ガロア理論の、ある命題について/ 感想 /寄り道 

§
寄り道。「アルティンのガロア理論 」。前回のリンクは少し先→)
次の命題について前回からあれこれ書いています。


命題 A
体Lと、その自己同型からなる有限群G ⊂Aut(L) がある。このとき群Gによる不変体をKとすると、体の拡大L/Kは有限次拡大である。


命題中の用語例えば体、(体の)自己同型、有限次数(体の拡大についての)、不変体、Aut(L)などの説明、定義は省きます。
実は、命題 Aの条件の下で、拡大L/Kはガロア拡大であることも分かる。

(丁寧に書いてないですし、端折っている箇所もあるので学習にはあてにもなりそうもないので、まじめに勉強したい人は他の文章を読んでください。端的に言うと本文は感想です。)

(前回のリンク →)

URL: https://note.com/tekusuto_class/n/n2ff6eaacca62

§2
前回では証明法をいくつか取り上げて、アルティンの本についてもふれた。特徴として感じた点
・命題 A の証明に線形代数を使う。最小多項式を用いない。アルティンの本では定理14(東京図書版45頁)。
  --(最小多項式を用いる証明は例えば、永尾「代数学」定理37.4、雪江「代数学2」命題4.1.14 ,p.227)
・ガロア拡大の定義。東京図書版では46頁。体の自己同型からなる有限群Gを用いて、ガロア拡大を定義している。

§3
数学セミナー2022年6月号 通巻728号 【特集】ガロア理論の質問箱
にある記事  
・黒川 信重 ”ガロア理論の簡単証明”
アルティン流のガロア理論の紹介。命題 A と実質としては同じ内容の命題が載っており、さらに前回ちょっとふれた、線形代数を用いる証明を載せている。ガロア拡大もアルティンの本にある定義を採用。この記事ではガロア(理論)の基本定理も書いてある。

§4
最小多項式は(可換)体論では重要な概念で、これ無しには体の(代数)拡大、拡大次数などの話が進みません。アルティンの本でも最小多項式は出てきます。ただ、上の命題については最小多項式を用いない証明である、ということです。
アルティンの本では明示的に最小多項式の言葉はでてきませんが、第2章 体論 の26ページ(東京図書版)に説明(定義と三つの性質について命題と証明)があり、そこでは最小多項式を「f(x)」で表しています。

§5
(まとめ)
数学セミナーの記事で、アルティンの(本にある)線形代数を用いる証明を書いたものがあるのでそれの紹介をしました。

§  [参考文献]
・永尾汎 「代数学」、朝倉書店 新数学講座 4 。
・アルティン(著)、寺田(訳)「ガロア理論入門」、ちくま学芸文庫 。(東京図書(以前はここから出版))
・雪江明彦 「代数学2 館と体とガロア理論」第2版、日本評論社。 


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