【今だけ“無料”講座】5・3・1・1の法則ーヒューマン・セラピストから自分が気に食わない人たちへ(前)
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いや。まあ、いいでしょう。出血。未来のためなら、血も流しましょう。ほんとに今だけ、無料でいいです。ただしほんとうに今だけですよ。すぐに有料にします。
はい。
ていうか有料って何? 無料つうのもよくわからん。
料って、なに?
まあいいでしょう。
むかし、山から下りて、舗装道路を歩いていたんですよ。川沿いの。なんかバス停もないし。下山したところはいちおう集落なんですが、集落というか、落というかんじ。ぜんぜん人がいないんです。しかしまあ林道はありました。
林道をあるくと、舗装道路に出ました。舗装道路の端的な。
人家っぽいのもありましたね。あ、そのまえに神社がありました。林の奥に。その神社はいちおうきれいにされていて、あたりの人たちの信仰をあつめてるんだなー、と思いました。
で、その舗装道路なんですけど、ガタガタ。じゃりじゃり。
あの、なんていうんでしたっけ。ぐるぐるのやつ。
タイヤか。横浜ゴム的な。
時速40キロ以上で走ったらそのぐるぐるの、タイヤも滑るだろうなという、そんな道でした。舗装はされてましたよ。はい。でもがたがたでじゃりじゃりなんです。
そういう道を歩いていました。何人かで。だれと歩いていたのかはほぼ覚えていません。もしかするとひとりだったのかもしれない。
兎に角歩いていると、だんだん、道の舗装もいい感じになってきました。文明、近し。みたいな。すべての道はローマに通ずる。
はいはい。はい。
通ずるのはいいけど、じゃあその道はどこに端を発しているのか。ローマ人は知っていたのでしょうかね。知らないだろうね。お釈迦さまなら知っているのか。
ま、そんなことを思いながら、歩いていたわけです。
で、舗装がいい感じなると、人家もふえる。ある程度ね。めっちゃ田舎というか。こんな谷みたいなとこによく住むねというような、そんな土地ですよ。
川。両側は林。山と山。鬼も棲まないような場所です。日当たりもわるいしさ。
んで、歩いていると。ちょっと平地があったんですよ。なんか。
平地で、ただの土地です。建屋とかそういうのがあるわけじゃない。その平地の周りを、ロープで囲っていたんですよ。黄色と黒の、なんかホームセンターで売っているようなロープで。
木というか、棒がある程度の間隔で土地に突き刺してあって、その棒と棒を渡すようにして黄色と黒のロープが張ってある。看板がある。
「私有地につき立ち入り禁止」
と。へったくそな文字で書いてあったんです。
正直、滅茶苦茶おもしろかったです。おもろまち。歩きながら、ゲラゲラ笑いました。わらってわらって。
あるくと道を。ひらけてガチの平地になりました。明るい。人家があちこちにある。集落です。里山もある。店もある。大都会。
店の前にバス停がありました。なのでそこで荷物をおろして、店に入りました。
牛乳とデニッシュパンを買いました。
「あとすこししたらバスくるよ」というような意味の日本語を、その土地の訛りで店のおばあさんが教えてくれました。
「そうですか。いいお天気ですね」
「ほんとにや。○○やまに登ってきなさったんですかね」
「はい」
「富士山見えましたか」
「はい。見えました。すごかったです」
「ええですね。はい、お釣り」
「どうも」
バス停でデニッシュパンを噛んで牛乳をのみました。「私有地につき立ち入り禁止」。思い出してまたゲラゲラ笑いました。あー、おもしろ。
バスが決(来)ました。
5・3・1・1の法則についてぜんぜん話ができませんでした。全然関係のない話。
すみません。次につづきます。
つづく
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