自分だけではできない事も、同じ気持ちを持った人達の力をお借りする事で実現できる事がある。-後編-
◯×△=□ project vol.1が完成。
動物性ゼロで完成する、本格的なカレーを作る事ができる「spice box」。
なんだかんだと時間がかかり、完成までに3ヶ月程かかりました。
テイクアウトや物販はその場で反応を見る事ができないので一番緊張するところです。
今回絶対に避けたかったのは「実際に作ってみたけれど上手くいかなかった」という事態を避ける事。そして、出来る限り手順を簡素化する事。そして当然ではありますが「美味しく仕上がる」とう事でした。
そして同時進行で進めていた「spice cola」は、ラベルやボトルをリニューアルしました。
これまでは自分でラベルを作ってプリントアウトしていましたが、今回はデザインから打ち合わせをし、ラベル作成をお願いしました。
おかげさまで見違えるほど生まれ変わりました。
「見た目」と「中身」のバランスはとっても大事で、どちらかだけが勝ってしまうと上手く伝わらない(料理と一緒ですね)。
手に取ってもらうには「見た目」が大切なのは間違いありませんが、「見た目」が勝ちすぎて「中身」がマイナスに映る事があります。
とても美味しいのに、あまりに「見た目」が良すぎることによって、「中身」のこだわりが伝わらないというケースです。
そういった意味で言うと、今回作成してもらったラベルは、元々僕が作っていたラベルのイメージをキチッと清書してくれたような形。
だからとってもバランスが良く、違和感を感じませんでした。
この「◯×△=□ project vol.1」は、犬猫の保護活動をしている友人がきっかけ。
この子と会うまでは「ヴィーガンって何?ややこしい人達?」というようなイメージでした(もちろん実際会ったらそんな事はありませんでした 笑)。
「動物性のものを食べない」のは何故なのか。そこに至るまでの経緯を聞き、自分は沢山の猫と犬と暮らしているけれど、そこまで掘り下げて考えていなかったと思いました。
人間は未知のものに対して条件反射的に拒絶するという癖があるそうです。
自分にもわかる節が沢山あります。
でもそれとは逆に、身近な問題になった瞬間その拒絶は共感に変わり、自分の思考を発展させてくれるんです。
それから僕は、「この子に動物性のものを使わずにコース料理を作る」と決め、色々な調理法を調べ、実践。
喜んでもらえたと同時に、自分の視野がグッと広がりました。
簡単に言うと、「動物性のものを使わない調理法」を考えるのが単純に面白いんですよね。
そこに頼らずにどこまで味を持っていけるのか?と。
その出来事がベースになっていたおかげで、今回のprojectに辿り着く事ができたんです。
現在急激に生活スタイルが変わり、色々な分断が起こっています。
それは主に縦割りの分断で、場合によっては復元できない可能性も高いです。
ただこんな事は過去にも経験していることであって、今回それがわかりやすく目の前に現れているだけだと思うんですよね。
僕は料理を作る人間なのでその辺りのことは詳しくわかりませんが、料理に落とし込んで考えると少しわかりやすくなります。
例えば、「動物性のものを食べるのは悪」というAさんがいたとして、そこにはその人なりの積み上げてきた知識や経験がバックグラウンドにある。だからその人の中ではそれが「正義」でそうでない人は「悪」となる。
一方で、お肉やお魚が大好きなBさんのような人もいます。BさんはAさんのような知識や経験が無いので、「悪」だとは考えもしません。
果たしてBさんは「悪」なのでしょうか?
そうでは無いと思います。
ただ「その問題に触れる機会がなかった」だけです。
まさに僕がそうでした。
心のどこかでは気にしていたものの、「身近」な問題ではなかったんです。
でも、その問題が「身近」になったことによって、たくさんの知識や経験を得ることができたんです。
もし初めて会った時に、「お肉を食べるのは絶対にダメな事です。可哀想だと思いませんか?やめてください。」という様な趣旨の話をその友人が僕にしていたとしたら、理解を深めることはありませんでした。
大事なのは「良い」「悪い」という縦割り思考で解決しようとせず、お互いを尊重し合うことなんでしょうね。
ヴィーガンとかベジタリアンとか、そういったジャンルで分ければ分けるほど、お互いの溝が深まるだけ。分断が進むだけ。
それよりも間口を広く取っておき、色々な人に知ってもらう方が効率的で、発展性があるのではないかと思います。
「美味しかったー。え?この料理、動物性フリー??」
「どうやったら作れるのかな?調べてみよう!」
「ヴィーガンってなんだろう?ベジタリアンと何が違うの?」
「環境問題とか色々複雑に絡み合っているんだな。自分に何かできることはあるのかな?」
これが「自主的な気付き」ではないでしょうか。
今の僕にできることは何かと考えたら、身近で一生懸命活動している友人の活動を支援することだと思いました。
ただ僕が「こんな活動をしている人がいます。寄付をお願いします」とお願いしたところで、その気持ちはおそらく届かない。
それを自分の武器である「料理」というツールを掛け合わせれば、何かできるかもしれない。
「食べることによって、身近に感じてもらえるのではないか」と考えました。
『動物にも身体にも優しいカレー』。
もちろん、美味しいのが大前提です。
絶対に失敗しないレシピになっています。
そして、こちらの売り上げの一部を活動費として寄付させて頂きます。
100セット作る予定で、現在40セット販売済みとなり、残り60セットです。
僕だけの力では全てお届けするのは無理だと思います。
Instagramで正式にアップさせて頂くことになるかと思いますが、「お店に置いてもいいよー」と言ってくださる方がいらっしゃったらお声がけ下さい。
美味しく食べて、幸せの循環を。
無理強いせず、あくまで自然に。
まだ色々と考えていることがあります。どうぞお付き合い宜しくお願い致します。
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