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【読書記録】「ユビキタスとは何か 情報・技術・人間」坂村健

2000年台に興隆した元祖IoTの話。万物にタグをつけて自動管理・履歴追跡できる仕組み。スマホ普及以前 (2007年) の話であるため読み取り機械は往時のトランシーバーを思わせるゴツい端末だが、次なるインフラとして注目を集めていたようである。

今はモノにタグをつけるより画像認識で済ませる方が低コストとなったため、なりふり構わずユビキタスを普及させる線は薄くなったものの、企業の在庫など均一規格にできるモノの管理には有用で実用化されている。ユニクロのRFIDタグが最たる例で、無人レジの穴に服を投げ込むと商品を識別してくれるのはこの技術の賜物である。

このような新しいインフラが発生すると「現金も使えるカードも使えるQR決済も大丈夫」というように足し算の発想になってしまう。技術力が上がれば何でもござれのレジも実現できてしまうが、本来目指すべきなのは完全な乗り換えだという。それも1つだけの技術に乗り換えるのが良いとのこと。支払い手段は市民カード一択、のように。かつて多種多様なペイが乱立し、今では収斂されつつあるが、一社独占とはならなさそうな雰囲気は残っている。しかしインフラという側面から見ると、一企業による独占が好ましいという見方は、妥当だが思いつきはしなかった。

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