「【推しの子】」はなぜつまらなくなってしまったのか
週刊ヤングジャンプ等にて現在連載中である【推しの子】。かつては多数の読者から支持を受けていた本作であるが、ある時期を境にその人気に陰りが現れ始め、現在では公式アプリの感想欄がほぼ批判的な意見で溢れるという異常事態が起きている。
アニメ化を控えた矢先に、どうしてこんな状況に陥ってしまったのか。予てより本作に不満を感じていた筆者が感情を整理し、纏めてみようと思う。
予め断っておくが、この記事は筆者が思ったことを率直に書き殴っただけの何の価値もない駄文である。それを読んで気分を悪くしても、全く責任は持てないので悪しからず。
「推しの子つまらなくなんかないよ!私は面白いと思ってる!」という方は、今すぐに引き返すべきである。
①話の軸がブレブレ
アイドル物をやりたいのか、復讐・サスペンス物をやりたいのか、演劇物なのか、ラブコメなのか、成長・成り上がりを描きたいのか、芸能界や社会問題を風刺したいのか、シリアスやりたいのか、ギャグやりたいのか…
アイドル物というにはアイドル要素が少なすぎて論外だし、サスペンスを読みたい層には復讐という本筋がいつまで経っても進まないので苦痛だろうし、演劇物として見ても表現力が足りないせいで演技に説得力が無いし、ラブコメやるにも主人公が気持ち悪すぎて萌えようがないし、成長したと思ったらすぐ落ち込むし、風刺も薄っぺらいし、シリアスは誰得だし、ギャグコメディというより漫画の存在そのものがギャグになりかけているし…etc
全部やろうとして描ききれない中途半端な所がこの作品が抱える根本的な問題だろう。どう考えても作者の力量を越えているのだから、もう少し扱う範囲を絞るべきだった。
なぜこんなにも話がとっちらかってしまったのか?大方こんな理由だろう。
アイドル物書きたい!→でもアイドル物だけだと話が持たない→だからアクアに復讐(サスペンス)やらせよう→でもそれだけだと話が(略)→役者(演劇)のアクアをもっと掘り下げよう→役者のアクア中心にすると必然的にアイドルのルビーの影が薄くなる→ルビーを目立たせる為に闇堕ちさせよう→ルビーが勝手に成り上がっていく→【推しの子】とは一体なんだったのか…
その時描きたいものを優先してライブ感と勢いだけで漫画を描くから、キャラクターに一貫性が無くなり、物語の整合性が崩れるのだ。
もっとも、話がとっちらかっていても面白ければ何も問題はない。実際私も中盤まではそれなりに楽しく読めていた。
なぜ、現在はそれができなくなってしまったのか?カタルシスが失われてしまったからだ。
芸能界の闇や社会問題を描くのはいい。そういったどうにもならない圧力をアクアが機転を効かせて解決していく。読者が最もカタルシスを感じる瞬間であり、一番望まれていた展開だろう。実際今日あまや恋リアではある程度これができていた。
しかし、それ以降はいまいちカタルシスを得られない展開が続く。舞台編は芸能界の闇とは程遠い原作者の我が儘という理由で停滞。コスプレ編の問題提起と解決策自体は嫌いではないが、ルビーが自身の出世の為に利用した側面が強調されており、あまり後味がいいとは言えない。
現在渦中のスキャンダル編に関しても同様のことが言える。窮地のかなを救うといえば聞こえは良いものの、「どうにもならない圧力」ではなく「自業自得のミス」としか思えないのでやはりカタルシスがない。
②キャラクター崩壊が著しい
話の軸がブレブレならキャラクターの軸もブレブレである。というより、話の都合でキャラがどんどん変わっていく。
取り分けキャラ崩壊が顕著なのは主人公のアクアであろう。
前世30代とは思えない主人公
ただでさえ30代のファンが推しの子供に転生するという見る人を選ぶ設定なのだから、主人公の扱いにはもう少し慎重になるべきだった。他のキャラとは一線引いた、冷静な性格を貫くべきであった。
しかし、舞台編でその性格が破綻。目の前でアイを奪われた経験からPTSDになり、感情的な演技ができなくなったというのである。
なぜこんな設定が生まれてしまったのか?大方、舞台編のラストを感動的にする為にアクアの弱い部分を読者に強調したかったのだろう。
その結果、転生設定が致命的なミスマッチに。前世の記憶がないならPTSDを患うのも仕方がないが、実際には年齢合算で50近くのおっさんであるというのだからキツすぎる。
だが、こんなものは所詮始まりでしかない。
舞台編終了後、アクアの復讐は一旦幕を閉じ、自分自身の幸せについて考えるようになる。それ自体は別にいい。その内容が問題なのだ。
この頃のアクアを要約すると、「嫌々やってた復讐から解放されて自由!ってことで本命のかなと付き合いたいけどアイみたいなことになったら嫌だから妥協してあかねと付き合うか~これこそ俺の幸せだよねっ!」である。
何だこのおっさん!?(驚愕)
まず復讐を嫌々やっていたというのが作劇上まずいだろう。案の定復讐全然終わってませんよ~となった時ヘタれまくってるではないか。こんな主人公を誰が見たいと思うのか…
いっそ、初期の復讐こそ俺の全てという性格を貫くべきだった。それ以外の事は考えられないくらい憎しみや怒りに取り付かれてしまい、その結果感情的な演技ができなくなったとすれば矛盾もしない。舞台編のラストで、あの一瞬だけ感情を取り戻し情緒が溢れてしまったとすれば充分感動的な演出にできる。PTSDなどという大層な病名を持ち出すまでもなく。
次に、ヒロインの扱い方。恋愛部分においてもメンヘラ全開なのはどうなのだ。
かなにアイの二の舞になってほしくないから距離を取るというのがそもそもおかしいだろう。公的な場で二人切りで出掛けない、ぐらいならばまだ理解できるが、事務所でも徹底的に避ける、関わらないというのは明らかに過剰だ。というかやってる事が思春期どころか小学生レベルなんですがそれは大丈夫なんですかね…?
そのくせ、「気を紛らわしたい」「自分が幸せになりたい」から「妥協」してあかねとは付き合うっておま…いや幸せになるなとは言わんけど…
彼女の方から別れようとしても強引にキスして引き留めるし…これが…主人公の姿か?
結果的にはかなだけでなく、あかねも傷付けているのだ。こうなるならあかねからも距離を置くべきであった。
この一連のやり取りのせいで今後どれだけアクアが格好いいムーブを決めようとしても「でもこの人メンヘラ化してJK振り回したロリコンバブみおじさんなんだよな…」としかならんので詰みです。
そしてようやく復讐鬼に戻って本筋進めるのかと思えば、真っ先にやることが身内(故人)の尊厳の毀損とかなの尻拭いというのだから救えない。そもそも、彼の彼女に対する対応が今回の事態を引き起こした要因なので、どう取り繕ってもイメージが良くなることはない。アイの主治医としてもファンとしても息子としても論外である。
ルビーからすれば、兄が自分の失態を償う為に、身勝手に母親を売ったようなものなので堪ったものではないだろう。
かなに対しては異常なまでにアイの二の舞になることを恐れていたのに、なぜルビーに対しては「アイのファンの恨みが妹に向けられるかもしれない」と考えられなかったのだろうか?
死んだ人間よりも生きている人間の方が大切なら、何故彼は復讐なんてしようとしているのだろうか?
もう言ってることとやってることが滅茶苦茶である。
挙げ句の果てに、さも妹を想っての行為であるかのように振る舞っているが、果たしてこの言葉に納得できた読者がどれだけいるのだろうか?
「俺がいなくなっても妹が生きていけるように」とは、逆に言えば「俺がいなければ妹は生きていけない」と思っているのと同義ではないか。それこそ傲慢以外の何者でもない。
彼が妹の精神的な支えになっている描写などたったの一つでも存在しただろうか…?
そうやって地獄へ墜ちようとしている自分から妹を遠ざけた筈なのに、次の話ではかなと仲良くラブコメやっているのだ。もはや理解不能である。
重ね重ね述べるが、これが実年齢50近くのおっさんのやることだというから世も末である。どうしてここまで主人公を情けなく描けるのか…
勿論、精神年齢が肉体年齢に追い付くという謎設定があるのは知っているが、その設定のせいで主人公のキャラが崩壊し、余波を受けて周りのキャラもメンヘラ化し、ストーリーがつまらなくなったのだから何の意味もない。
作中最大の被害者ルビー
ルビーもまた、とんでもない勢いでキャラが明後日の方向にぶっ飛んだ存在である。
アクアを主人公に据えて、演劇物を中心にすればするほどルビーの影が薄くなる。
役者のアクアを掘り下げようと思えば、必然的に役者であるかなとあかねの絡みが増える。
そしてますますルビーが空気になる。
演劇物やるのはいいが、もう少しルビーとの絡みを増やせなかったのだろうか?ルビーの演技上手い設定とか作者はとっくに忘れてそうである。
というより、ルビー自体あまりにも雑な描写で片付けられてきたキャラである。
仮にも前世はその生涯の殆どを病室で過ごしたという設定なのに、それを歯牙にも掛けないではないか。初めての高校デビューに戸惑うとか、前世の記憶があるが故に幼少時周りと精神年齢が合わず孤立するとか、芸能界の闇や社会問題を取り扱うくせにそういうリアリティは一切ないのだ。
もしそういったエピソードがあれば、アクアが支えるという形で絡みを作れたはずだ。そもそも彼女の稚気な振舞いや学力を見れば、成年する前に死亡したというその壮絶な前世をいくらでも想像できそうなものである。
そういう過程を全部ぶっ飛ばしていきなり芸能界デビューなので、この兄妹関係うっす…としか思わないのだ。シスコン設定もどこ吹く風である。
ルビーの闇堕ちも現状どういう意図でそうさせたのか把握しきれない。
キャラが薄いからアクアから復讐要素取り上げてルビーに移したのだろうか?メンヘラって伝染するんですね…
アクアが復讐鬼に戻ったんだからさっさと光ルビーに戻せばいいのに…
そもそもルビーの最大の魅力は純粋にまっすぐにアイドル活動に取り組んでいたとこだろう。それを無くして話が面白くなりますかね?
もっと言うとまともにアイドルやらせる前に闇堕ちさせたもんだから消化不良もいいところである。実がなる前に摘みとったようなものだ。
芸能界の闇だとか嘘がなければ芸能界では生きていけないとか大層な理念掲げるのは構わないが、一番重要なのはそういった問題をどうやって乗り越えて成長していくかであって、他人の炎上を利用して成り上がっていくようなキャラを描いてもリアリティ以前に話としてつまらないのだ。
(ぴえヨンが視聴者に伝わらなくとも、真っ当にダンスに取り組んだB小町の二人を評価する話とか好きだったんですがね…)
しかし、そんなルビーでも「亡き母の無念を晴らす為に頑張る」という根幹は崩れていないので、まだマシな方ではあるのだ…
スポ根が嫌いで、リアリティのある漫画が書きたいのは分かるが、既存のアイドル物漫画に付き付けるだとか偉そうな事を言う前に、なぜそういった作品群が評価されているのかをきちんと理解してほしいものである。
要は、
である。
百歩譲ってアクアがルビーの為に汚い真似をするならいい。「俺は幾らでも闇を背負う。だが妹には嘘を吐かせない」といったキャラならまだ見たいと思える。復讐以外で芸能界に関わらせたいなら芸能界に妹を売り込むためとか、いくらでも理由を思い付きそうなものだ。
そういった事も考えずに自分の幸せがどうのこうのとか言ってる時点で、主人公としても面白くないのである。
推しの幸せこそ、ファンである自分の幸せだろう。アイの幸せとは何か?自分の子供であるアクアとルビーが幸せになることだろう。
だから、アクア自身が幸せを目指そうとする事自体は否定しない。しかしそれと同じくらい、アクアにはルビーの事も幸せにしてほしいのだ。それでこそ【推しの子】だろう。
もしアクアにとってルビーが【推しの子】でないなら、転生要素、ひいてはアイ含む一連の展開の必要性を感じないのだ。重曹推したいなら最初から重曹ヒロインの漫画にすればいいじゃん。
勿論、現在の展開は最終的に光ルビーに回帰する為の「タメ」だと信じているが、そもそもタメに入るまでが長いし、タメに入ってからも長いし、そしてこれまでの流れから察するに、それだけのタメに見合ったカタルシスを得られないことは明白なので不安しかないのだ。
そもそもルビーの闇堕ち自体浅い展開と言わざるを得ない。アクアが前世のことをちょっと口から滑らせただけで破綻するのだ。話し合えば一瞬で解決する問題を延々と引き伸ばすこと程見るに堪えないものはない。
そうして散々引っ張った前世バレも、肩透かしに終わるだろう。先程述べたように、アクアとルビーの関係の掘り下げを怠ったからである。
ルビーが好きなのは前世のゴローであって、現世のアクアではない。この時点でラブコメとしては厳しい。
本当にゴローの事が好きならば、同一人物であるアクアに対しても何らかの感情が向いていなければおかしいだろう。何なら前世よりも長く一緒にいるのだから、せめて「ゴローとアクアがダブって見える描写」とか、「私は先生が好きなのに何でこんなにお兄ちゃんのことが気になるんだろう…」的な描写を1コマでもいいから入れるべきではないか。
ぴえヨンではできていたことが、なぜルビーにはできないのか…
こんな状況で前世バレして、ルビーの感情がアクアに向いたとしても最早意味がない。アクアの感情がとっくにルビーに向いていない以上、かなやあかねと比較しても、それ以上の関係になれるとはとても思えないからである。メンヘラ化した今のアクアに惚れてほしくないというのが本音であるが。
積み重ねがないから、二人が仲違いしようが絆を深めようがまるで響かないのだ。
もし仮に、今後この兄妹の関係が急速に深まっていくのだとしても、それができるなら何でもっと早くそうしなかったのかとしか思わないし、そもそも描写が足りてないから説得力がないのだ。
とは言え、先程述べたようにどうせ前世バレしてもかな>>>>>ルビーな現状が変わるとは思えないので、杞憂に終わるだけだろう…(苦笑)
こんなに萌えないラブコメというのも今時珍しい。
③特定のキャラの扱いがおかしい
ここまでボロクソに批判してきたが、それでもスキャンダル編が始まるまではつまらないだけの漫画で済んでいたのだ。しかし、現在ではそれを通り越して不快の領域に至っているのだから救いようがない。
その不快感の中心に位置する存在こそ、何を隠そう重曹こと有馬かなである。
彼女に関しては何から突っ込めばいいのか分からないが、一番酷いのは物語を通して成長が全くと言っていい程描かれないことだろう。
いや、厳密には成長(的なもの)を描いたとしても次の章では無かったことにされているのだ。
彼女が落ち込む→アクアが励ます→彼女が立ち直る
これをひたすら繰り返しているのがこの漫画である。作者の引き出しが少ないから、同じ展開を焼き直すことでしか絡みを作れないのだ。
成長がリセットされるから読者はフラストレーションを溜めさせられるし、そのくせストーリーの尺は無駄に占有するからどうしようもない。
かつてはB小町を引っ張っていこうと努力するなどそれなりに責任感があったのだが、今では見る影もない。成長どころか退化しているではないか。
ルビー含む周りが(曲がりなりにも)アイドルやろうと頑張っている中で、好きな男が振り向いてくれないからという理由で不貞腐れてやる気を無くすような女にどうやって好感を抱けというのだ。
舞台編で一応、アイドル兼役者として成長した筈なのに、それが全く活かされず、次に繋がっていないのだ。こんな有り様では舞台編をやる必要があったのかとさえ思ってしまう。その割にはやたら登場人物から「かなちゃんは天才」とか「魂の女優(笑)」とか持ち上げられるので理解に苦しむのだ。
キャラの弱さや挫折を描きたいのは分かるが、もう少しキャラの株を下げない方向でお願いしたい。
そして極めつけが枕未遂である。
体の関係を求められた際に真っ先に思い浮かんだのが仲間やファンではなく好きな男だというのだからもう終わりだよこの女…
今日初めて出会った他人に付き合ってもいない男の愚痴を撒き散らし、それがおもしれー女として受け入れられているのだから嫌悪感が半端ではない。
天おだ発言然り、あかねファン発言然り、便利な設定発言然り、彼女を掘り下げれば掘り下げる程性格の悪さが際立つのは一周回って作者の才能を感じざるを得ない。そしてそれを「アイドルに理想を求めるファンが悪い」と責任転嫁した挙げ句、「重曹ちゃんは人間不信で素直になれないんだから仕方ないんだよ~」と周りにフォローさせるからいつまで経っても成長しないのだ。
性格の悪さを自覚しているならそれを直すことに全力を注ぐべきだろう。
そしてこんなクソ女のラブコメの為に、アイの秘密という主人公が第一話から守ってきた筈の設定さえも消費するのだからもう目も当てられない。
やる気を出さずに失態を犯した彼女が咎められるばかりか得をして、その裏でルビーが死ぬほど苦しむ展開に何の疑問も抱かなかったのだろうか?
「んほぉ~アクアに窮地を救われてキュンキュンしちゃう重曹ちゃん描きてぇ~枕強要されてもアクアのこと想って断る一途な重曹ちゃんたまんねぇ~」程度の浅い考えで漫画を描くからキャラもストーリーも台無しになるのだ。
そして彼女の場合、酷い時は数話経る毎に行動原理が変わるので感情移入のしようがないのだ。
最初は「アイドルに居場所を感じられないから役者に復帰したい」というのが理由だった筈なのに、いつの間にか「B小町の足を引っ張りたくなかったから」と改変されるし、「ルビーのおまけ扱いは嫌だから」コネにすがってでも役者に復帰しようとしたのに、リークでルビーの人気が上昇しそのおこぼれで仕事が増えたことには満足しているのだ。
それが許容できるなら最初からブーたれず真面目に仕事に取り組んでいれば良かったのでは???????
そして、闇を曝け出してでも救ってくれた兄妹たちに謝罪し、自分の至らなさを反省して心を入れ替えアイドル活動に取り組むのかと思えば、何を思ったか「私だって辛い思いしたんだからねっ!(要約)」とほざきアクアにフォローさせた挙げ句、「どうせアイドルは辞める」(は?)から「私のこと推すんだったら今の内かもね~☆」とか言い出してもう本当に戦慄しました。。。。
少なくともアイドル物を謳う作品のヒロインに相応しい人物とは到底言えないだろう…
アクアをメンヘラ化させた結果、彼女もメンヘラ化してしまったのだろうか?それとも、この展開をやりたいが為にアクアのキャラを崩壊させたのか?
卵が先か、鶏が先か?それで出てきた料理が親子丼を名乗るグロテスクな物体なのだから客としては堪ったものではない。
キャラクターを崩壊させることでしかストーリーを生み出せなかった作品に相応しい末路と言えるだろう。
終わりに
もはやこの漫画に評価を覆す余地は残っていないように思う。
スキャンダル編の時点でもう作品として滅茶苦茶なのに、今後芸能の神()やら神木ヒカル(父親)の動機やら前世バレやらを十分に描ききれるとはとても考えられないからだ。
…もし仮に、神木ヒカルの動機が「アイに逆レ○プされてPTSD患った」とかクソしょうもない理由だったら流石に失笑を禁じ得ないだろう。本筋である復讐さえも茶番に(いやもうとっくに茶番と化しているのだが…)するような真似はしないと信じたい。
ファンとしては、これからの挽回に期待したい所存であるが、そもそも作者側が「ファンの期待になんて応えるつもりねーよw」と作中登場人物に代弁させる始末なのでどうしようもない。
アニメからの新規が原作を購読し、作中初期と比べて大幅に劣化したキャラクターを見て失望する未来が容易に想像できるので居た堪れない。
この作品が我々に与えた教訓とは、ずばり【推し】なんて作っても時間の無駄だからもっと有意義なことに時間を使いましょう、ということだろう。(苦笑)
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