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相変わらず料理は面倒。でも夕飯作りが待ち遠しい/水晶体に映る記憶

寒くなると、祖父の芋煮を思い出す。
(去年も芋煮のnoteあげた記憶…どんだけ好きなのだろうか)

芋煮とは山形の郷土料理。うちでは、山形の「うまいたれ」という名物醤油をベースにいれて、里芋と牛肉をはじめとする具材の味が溶け出した汁物。二日目の芋煮にはうどんやカレーを入れて楽しむ。これがまた美味しい。


私も食べるだけなら大好きな料理。
ただ、作るのが大変なのだ。


里芋はぬるぬるさせながら手を切らないように皮を剥かねばらないし、こんにゃくは指圧でちぎって最後の方は指が痛いし、ネギ、きのこ、豆腐などたくさんの具材を切る。工程が多くてとにかく面倒臭い。さらに、味の深みを出すのに必須な牛肉を使うので、材料費もそこそこかかる。そのため作るのにはものすごい気力がいる。

そんな大変な料理なのに、祖父は毎年冬になると必ず、大鍋に作ってくれた。

当時、私は卒業と国家試験を控えていて、集中すると一人部屋に篭って、食事すら疎かにしてしまうところがあった。祖父とも別々に食事を取ることが多かったが、芋煮を作った時はわざわざ部屋まできてくれて、「芋煮つぐっだけど食べるか?」と、声をかけてくれた。それがどれだけ有り難かったか。


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