【掌編400文字の宇宙】ミソジニストМの転向
Mは女が多い家で育ったので、女というのは兎に角五月蠅いと思っていた。
一言すれば分かることを十とか百八いう。情報量は矢鱈多いが結局南極何がいいたいのか全然わからん。
学校に行くと、女の集団というのはうんざりするほど喋った。
「先生、Мくんが誰某にいじわるしていました」とか「M、掃除やれよ」とか「あー、はいはいはい。先生に言うからね」と始終何かをいっている。
あれか、女というのは話をしないと死ぬのか。鮪なのかな。
男友達とつるんでふざけているの好きだった。わーわー騒いでいると、
「そんなことを言っていたらバチが当たるよ」
と、余計な水を差すのも、勿論、女だった。
「バチ」と来たものだ。女というのはうっとおしいが、時々本当っぽいことを言う。
「なんかやー(おまへ)」というダチを制して、そのまま無言で引き下がった。
去年(2023年)の暮、布団の中で身動きがまったく取れないまま、除夜の鐘を聴いていた。
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