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受験生の脳内はちょっとおかしいのかも

一番手前のトイレだけ、ずっと閉まっていた。
勉強をしに学校へ行っていた日曜日、4階と5階の間にあるトイレには多分一日で2〜3回行ったと思う。最初に気づいたのは12時の休憩のとき。次は14時半くらい、最後は帰る間際の16時。
いつ、どの時間に行っても一番手前のトイレだけ鍵のところが赤になっていた。
教室を見回しても、みんなてんでんばらばらに座っているため、誰がいて誰がいないのか分からない(あとクラスメイトの顔を覚えていない)。

急に心配になった。
物音もしないし、もし倒れていたら…最悪の事態になってるかも…なんて思うと最初に気づいて何もしなかった12時の自分を悔やんでも悔やみきれない。
もたもたと帰り支度をして、もう一度トイレに戻った。私以外全員帰っているはずなのに、やっぱり手前のトイレの鍵は赤。
思い切ってノックをした。返事はなし。
良くないとは思ったが、扉の下の僅かな隙間から覗き込んだが見えるのは床だけ。
どうしようかと悩みつつ、何となく扉を少し押してみる。すると扉は少し奥に動いてそのまますーっと開いていった。

恐る恐る中を覗いてみると、中には誰もいなかった。
鍵だけがスライドされて「赤」の状態になり、鍵自体はかからないまま扉が閉まっていたのだ。

ああ良かった!!本当に何もなくて!!
扉を押す前に一瞬脳裏をよぎったぐったりとした女の子の姿。あの映像が現実にならなくて、本当に良かった!
最初に気になってから約4時間、いまいち勉強に集中できなかったがそんなことはもうどうでもいい。
臆病者で心配性な私を、その誰もいないトイレの小さな空間が救ってくれた。

もう少し勉強してから帰ろうかと思ったが、何となく今日はもういいや、と思いスーパーに寄って大量の食材を買った。帰宅してにんじんと玉ねぎをひたすらみじん切りし続け、冷凍ストック用のミートソースとドライカレーを作った。
謎の充実感とともに、昨夜はぐっすり眠った。

国試まであと2ヶ月を切った。心身ともに健全に、残りの日数を過ごしたい。

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