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忘れないうちに、「オレのウルトラマン」と「シン・ウルトラマン」と「怪獣世代」のこと その2

所謂、ウルトラシリーズ冬の時代があった。

だいたいその頃は、大学を出て、ゲーム雑誌の編集記者のアルバイトをやっていたが、編集部内で変なセミナーみたいなものが流行ったり、下手糞な恋愛沙汰で凹んだり(笑)したり、仕事自体に行き詰まったりしたこともあって、精神的に追い込まれて辞職。
その後友人に頼まれて、仮面ライダーSDのジオラマ絵本みたいなもの製作を手伝ったことで、某幼年誌の編集者の職に滑り込んだ頃には、「パワード」「G(グレート)」がそこにあった。
「7-21」や「ネオス」、「ゼアス」(笑)もいたが、自分の担当だったアニメシリーズ(VとかGとかWとかXとか、ガルキーバとか、リューナイトとか)を追いかけるのが精一杯だった。

そして、「ティガ」がやってくる頃、ゲーム誌の世界に戻った。

以降、平成・令和のウルトラマンには、全く触れずに過ごすことになる。

つまり。まぁ、自分の中の「ウルトラマン」は、第2期までで終わっていたし、「日本語の会話でウルトラマンどうしがコミュニケーションをとる」ような演出になった平成3期あたり以降のウルトラシリーズには、違和感を感じて遠ざけていたのは事実だ。

自分のウルトラマンは、結局初代であり、ウルトラマンAまでの、比較的硬派なイメージ。
変身後の彼らは、人を超越した存在だし、コミュニケーションに言葉を使うことは、ごく少ない。それは「人間に合わせる」ための手段で、「仕方なく」そうしている。
という解釈だったのだ。自分の中では。
なので。
「チンピラみたいな言葉を使う ウルトラマン(の一族)」
とか、
「家族でもめる ウルトラマン(の一族)」
とか、呑み込めないし、勘弁して欲しいのだ。
だって彼らは、何万年も生き、地球人類をはるかにこえる知性を備えた、超存在なんだぞ?
テレパシーだの、瞬間移動だの、そういうことまでできるんだぞ?

もうお気づきだろう。つまり、自分は、かなり
「原理主義的なウルトラマンファン」
なのだ。
ウルトラマンがカップ麺作ったりして、チャラけた演技をするCMとか、基本的にキライな、面倒くさいオタクオヤジなのだ(笑)
(ちなみに、ハイジのパロディCMも好きじゃない。同様に原作、アニメ、ファンに失礼だと思っている)

なので。

「庵野秀明がメインに入って、ウルトラマンのリメイクを作る」

と聞いたとき。それはそれは大きな期待を抱いたものである。

さぁ、ここからやっと本題だ(笑)

庵野秀明と言えば、我々の世代の、濃い目のオタクにとって、
「顔出しで、自主映画のウルトラマンを演じた人」
である(笑)
あれを初めて観たのは、多分、もう社会人になってから。友人にK澤大学のアニメ研究会の上映会に誘われて、「怪傑のうてんき」や「愛国戦隊大日本」と共に観せてもらった記憶があるが……

衝撃だった。

ひょろっとしているのにむさくるしいという、当時の仲間にいっぱいいた(笑)典型的おたくスタイルの青年が、「素顔のままで」特撮用のミニチュアセットに立ち、「素顔のままで」ウルトラマンを演じたのだ。

もちろん、爆笑した。
が。すぐに気づいた。

「……うぇっ? ちゃんとウルトラマンに見える?!」

よれよれでガバガバの、ウルトラマン風のパターンに赤く塗ったくられているだけの(多分)銀のジャケット+ジーパン+普通のスニーカーという、ださださの衣装だというのに。
その動き、立ち姿、首をふる仕草。
ブレスレットを放つ動き。
少し前のめりで、猫背気味にスペシウム光線を撃つ。十字に組んだ腕。
指使い。
ちゃんとウルトラマン(帰ってきたウルトラマンの)だった。
それを演じた青年の、底知れマニアックさ、その「ウルトラ愛」に戦慄した。

上映会後、それが噂に聞いていた、SF大会(DAICON IV)で上映された自主製作映画、
「DAICON FILM - 帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」
であることを知った。
あの、伝説的なOPアニメはそれ以前に観ていたのだが
「あぁ、世の中には恐るべき才能を持つ集団がいるもんだ」
と、ガクブルしながら思ったことを覚えている。

その後、庵野秀明という才能がどうなっていったのかは、諸兄ご存じのとおりである。
(DAICON FILMのメンバー(つまり旧ガイナックスの)の幾人かの方々とは、とある仕事を通じて、特に赤井さんと親しくしていただくことになったり、その流れで武田さんともご一緒したりする機会があったのだが、庵野さんと接触したことは今もってない。)

ともあれ。自分の中では、庵野秀明という方は、第一義的に
「素顔でウルトラマンを演じた人(しかも抜群の動きで)」
だった。
それは、その後エヴァンゲリオン~ヱヴァンゲリヲンという大ヒットを飛ばした後も、変わらなかった。
(し、そもそも自分は、とある理由があってエヴァの沼には、はまらなかった珍獣なので)
なんなら、「シン・ゴジラ」に大感激した後でも、変わらなかったのである。

そして、「シン・ウルトラマン」のうわさが流れてきた。

その3に続く。

投稿の間が空いたのは、金曜の夜にはだいたい書きあがっていたけど、週末デザフェスに行ったりして見直せなかったたからです。そういえば、上記の上映会では、「へたな鉄砲も数うちゃ当たる!」や「じょうぶなタイヤ」も観せてもらったな。

概ね 2000W

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