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【行間を読む】畑「解析力学」p. 86, 105 (Euler-Lagrange eq. と正準方程式との等価性の具体例)

キーワード

  • ハミルトン形式

  • ラグランジュ形式

  • オイラーラグランジュ方程式

  • 正準方程式

該当箇所

p. 86

例2のHamiltonian (6.7)に対して、Hamiltonの運動方程式は

$$
\begin{array}{ccr}\dot{q}=\dfrac{∂H(q, p)}{∂p}=\dfrac{1}{f(q)}p,&\dot{p}=-\dfrac{∂H(q,p)}{∂q}=\dfrac{f'(q)}{2f(q)^2}p^2-U'(q)&(6.14)\end{array}
$$

第1式を時間微分し、それに対してさらに第1, 2式を用いることで$${p}$$と$${\dot{p}}$$を消去して、$${q}$$の従う次の微分方程式を得る:

$$
\begin{array}{cr}\ddot{q}=-\dfrac{f'(q)}{2f(q)}\dot{q}^2-\dfrac{1}{f(q)}U'(q)&(6.15)\end{array}
$$

これは Lagrangian (6.5)からのEuler-Lagrange 方程式と一致する(章末問題1参照)。

p. 105 (第6章問題1)

問題1 Lagrangian (6.6)に対するEuler-Lagrange方程式がHamiltonの運動方程式から得られた(6.15)式と一致することを確認せよ。

(注)この問題は巻末で解答が省略されている。

解説

p. 86

指示通りにHamiltonの運動方程式のうち位置微分の式を時間微分すると

$$
\ddot{q}=\dfrac{d}{dt}\dfrac{p}{f(q)}=\dfrac{\dot{p}f(q)-pf'(q)}{f(q)^2}
$$

これにHamiltonの運動方程式

$$
p=\dot{q}f(q),\qquad\dot{p}=\dfrac{f'(q)}{2f(q)^2}\left(\dot{q}f(q)\right)^2-U'(q)=\dfrac{1}{2}\dot{q}^2f'(q)-U'(q)
$$

を代入して

$$
\ddot{q}=\dfrac{\left(\dfrac{1}{2}\dot{q}^2f'(q)-U'(q)\right)f(q)-\dot{q}f(q)f'(q)}{f(q)^2}=\dfrac{-\dfrac{1}{2}\dot{q}^2f'(q)-U'(q)}{f(q)}
$$

となって(6.15)を得る。

p. 105 (第6章問題1)

Lagrangian

$$
\begin{array}{cr}L(q,\dot{q})=\dfrac{1}{2}f(q)\dot{q}^2-U(q)\end{array}
$$

から得られるE-L eq. は

$$
\dfrac{d}{dt}\left(f(q)\dot{q}\right)-\left(\dfrac{1}{2}f'(q)\dot{q}^2-U'(q)\right)\\=f'(q)\dot{q}+f(q)\ddot{q}-\dfrac{1}{2}f'(q)\dot{q}^2+U'(q)=0
$$

$$
\therefore\qquad\ddot{q}=-\dfrac{-\dfrac{1}{2}f'(q)\dot{q}^2}{f(q)}-\dfrac{U'(q)}{f(q)}
$$

となる。

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