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世界の希望と絶望が交差する時、あなたはどちらを選ぶのか_第16話

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「さっき言ってたでしょ。一杯話しましょ」

エイラは笑顔で、そう凜に話しかけた。

「本当に、何でも聞いていいんですか?」

凜はそうエイラに言った。

「前から気になってたんだけど、その敬語やめてくれない?私にとってはもはや位譲りたいぐらい強いのに…」

とエイラは凜に注文を付けた

「でも…」

「とにかく!敬語ならまだいいけどさん付けはしない!分かった?」

エイラがそう凛に詰め寄った。

「はい…わかりました…」

「で、聞きたいんですけど、"魔法"って結局何なんですか?」

凜はそうエイラに聞いた。

「話すと長くなるけどいい?」


「今から1000年くらい前、ベルネウ川が今の流れで安定した頃、私達は遺伝子の突然変異によって、空気中にある物質を少しだけど自分の意思で動かせるようになったの。そしてその変異した遺伝子は、周りに伝染した。同じ池で水を汲んでいたそうね。そして、その代の間に「気導術」が発達した。」

エイラは俯きながら続けた。

「それは、火気、電気、風気を操るものだったのよ。ちなみにこの変異した遺伝子はすぐに伝染しなくなったらしいけど。そしてその気導術を使えるというのは、周辺の国々が強くなっていく中で国が存在していなかったこの地域の人々の支持を集め、無国籍地域を気導術師22人で分割統治したベルネウ連邦が成立したの」

そしてエイラは胸に手を当ててこう言った。

「その頃は私の遠い先祖も、今戦争をしているオズスベルクとかも仲良くやっていたのよ。しかし、650年前に気導術師の一族が途絶えたの。基本的には変異遺伝子は一人にしか受け継がれないから、その一人の子供ができる前に死んだらそこで家は滅亡する。そして連邦構成国の条件は気導術師が統治をしていること。そこの領土をどうするかで相当もめたらしいよ。それでオズベルクが侵略した。「無主地があっては連邦の権威は保たれない」ってね。」

エイラの目からは涙が出ていた。

「確かに周辺の国々は気導術の前に不可侵を受け入れ連邦は強さを増していたから、言いたいことは分かるけど、一方的な侵略に変わりはなかった。そして600年前、全気導術師が統治する国の再独立を承認し、599年間禁戦とする条約が結ばれたの。でも…」

エイラはそう言うと、近くの柱に寄っかかって涙を流した。

「『禁戦協定が切れて戦争が再開した』ですよね」

凜はそう答えた。

「そう。そしてかつての侵略国達はまた戦争を始めた。私の両親も、その戦争で死んでいったの」

エイラは泣きながら凜にそう話した。

「ごめんね、凛。あなたにも怪我をさせて、辛い思いをさせるかもしれない。そんな私を許して、凛」

そう言われると凜は

「自分に何かできることがあれば何でも言ってください」

凜はそう言って、エイラの部屋を去っていった。