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【2022年将棋系Vtuber 流行語大賞】への投票

 2022年の12月。今年もこの時期がやってきた。将棋系(将棋を指すこともある、程度の緩い枠)Vに関する言葉で、今年を代表するような語を選んで遊ぼう! という企画だ。将棋系Vの狂ったようなファンである、しゃおっちの主催である。そちらへの回答を済ましてきたので、それについて軽く綴る。だいたい7,000字ちょっと。

◯流行語大賞

 わたしは本家の流行語大賞をよく知らない。実家でテレビを見ていた頃に、聞いたことがあるようなないような言葉をランキングにしているのを見た記憶はある。わたしの触れていた世界がずれていたのか、そのランキングを作る人達の世界がずれていたのか、あるいはその両方なのか、なんにせよ、わたしにはよくわからないランキングと大賞の選考であった。今でも覚えている流行語は、無い。言われれば思い出すかもしれないけれど、自力ではなに一つ思い出せない。その程度のものである。
 一方で、ここ数年は将棋系Vを楽しんでいる。なので、今年を振り返るという点では、こちらの将棋系V流行語のほうは、幾分馴染みがある。やはり、わたしの触れていた世界がずれていたのだろうか。

◯111ワード

 幾分馴染みがある、などと賢しらに言った割に、本年の選ばれた111ワードに見覚えのないものも多い。というか111ワードってなんやねん多いわど阿呆が。
 上に本ツイートのリンクを貼っており、そこから一覧を見れるのだが、こちらにもそこからリスト化された画像を引用して貼っておく。

リスト1。これを見た瞬間「は? 多っ」しか出なかった。
リスト2。一枚目よりはマシだけど、やはり多い。あ行とは行が強い。
リスト3。よくもまぁ集めたものだし、覚えていたものだ。

 これらの言葉のうち、半分ほどは経緯も込みでだいたい知っている。しかし残りの半分は、聞いたことがある程度であったり、そもそもこのリストで初めて知るものもある。
 以下、わたしが投票した7つの言葉と、Q8への回答、番外編と項目立てて述べていく。

◯第一位:通天閣本通商店街将棋大会

 将棋Vが関わる、というか主催した中で、今年最大のものといえば、やはりこちらが頭に浮かぶ。公人直人主催の一大イベント。
 もともと企画力や行動力には定評があった彼だが、え、まじでやんのか? を、はい、まじでやります、と実現させた。
 コンセプトに「将棋 ✕ ◯◯」を掲げ、将棋を楽しむのはもちろん、それ以外も楽しめるリアルイベントであった。
 そう、リアルイベントなのである。Vってなんだっけ? 等の疑問を浮かべるひともいよう。これは、各々の将棋V、いやそもそものVtuberに対する捉え方で、否定的とまでは言わないまでも違和感を覚えたひともいたようだった。イベント発表や当日といえば、ただ楽しんだだけであったのだが、裏でそういうことを考えているひとがいることは想像もしなかった。
 将棋Vでの筆頭イベントといえば、V名人戦であるとわたしは信じて疑わない。そしてそちらへの参加資格が「Vであること」。立ち絵が動くかどうか、活動実績はどうか、その辺りはあまり細かく決められてはいない。
 これは、参加者を広く募りたい、既知の、内輪だけのもので終わらせたくない、そういった思いからのものであったと想像するところだが、しかし同時に、「Vとは?」という問いに対しても濃さの違う回答が用意されてしまうものでもある。参加者側・配信者側のVそれぞれが用意している回答はもちろん、リスナ側がVに対して抱いているもののことでもある。
 この温度差は、通天閣大会でも一部で浮上したようであった。「Vなのにリアルイベント?」という疑問である。
 上で、将棋系Vと言いつつも、そのくくりは緩いと書いた。そもそもが、将棋だけを配信するVは少数であるし、将棋系を名乗っているVじたいが少ない。そう名乗ってしまうと、将棋系と謳っているのに違うことしとるやんけ、というツッコミが出てくることであろう。◯◯系ですと名乗るとは、そういうことなのである。
 では、Vであるとは、どういうことなのだろうか。Vと名乗る以上Vとして見られるわけで、それはつまり、どういうことなのだろうか。
 V原理主義寄り(と言っても差し支えないと思う)のみららっきーから紹介された、キズナアイさんに関する記事の一つを載せる。

 わたしの駄文よりもこの記事を読んでほしいのだが、「バーチャルYouTuber」と「VTuber」は違うものとした上で、象徴的な部分を引用する。

結局"中の人"。その大きな思考の流れには抗えず、僕の中に大きな敗北感があったことを覚えている。人は人を好きになる生き物なんだなと実感する出来事だった。VTuberの名前を検索すると大体最初にサジェストされるのは”前世”か"中の人"だ。2次元好きじゃなかったのかよお前ら。

上記リンクの記事中、2.VTuberの台頭による挫折 より

 普段配信に遊びに行くとき、Vに中の人などいない、という立場をわたしは取る。実際いないし。しかしコメント欄にはときどきそのことを失念して、誰かが演じていると思いこんでいるならず者も少なからずいる。Vを楽しむ上でのルールというかマナーみたいなものを踏み外すのはおかしいと感じている。
 しかし、わたしが気にしているこの点は、Vに限らず、「その配信者との約束事」でしかなかった。顔を出している配信者であっても、住所特定は止めてほしいとか、その話は蒸し返さないでほしいとかは良い例としてあると思うが、配信者が止めろと言っていることに触れすぎるのは良くない(そういったやり取りが一種のお約束や定番のネタになっている場合はその限りではない)ことであり、中の人などいないというのもその延長でしかないように、今にしてみれば思うわけだ。
 一方で、まさに原理主義的としか言いようのないくらいに捉えているひとも一定層いて、「リアルを匂わせるならそもそもVを名乗るな」という意見もあったりする。Vに対してこのように考えているひとがいる中でのリアルイベントは、彼らからはどのように見えていたのだろうか。
 通天閣大会は、成功だったと思っている。例えば各位の振り返りでも、やはり好評なのである(例えば、下記はアクセラくんによる振り返り)。

 わたしはなにも考えずに、純粋に楽しめる側であり、第二回、第三回と期待している側である。公人直人がああいった意見に触れたところで、楽しめないひとがいるからと、続く企画を躊躇することはないだろうし、公人直人には躊躇しないでもらいたい(公人直人を名乗るとはそういうことなのである)。
 繰り返すが、わたしは通天閣大会は大成功だと思っているし、称賛されるべきとも思っている。しかしと言うべきかそれ故と言うべきか、あえて、こういう意見もあるのだと違う側面からこのイベントを振り返ってみた。しかし、これはあくまでそういう意見もあるというものであり、この大会の価値を一つも傷つけるものではないことを確信している。
 イベントの大きさ、印象度合い、価値感の問題。そういった点で第一位に選んだ。

◯第二位:将棋V総合情報サイト

 いーんちょにより立ち上げられたサイト。読んでそのまま、このサイトに登録されている将棋Vの配信があると教えてくれるという優れもの。棋戦紹介やデータベースもある。わたしはクロームトップのショートカットに置いている。「現在放送中」の枠があるおかげで、つべの通知よりも便利な一面がある。ほぼほぼ毎日このサイトを覗いて、あ、今このひとやってるんか、行こ、みたいなことをしている。非常に助かっている。
 あまりにいつものことすぎて見逃してしまうところであったが、お世話になっているツールという点ではトップである。
 唯一残念なところは、登録されていないVは、当然こちらではカバーしていないことだが、それはそれということで。
 使用頻度的には第一位でもおかしくないものとして、第二位にこちらを選んだ。

◯第三位:都賀町でぇた

 えいだちゃんが立ち上げた企画である。毎週土曜日に、その週のV棋戦を中心としたいろいろを振り返り、まとめるものである。
 前身というほど、えいだちゃんと直接の繋がりはなかったと思うのだが、将棋ほりっくという180回も続いた持ち回りラジオ企画があった。

 えいだちゃんの番組は持ち回りではなく、えいだちゃんが一人で運営しており、その週のまとめやちょっとした雑談ねっとりが楽しめる。初期の頃のタイトルに(仮称)がついていたりや【情報番組?】というように疑問形になっているのがクスリとさせる。
 もう44回もやっているのか、とリストを見て、これを書いている今(2022/12月2週目)驚いている。第一回は2月の頭。え。そんな前だったっけ? とこちらもまた驚いている。
 正直なところ、リアルタイムででぇたを見た回数は少なく、大半はアーカイブ頼りのためその週の振り返り要素は薄まっているのだが、ほりっくへの思い入れ、そしてその後継という立場(だと勝手に誤解している)への贔屓として、第三位に投票した。

◯第四位:棋風再現プロジェクト

 こちらはわたしの勘違いかもしれないが、将棋AIを利用して、いろんなひとの棋風を再現してそれで遊んでみよう、という関連全てを含んだものと理解して、投票した。
 わたしはtyyn氏ちぇるちゃんぽめひくんと遊んでいるのを見かけて知ったのだが、この企画を始めたのはすえよしさんなのだろうか。ちょっと定かではない。後日指摘があれば修正するつもりではあるが、そのまま放置しそうな気もする。

 そのひとの棋譜があれば、そのひとがどんな風に将棋を指すかを対局で再現してくれるというものである。
 コンピューター将棋といえば、人間の棋力を遥かに越えて久しいところである。人間のほうがまだ強いのではないかと期待されていた頃は、両者の対局が企画されたこともあったのだが、2022年現在、将棋指しの最高峰であるプロですら、将棋AIに到底及ばないとされている。しかし、例えば藤井聡太さんの指した手がAIを越えていた(藤井さんのAI越えについては複数回確認されているので、例えばこちらなどを上げておく)などと話題になることもある。
 このように、将棋AIは、最善手、強さを追いかけ、将棋の神様がいるとして、その神にもっとも近い存在として君臨しているのだが、それとは全く違う将棋AIの楽しみ方を開拓したのが、この一連の企画であった(と理解しているのだけど違っていたら恥ずかしいので、こっそり教えてくれたら嬉しい)。繰り返すが、本人がいなくても本人の棋譜があればそのひとの指す将棋を再現できる、という点を非常に面白く思った。
 それを利用した企画が、下のストリーム枠であった。

 わたしは将棋ソフトへの理解が著しく低く、どう使うものなのかわかっていないのだが、これを利用すれば、過去の自分と対局することが可能なのではないかと期待するのである。
 例えばである。数年前は24のレートが1000点だったひとが、今は1500になっていたとする。ならば、その数年前の棋譜を利用して過去の自分を再現し、それと対局してみる、ということが可能なのではないか。それにより明らかに今の自分のほうが勝率が高いようなら、それは確実に強くなっていると言えるし、逆にそれほど勝率が高くないのなら、レートが上がったのは実力よりも、周りとの相性であったり戦法の流行りであったりによるものの影響のほうが大きいと言えるようになる。ただし再現度合いやスペックやらで本当にうまくいくのかは不明だが。
 そういった、将棋AIを利用した、単純な強さを求めるだけ以外の遊び方を提供したという点を評価しての投票である。
 またこれに関連して、接待将棋AIというものも面白い試みであったと思う。評価値を利用して、ソフト側が絶対に有利にならないような悪手を散りばめるソフトである。ただしこちらは、わたしが知ったのが今年というだけで、2021年にはtyyn氏の発言が確認できていて、それも初出ではないらしく、そうなるといつなのかが不明だが、2022年の言葉ではないことは確からしい。過去にプロ棋士か誰かが、コンピュータ将棋に接待将棋はできないと言っていたと思うのだが、この方面でも人間よりもうまく手加減できるのかもしれない。

◯第五位:ぽめ最強

 ぽめひくんによる企画である。企画というよりもある種の思想であり、哲学であり、主張である。
 将棋を趣味とするわたしらにとって、タイトルってなんだろうか。名誉ってなんだろうか。そういったふんわりとしたものに対して示された回答の一つが、このぽめ最強である。詳しくは下の記事を読んでほしい。簡潔な文章で、すぐ読める。

 これについてダラダラと長く語ることは無粋だと思う。
 ぽめ最強。これに賛同するものは、来る12月18日20時、ぽめ無敵戦に出て頂きたい。

◯第六位:れいず組

 電電を組長とする一大勢力を指す言葉である。
 将棋Vは、棋戦を通してみんな仲良くしているように見えるかもしれないが、一枚岩というわけでは、実はない。水面下で様々な政治が行われており、いかに自勢力を伸ばすかと凌ぎを削っていることはあまり知られていない。
 その勢力の一つが、こちられいず組である。自分のことをオス猫だと思いこんでいるこのメス猫は、その可愛さをもってちょろそうn。。。将来性のある、将棋という分野に関しての後発者を自軍に引き入れているのである。
 わたしが所属するくりそら団は、過去3回、電子れいず軍との抗争、いわゆるくりそらの乱を経験しているのだが、3回とも鎮圧されている(下部リンクは第三次のもの)。

 れいず組と称するこの組織は、おそらく、その上位組織であるれいず軍へのキャリアルートなのではないかと、その筋ではもっぱらの噂である。これ以上れいず軍を付け上がらせるわけにはいかないくりそら団員としては、やはり無視できない存在である。
 また、電電といえば電飛戦電煌戦という棋戦を主催してもいる。電飛戦は81(確か81基準だったと思う。違っていたら訂正するつもり)初段未満による、初段になったら出場資格を剥奪されるトーナメント棋戦である。電煌戦は七盤リーグ棋戦である。七盤戦も棋戦と呼ぶのかな。呼ぶよね?
 れいず組、侮れぬ。ということで投票である。
 真面目な話を少しだけすると、V個人で完結するものではなく、いろんなひとと関係をもって影響するような活動、それも継続的な活動ということで投票している。単発のコラボとはちょっと違うと思っている。同じような主旨では、まくり~ずブートキャンプも該当するのだが、あちらはV名人戦期間限定ということで、こちらを優先した。また、桑名七盤勝負V支部もこれに近いものがあるのだけれど、わたしが七盤に詳しくないのでパスした次第である。

◯第七位:脱衣将棋

 ただの趣味嗜好です。深い意味はないです。実は着替えのほうが好きだったりもします。えぬちゃんの服装で一番好きなのは、なんだかんだでいつものパーカーか茶色ブラウスかもしれない。

いつものパーカー。えぬちゃんまじ清楚。

◯Q8への回答

 わたしは「交」で投票した。
 この記事を書こうかなと思いついたのは、そもそもがQ9を用意していなかったからである。リプで答えてもいいかなと思いつつ、どうせなら投票したやつ全部いってみるか! と思い切ってしまって睡眠時間を少し削っている。
 今回の投票においてわたしが選んだものは、単純にその言葉、エピソードが面白いからという理由からではないというのは、拙い言葉ながらも主張できたのではないかと思う。特定のV個人だけで完結していないもの、なんらかの関係性をもったもの、そういったものに重きを置いたつもりである。もちろん、それならこちらの言葉のほうが相応しいのではないか、という他の言葉もあるのだが、合計で7票ぶんしか持っておらず、また先述の通り111ワードすべてを網羅はしておらず、そのために今回は上述のように選んできたのである。第七位が個人で完結してる? は? うっせーうっせー。
 ということで、なんらかの関係性を表す言葉として、ふと思い浮かんだのが「交流」という単語であった。交流電流の略語のほうではない。互いに行き来することのほうである。
 今でもたまに口ずさむ歌の一つに、B'z の名曲「RUN」がある。その歌詞にこうある。

人間なんて誰だって とてもふつうで
出会いはどれだって特別だろう

 この歌でよく引用されるのは、これに続く「生きるなら一人じゃない」のほうだと思うが、わたしの印象により強く残っているのは、上記の引用のほうである。
 特定の個人が、その個人であるというだけで特別なのではない。一個体としての人間は、水やタンパク質やその他の集合体でしかない。もっと言えば、生命は現象でしかない(という立場をわたしは支持している)。
 それでもわたしたちは、特定の人物あるいは人物以外を思い浮かべて特別な存在なんだと思うことがある。それは、出会いがあったからである。誰かがそれだけで特別なのではなく、特別だと思える出会いがあったからこそ、特別なのである。
 そういったものが、いつもではないが、なにかを考えるときに頭の片隅に残っている。今回の投票でももちろん浮かんだわけで、それを表す言葉としては「交」が一番相応しいのかな、といったところである。

◯番外編:ご結婚おめでとうございます

 この記事をわざわざここまで読む人なんて、ツイッタに齧りつくくらいしか普段やることないと思うのだけど、それならTLでこれは見たと思う。

 ビビり散らかすわこんなん。
 今回7つの言葉を選ぶにおいて、「個人に完結しない」を意識したために除外したのだけど、変な笑いが出るくらいビビったね。

◯最後に

 それにしても、しゃおっち、この企画のために身を切るたぁまじでガチ度が違っているな。盛り上がらせるには足りないだろうけど、この記事をもって、念仏の一つとさせてもらう。成仏しろよ。


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