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水晶体に映る記憶vol.2 | いつかまた「自分が幸せになる権利がある事」を、忘れる日が来るとしても。

定期購読マガジン「水晶体に映る記憶」の2つ目の記事です。
このマガジンでは、「今日しか感じ取れないかもしれない有限な感性で、日々の感情や記憶の形を残す」というテーマで文章を書いていきます。週に1度更新します。

深夜、鼻から何か流れ出る感覚で目が覚めた。嫌な予感がしたのか、寝ぼけながら瞬時にティッシュで堰き止めたのは鼻血で、布団は無事だったので安心してまた寝た。緊急時の人間の反射神経って実はすごいのね。

鼻血みたいに血が出るなら「私は今、緊急事態だ」って認識しやすいのだけど、そんな簡単でもないじゃないですか。特に「こころ」の痛みは血がでない上に、痛みさえも誤魔化せて麻痺るというオプション付き。それはきっと生物的に、”痛みを感じないようにする”ことが、生き延びるために獲得してきた力なのだろうけど、その分やばさに鈍くなってしまう。基本がむしゃらに頑張れる事が評価される社会だけど、私は「自分の緊急事態」に気づけることの方が、ずっとずっと大事なんじゃないかと思う。最近、そんなことを考えてばかりで、今回もそんな文章になると思う。

そう言えば、先日久しぶりに電話した友人と、その伏線に沿うような会話をした。友人が会話中に何度も口に出してくれたのは、「私たちは、幸せになる権利がある」という言葉だった、

この言葉を交わす背景には、互いにいろんなことがありすぎたのだが、間違いなく私も、彼女も、信じていたいこと、信じ続けたい言葉であった。
幸せになる権利というと、不思議に感じる人もいると思う。だって、不幸せになりたい人なんていないと思うから。きっと、多くの人は幸せに向かって生きるを意識しているだろう。

しかし、幸せに向かって生きるをしていても、さまざまな事象で簡単にそれが揺るがされてしまう。「自分は幸せになっていいんだ」という当たり前のことが、信じられない、疑えてしまうそんな世の中であることにほぼ確信を持っている。
だから、この文章では、いつか私が「自分が幸せになる権利があること」を忘れる日が来る前提で、その時大切なことを思い出せる文章になったらいいと思うし、近しい気持ちを知っている人に、届いたらいいなと思うから、そんな記事にさせてください。


1.「自分が幸せになる権利がある事」を、忘れる日がきたら、緑と光を浴びにいこうね

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まず第一に、人が幸せになる権利を忘れている時は、高確率で部屋も食事も荒れるし顔は疲れている。HPを数値化するなら5/100くらいだと思っていい。とにかく疲れているだろうから、休もうね。でも、休み方もわからないこともあると思うんだよ。その時は緑と光が解決してくれると思うよ。

先日、山口県に行ってきた。訪れた場所は、無人駅、車社会、緑が9割を占めて、太陽が主人公で、森の番人みたいに犬ころがちょこんと座っていた。
私はそこで、鶏や彼らが産んだ卵、木材、草、土、薪に触れて2日間を過ごしたのだけど、それがとても心地よくて忘れられない。スマホを見る時間よりも、太陽を浴びる時間の方がずっと長かった。好きな音楽をイヤホンで聴くよりも、その辺にいる鳥とか犬ころの声を聞いていた。皮膚で、光や風や水や土を感じている時、その温度や質感に触れている時、生きるを感じたし、無くしていたものを取り戻すような気がした。ひたすらに、心地よくて安心した。
そして思う、私が普段いる社会では、いろんなものを速く確実に得ることができ、便利になり続け、ある面の快適の方向へ向かっている。が、同時に何かを無くしている。私が部屋で仕事をしている時、外の太陽とか風の存在を忘れていたように。そういうことだ。また忘れたら、緑と光を求めに外へ出てみよう。

2.「自分が幸せになる権利がある事」を、忘れる日がきたら、温かい食べ物を口に入れよう。

外に行くことも面倒で、誰かと話すことも気が向かない状況って、無いようで全然ある。そんな時はとっておきの方法がある。温かいものを食べることです。とにかく、温度のあるものを食べると、なんだかすごく落ち着くんだよ。凝った料理を作らなくてもいい。お惣菜をあっためるだけでもいいし、お味噌汁に豆腐とかもやしでもいい、甘いホットミルクでも良いんだよ。温かいものを口に入れると、「温めた時間」とか「手間」がより一層強く感じられて、自分が自分のために「温めたんだな」という実感がとても優しく感じられる気がします。萎えてる時、それがすごく沁みるのだと思う。また忘れたら、温かい食べ物を口に入れてみようね。


3.「自分が幸せになる権利がある事」を、忘れる日がきたら、手帳の最後のページを読み返そう


2022年1月1日、一年を乗り切る、強い言葉がほしいと思った私は、手帳の最後のページにとある言葉を書いた。
当時、なんとなく一発書きで書いた言葉。
4ヶ月経ったいま、何度も何度も助けられているのだから、過去の自分にありがとうを言いたい。
どんな言葉を書いたのか、ちょっと恥ずかしいので、ここからは購読する部分にさせてください笑

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