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水晶体に映る記憶vol.21「視界がぼやけて、見えなくなったのは」

視界がぼやけていて、目の前の人の顔が見えなくなったとき、自分が泣いてることに気づいた。

「こんな瞬間が目の前で起こっていいのか」

って何度も何かに聞きながら。

今日あった、とんでもなく嬉しい話、少し話してもいいですか。




大阪に来たら、必ず会おうと決めていた方がいた。友人がつないでくれた縁、憧れだったその方と、会うことになった時はもう前日までソワソワしていた。

(本当はその方の名前も活動も、全部ここで伝えたいくらいほどウズウズしているのだけど、また別の形で丁寧にシェアしたいので、お名前は控えます。)

その方は、私のやりたいことに非常に近いことをすでに形にしていた。
空間設計、大きいカテゴリでいうならその言葉が近いと思う。しかし、ただの空間設計とはまるで違くて、人の持つ感情に視点を向けたもの。
その方の作る空間は、決まって「こんな気持ちの人が、こんな気持ちに変わったらいいな」という、とても具体的なシーンの想定があった。

初めてその方が作った施設を見た時、「本当に優しい方」が手がけたのだな、と直感的に感じたのを思い出す。細部まで、丁寧に、使い手のことを考えている。一瞬でその空間とその方の、虜になった。


今日のランチ。急いで向かった待ち合わせ先でやっと会えた時、そこから話したいくつもの会話、なんと4時間、お互いの話すスピードはゆっくりめなのに、内容的にはとんでもない速さで話が深まった。
その方は「共鳴してるね」という言葉を使ってくれたけど、本当にその通りで、今のこと、昔のこと、作りたい空間のこと、これからのこと、話せば話すほど溢れてきて、泣いて、気づいたらその方も泣いていて、もらい泣きして私もまた泣いて。

なんだろう、ぐちゃぐちゃな感情になりながら、「大阪に来て良かった」と、ただそれだけは確実に思っていたし、これまでの選択の一つ一つ、間違ってなかった、って思った。

沢山のことを思い出した。
大阪行きを反対された時。就職しないと決めた時。看護師資格だけは取ろうと決めた時。休学なんて君の将来のためじゃないと言われた時。暗い部屋で体操座りをしている誰かを想像していた時。そして作ったキャンドル。病院実習での怒りとか悲しさ。あなたが受け持ち学生でよかったと言われた時。看護の道を選んだセンター試験の後。大昔のこと。全部全部走馬灯みたいに。


そして、今。今に生きてる。過去どんなことがあっても、今息をしている、この道を選んだ、おっけい。大丈夫。そう思えた。


私が書く嬉しいことはここまで。
会えて解像度低く、ぼんやりの状態で書き残すね。文章で残せるものはわずかだと思うけど、私の水晶体にはずっと残り続けるよ。


幸せになろうね、なるしかないね
そう誓った、空に。

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