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オノマトペ

また耳鳴りがする。月に数回ほど現れるが生活に支障はないため特に気にしていない。全く効果はないけれど、頭をブンブン振ってごまかしている。
それでも涼しい日が続いて気持ちが良い。
さすがにもう暑くなったりしないよね、とビクビクする日々。
涼しくなって長袖を着るようになっても、腕まくりをしてしまうのは何故だろう。セーターもパーカーも大体肘の下くらいまで服を捲ってしまうため、袖がビヨビヨになってしまう。因みに部屋着のTシャツも肩のところまでたくし上げている。私は袖に恨みでもあるのか。

課題に追われている。本当は追ってきてなどいないのだけど。私がタラタラしているだけなのだけど。
傍らに教科書を広げてPCに向かう。大学時代を思い出すけれど、あの頃より体力も集中力も減退しており、時々画面から目を離しては本や漫画を読んでしまう。こうやっていつもギリギリになってしまうのは世の常だろう。

Tシャツのタグを切った。昔から首の後ろがチクチクするのが苦手で、よく母に切ってもらっていた。当然ハサミでそのまま切れば切った跡がまた気になるため、糸から抜いて丁寧に外していく。
裁縫は得意ではない。ボタンを付けるとかちょっとしたほつれを直すくらいならできるが、裾上げや刺繍なんてやろうとすら思わない。
幼い頃、母はよく給食袋や上履きを入れる袋を作って学校へ持たせてくれた。中学の頃、所謂「サブバッグ」というボストンバッグが流行っていた。謎に尖っていた私は欲しいとすら思わず、母と一緒にユザワヤに行って布を選び、気に入った生地で手提げバッグを作ってもらった。

もし自分が親になったら、きっと子どもに手作りのものなんて持たせてあげることができない。今は手作りっぽいものもたくさん売っているし、それを買う選択ももちろん否定しないけれど、できれば母が元気なうちに子どもを産みたいとも思う。自分で努力するという選択はない。

また友人と長電話をしてしまった。恋人との関係に悩んでいた彼女を心配していたが、毎週末彼氏の家に泊まっていると聞き安心した。彼が伸ばしている髭がジョリジョリして痛いと笑う彼女は幸せそうだった。
例によって話があっちこっち行ってしまい、気付いたら彼女は電話をしながら朝食も昼食も済ませていた。私も一旦寝るわ、と言って電話を切ったが、アドレナリンだかオキシトシンだかがドバドバ出てなかなか寝付けなかった。

美容院の予約を取った。ショートにするとちょっとでも伸びると気になってしまうため、端から見ればまだまだ短く見えてもどうしても気になって切りたくなる。休みの日に出かけるのは億劫だけど、幸い土日も出勤するため仕事帰りに行けるのが嬉しい。
前回ドキドキしながら行ってみた美容院。可愛いとか似合ってるとか、肯定感を上げに上げてくれたためホクホクで帰ってきた。伸びてきた襟足が気になるのも本当だけど、気持ちよくなりたいというのも理由として否定できない。

書いていたら耳鳴りも収まってきた。窓の外から雨の中車が走る音が聞こえる。雨の音が好きと言えるほど叙情的ではないけれど、休日に部屋の中で聞く分には悪くない。
聴力が異常に敏感なため、不快な音が多すぎて外ではいつもイヤホンをしている。嫌な音は避けられるけれど、きっと美しい音も聞き逃しているだろう。
せめて文章の中だけでもと思い、というのはただの後付けだけど。今日もキーボードをカタカタと動かすわけです。

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