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まだ暗闇で微かに光るだけ

暗闇の中で私を構成するものに出会う。

誰かが私に投げかけてくれた言葉たち、過ぎっていく。
あの時は素直に受け止められなかったのに、こういう時に限って私の心にすんなりと透き通る。

自分を肯定するには少し他愛も無さすぎる筈の言葉たちが、言葉の重みとしてではなく「言ってくれた事実」としてやってくることも、あるもんだなあ。

私を肯定してくれてありがとうね。あの瞬間に私を肯定してくれたから、この瞬間の私がさっきより深く息を吸う。

優しくしてくれてありがとうね。後になってから、理由を考えなくてもただ嬉しい。

今の私もあの時と同じように肯定してくれるのかな。そうされたら、私はきっとあの時みたいに信じないし、卑屈に捉えるんだろうな。

暗闇の中で抱えてる気持ちは、ずっと昔より薄く引き伸ばされて、平気な感じになって、縦の深さよりも、横に途方もなく伸びていった。

少し人の気持ちに鈍くなって、自分より人を傷つける事が上手くなって、嫌な方にばっか大人になった気分。

素直に愛されることも少しくらい上手くなれりゃいいのに。素直に愛せればいいのに。

そうしたら、こんなひとりぼっちの夜に限って、貴方の言葉が反芻して、後悔でも慈愛でもないこの気持ちを抱えながら寝ることもないのに。

暗闇の中が居場所のままでいることもないのに。

結局また少し浅い息のまま眠りにつくのか。貴方に私は愛されていたのに。

早く大人になりたい。愛されていることを愛せる人に。

まだ暗闇で微かに光るだけの言葉たちに、エンドロールにはありがとうが溢れますように。

おやすみなさい。

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