定年女子がWebライターと名乗れないワケ
会社を定年退職して、非常勤の仕事とWebライターの仕事を始めてから2年半になる。非常勤の仕事は出勤日が週に2~3日なので、他にも仕事を持っている人が多い。空き時間に同じ職種の人と雑談をすることがあるが、「出勤日以外は何の仕事をしているの?」と聞かれるとWebライターと言えなくて「えーと、家でちょっと内職を」などとごまかしている。
なぜWebライターと名乗れないのだろうか?
まず、ライターという職業には何となく怪しいイメージがある、と個人的に思っている。NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』で、みのすけが演じた三流ゴシップ記者鮫島や、今放映中の連続テレビ小説『虎に翼』で高橋努が演じている帝都新聞の記者竹中といえばお分かりいただけるだろうか。あのいかがわしく胡散臭い感じだ(両者とも根は悪い人ではないという設定だけど)。
次にカタカナ職業も怪しいイメージがある。「〇〇アドバイザー」、「〇〇コーディネーター」、「〇〇プランナー」など、カタカナ職業はどんな仕事なのかイマイチわかりづらい。Webライターはカタカナだけでなく英語まで動員してケムに巻いている感じがする。
ちなみにウィキペディアによると、かつて「トータルビューティーアドバイザー」と自称していた叶姉妹は、現在「セレブリティライフスタイルプロデューサー」と名乗っているそうだ。
では漢字ならばよいか、というとそういうわけにもいかない。文章を書く仕事といえば「文筆家」という言葉があるが、それだとかえってエラそうだ。本を数冊出していないととても名乗れそうにない。
そもそも「文筆家」とは、文章を書くことで生計を立てている人のことを指す。私の場合は週に2~3日は出勤するため、その予定を考慮しながらライターとしての仕事量を調節する。どうしても出勤するほうの仕事がメイン、ライターは副業という位置づけになる。
書くのが早いわけでもないので仕事量は少ない。その結果収入も少ないのでライターで生計を立てているとは言い難い。このような理由で自分はまだWebライターの要件を満たしていないので、名乗るのはおこがましいと思っている。
しかし、知らないことを調べたり人の話を聞いたりして知識が増えるのは楽しい。もちろん、思うように書けなかったり、クライアントとの意思の疎通がうまくいかなかったり、苦労することもある。
とはいえ、自分が得意な分野のこと、知識はなくても興味を持って書いてみたいことなど、自分がやりたい案件だけ応募すればいいのでストレスは少ない。
会社勤めのころは頭痛と肩こりに悩まされていたが、今は家で一日中パソコンの前に座っていても肩は凝らない。
会社がDX化すると聞いたときはついていけないと思ったのだが、今はChatworkやSlackなどのビジネスチャットを使っているし(使いこなしているとは言えないが)、プラットフォームやソリューションなどやたらカタカナ語が出てくるIT系スタートアップ企業の紹介記事などを書いている。
Webライターと名乗れなくても仕事は面白い。これからも自分のペースで続けていこうと思う。