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日本縦断歩き旅《鹿児島編》12日目『本土最南端達成。虹の祝福』南大隅町~佐多岬

朝、野宿から起きる。
近くで野宿していた人はいつの間にかいなくなっていた。

少し歩くが近くにコンビニがあるので、そこで朝食を食べる。
氷も確保。

公園に戻るとゲートボール大会が始まっていた。

トイレで日焼け止めを塗りたくり出発。
最終日も暑くなりそうだ。

観光のドライバーをチラホラ見かける。

斜面を登って山の向こうへ。
朝でも暑くてすぐ汗だくになる。

ゆるい坂が続く。道も荒くなりカートが重く感じる。

ところどころに展望台スペースを見かける。

開聞岳。美しい。

本州最南端の道の駅。
午前中でレストランはまだやっていない。
ショップは開いていて、
涼ませてもらいながら商品視る。
ステッカーを買おうか迷ったけど、高いので諦めた。

奥にキャンプ場などもあって覗きたいが、
坂の上だったので諦めて先を急ぐ。

若い観光客をよく見かけた。

トンネル脇の歩道。
草も刈ってあって助かる。

この辺りでは、道のわきによく
野菜の無人販売所がおいてあり。
なかでもスイカがよく売れている光景を見た。

差し入れを貰った。
かなり沁みた!
ありがたい。

開聞岳
向こう側から見た時は、険しくみえた事を思い出す。

思えば、骨折から復帰して、雲行きも暗い旅の始まりだった。

それもこれだけ晴れてここまで来れた。

てっぺんが割れた山。

九州は鹿児島側から陸が形成されたらしい。
険しい山は古くからある光景なのだろうか。

うっすら桜島が見える。

山が大きい。
この辺りは田んぼの神様の像をよく見かけた。

トンネル。涼める!

ここで、娘と母で観光しているらしい方から、
アクエリアスを貰う。
ありがたい。

この辺で、時計を拾う。
安物で壊れていた。

トンネルは涼しい。
交通量も少ないので、より助かる。
歌おうかとも思ったが、
暑いと歌う気になれない。
日本縦断は東北あたりは楽しくてよく歌ったが、
南下するにしたがって歌わなくなってしまった。
旅の楽しみ方もだんだんと変わっていった気がする。

2kmのトンネル。
車も少なく快適。
長いトンネルは北海道を思い出していた。
北海道ではよく過去の傷をトンネルで思い出していた。
それも徐々に思い出さなくなっていたように思う。

長い旅も終わってしまう。
そんなことを考えていた。

トンネルを抜けるとコープがあり、
ここが最後のお店だと思い、買いこむ。
祝杯用のビールも買っておいた。

昼飯にめぼしを付けていたお店に向かう。
2,3件あったが、
休業、休業、休業だった。

野良猫。
昼ごはんにありつけなかったが、
軽トラックから話しかけられて、
「ずっと歩いているのを見かけて。この先佐多岬だから頑張って!」
とアクエリアス2本と塩ラムネをくれた。

車の通りから外れ、グーグルマップが示すとおりに抜け道に入る。
後で後悔するが、この道は険しく行ってはいけない道だった。

そんな事をしらず、のんきに野良猫に喜ぶ。

可愛い三毛猫。

なぜか一匹だけ,トテトテと付いてきた。

三毛猫はあまり見てこなかったせいか、
飼うなら三毛猫が飼いたい、と思ってしまった。

だんだん道が険しく、坂の斜面も急になりはじめる。

この先、草の茂みが濃くなり、身体に草がばんばん当たる。
蜘蛛の巣も多く、
なるべく避けて進んだが、顔にも糸があたる。
服の中に虫が入らないように払いながら進む。

道が崩れていた、大雨で崩れたままになっているのだろう。
カートのタイヤが何度も乗り上げるのを無理やり引きずり込む。
斜面も急で息が上がる。
しかし、へたに休むとカートが下っていってしまうし、
虫も多いので刺されてしまう。

ゼーハー言いながら坂を上る。
しかも意外と長い。

この旅で何度も踏んだ木の実。
乾燥すると真っ黒になり、
パキパキ、ゴリゴリ。足で踏み込んだ。

険しい道を抜けて、車の通る県道にもどった。
キレイな道に出て一安心。
カートにはきらびやかな虫たちがへばりついていて、払った。
荷物の中に入ってなきゃいいけど・・・。

なにやら怪しげ、
ちょっとみてみたいが、先を急ぐ。

高い所まで登っていたようで、
高架を通る。
車がいたら地獄だが、車が少ないので怖い思いをせずに通れた。

手すりに灯台。

写真だと低く見えるが、
かなり大きな崖の斜面。
なにか転がったら猛スピードで転がりそうで怖かった。

3年前に行った宗谷岬。
ここまできた!

ちょっとした公園があり、
荷物を置いて一休み。

開聞岳、すこし離れた。

トイレを済ませて、汗をぬぐい。
ここで少し休憩した。

岬までまだまだありそうだ。

ようやく佐多岬公園についた!
ここにテントを張って荷物を置く予定だったので、
着いた時は嬉しかった。

野営場に着き、
先にテントを張っておく。
貴重品はとって、大きな荷物はテントに置いておく。

ここの野営場はとてもキレイだった。

荷物を軽くして佐多岬へ。
日没も迫り、少し早歩きで行く。

思った以上に急な坂道、
リュックは背負ってきたのだが、
それすらも重く感じ、
テントにおいてくれば良かったと後悔。

いよいよ、山の奥に日が隠れてしまった。
日没が近い。

遠くに虹が見えた。

日没に野営場に帰ってくることが厳しい事が確定し、
少しでも急ぐためにリュックを置いていくことにした。
中には貴重品はないので、帰りに回収する。

急がねば。

日が山の向こうに落ち。
大地が暗く、空が明かるい。
青い空がより青く感じ、
夕日の空が黄色に浮かびあがる。

縦断の旅の中でも虹を見るのは2,3回しかなかったので、
最後の瞬間に虹が見れたのは奇跡的に感じた。


あたりは誰もいない、
月まで見えて、幻想的に感じた。

わりとキャンプ場から佐多岬まで長い。

狸?猫?黒い影がササっと現れては消えた。

空が桃色に変わっていく。

佐多岬のモニュメントが見えた。

駐車場、2組の家族が沈む夕日を楽しんでいた。


残念ながら大雨の影響か、灯台方面へは通行止めの為、行けなかった。

残念。
けれど、行けたとしても日没までにあそこには着かなかっただろうと思う。

「縦断で終わらせるな」
「また来いよ」
そう言われている気がした。
いつになるかわからないが日本一周の旅を始める時はここから始めるのだろう。

ここのモニュメントで記念撮影をして帰る事にした。

帰り道、巨大な山々が、異様に大きく感じた。
宗谷岬でもそうだったが、達成感はその時は湧かなかった。
緊張感からの解放のほうが強かった。
達成感は家に帰ったら、ゆっくりと湧いてくるだろう。

野営地に着く頃には、日が沈みきっていたが、月明かりが夜道を照らしてくれた。

テントの前でぬるくなったビールで一人祝杯を挙げると、
野良猫が近寄ってきた。

「乾杯」


この日歩いた距離 37 km

1日目  20 km 出水~阿久根
2日目  25 km 薩摩川内
3日目  34 km いちき串木野
4日目  30 km 南さつま
5日目  26 km 枕崎

6日目  30 km 開聞岳麓
7日目  37 km 喜入
8日目  27 km 鹿児島市
9日目  34 km 国分
10日目 44 km 垂水

11日目 35 km 南大隅町

12日目 37 km 佐多岬

今回の旅 合計 379 km

日本縦断合計

北海道   900 km 26日間
青森➡秋田 397 km 11日間
秋田➡新潟 266 km  8日間
能登島一周  72 km  2日間
新潟➡富山 255 km  8日間
富山➡京都 628 km 19日間
京都➡島根 338 km 10日間
島根➡佐賀 783 km 23日間
佐賀➡鹿児島 190 km 5日間

鹿児島   379 km 12日間

合計   4208 km 124日間

日本縦断旅で歩いた距離 4208 km

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