おねーちゃんとあそぼうっ!

10回言うゲーム

「おねーちゃん、ひまー。」
「おねーちゃんはひまじゃないもーん。」
テレビを見ているおねーちゃんのほっぺをつついてちょっかいを出したりする休日の昼ごはん後。平日のこの時間のテレビ面白くなくない?
「洗濯終わるまでひまー。あそぼー。」
「てーくんがそ~~~~~んなに言うなら仕方ないなあ~~~~~」

「じゃあ10回言ってあれしてあれするやつでもやるか」
具体性がイマイチなおねーちゃんの提案だったけど、さすがに分かった。
「ピザひざひじのやつね」
「そうそう。」

「じゃあ私からね!唐揚げって10回言って!」
「からあげからあげからあげ…」
お昼を食べた後だと言うのに、ちょっとお腹が空いてきた。唐揚げは罪深い。
「今日の晩ごはんはなーんでしょ?」
「え、竜田揚げ??」
これそういうゲームじゃなくない?と思いながらひねった答えを出してみる。

「残念!ぶり大根です!」
昼直後に夕飯のメニュー考えてるのすごいな!?とか、今日はちょっと手が込むんだね楽しみ!とかあるけど、
「これそういうゲームじゃなくない!?」
「次てーくんの番ねー。」
抗議も虚しく出題側に回ってしまった。

「じゃあ、『にゃーん』って10回言って。」

かわいい!おしまい!で終わらせたらどんな反応するかな…

ポッキーゲーム

「トッポって10回言って」
「とっぽとっぽとっぽぽとっとっぽ…」
数回往復した10回言うゲーム、全部変化球なんだけどそろそろ正統派なやつやりたいな…?

「ポッキーゲームに使うお菓子はなーんだ?」
「ん?プッカ??いやポッキーじゃん!」
「せいかいー☆」
戸棚から取り出したポッキーの袋を開けて素早く先端をくわえるおねーちゃん、なるほど次はそうくるか。10回言うやつは引き分けかな。

「ちなみにこれはどっちがどうなったら負け?」
持ち手の方をくわえて、ゲームスタートの準備だけはする。
この前の感じから勝ち確なんだけど…

「離さない!折らない!逃げない!こちょこちょしない!」

おねーちゃんが先端から口を離してルールを宣言したので、その隙に1本丸ごと食べ進める。
おねーちゃんの「しまった…!」って顔がかわいい。

「今のは!ノーカン!練習!一袋使い切るまでが勝負!」

なお、照れたおねーちゃんが逃げるので全勝した。

撫でなでゲーム

「ポッキーゲームに勝ったからって調子に乗るんじゃないわよ…!」

と、膝の上に座ってきたおねーちゃん。
「私が満足するまで撫でたらてーくんの勝ち!ただし満足ゲージは5分でリセットされます!」
わたしがるーるだ!ってゲームが始まってしまった、もはやクソゲーじゃんなんだ満足ゲージって。

・・・

勝つまで1時間かかった……

愛してるゲーム

「1勝1敗1分け…!互角…!」
かれこれ2時間くらい楽しんでるんだけど、いやほんと楽しんでるなこれ。
いい感じの休日を過ごせているんじゃないか?

「これで勝ったほうが100勝だから!負けたほうがアイスおごりね!あいしてるげーむ!!」
頬が少し紅潮してるおねーちゃんが最後にうちだしてきた。そういえば結局ゲーム内容全部おねーちゃんに決めてもらっちゃったな。

…ん?あいしてるげーむ?それはやばいやつじゃない?大丈夫?
ポッキーゲームであの感じだったし、ちょっと(だいぶ)頑張れば勝てるんじゃないk



「愛してるよ、てーくん。」



算段を固めていたところに不意打ちで寄ってきたおねーちゃんに耳元で囁かれて、100000回負けてしまった。完敗です。

「姉は弟より強いんだもん、当たり前じゃん。ダッツ様ね。」

勝ち誇ったおねーちゃんの顔が、なんだかんだかなり(かなり)恥ずかしそうなので、何も言わずに負けになった。

期間限定味をいくつか買ってこよう。
夕飯のぶり大根が楽しみだな。

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