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【叙事詩】董卓

二千年ほど前の話です 董卓という男がいました
武勇にすぐれ 連戦連勝しあっというまに出世しました
時の都は洛陽です

董卓と董卓の部下たちは 洛陽で暴虐の限りをつくします
国の金品をわがものとし 国民を平気で殺し 毎夜のよう   
 に女たちを犯し しかし法の下で裁かれることはありま
 せんでした

そして董卓はある日 都を洛陽から長安に遷します
そのさい 董卓は歴代の王たちの墓をあばき その財宝を
 奪い 宮殿を 民家を焼きはらいました

董卓の部下に呂布という男がいて
ある日 呂布は詔(みことのり)と称して董卓を殺します
そして董卓の一族を殺し 当時九十歳の董卓の母親も殺し
 ました

一族の死体はあつめられ キャンプファイヤーのようにし
 て火をつけられました
董卓は非常に肥っており よく燃えました
ある人がおもしろがって そのへそに灯芯をさしました
したところ 火は数日間もえつづけたということです
長安のひとびとは 董卓の死をみなでよろこび
手を打ち うたって これを祝いました

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