる。
洞窟にいる全員が身構えた。
そして、エイラは一瞬光を発した。
敵に居場所を知らせ誘導している。
「いよいよか。」
凛は引き金に指を掛けた。
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