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公認心理師試験覚書③~受験スケジュール編~

前号で予告した、Gルートでの超個人的な受験スケジュールを大公開。かえすがえすも身も細る思い(実際はまったく痩せない)の1年でした。

公認心理師試験受験までのスケジュール

※Xは試験当日を表している

12ヶ月前:「現任者講習」受講

2020年9月(X-1年)現任者講習を受講
Gルート受験者は、「現任者講習」を受けて、はじめて出願のスタートラインに立つ。この時点では、現任者である自分自身がGルートの受験資格を満たすかどうか不確定の状態なのだが、ひとまず現任者講習を修了しないと出願する資格すらない。
つまり、ひょっとすると受験資格がないかもしれない可能性を残したまま、有料(4~7万円)の現任者講習を受けるということ。
しつこいようだが、現任者講習を受けたとしても受験資格があるかどうかは別問題なので、出願後に「受験資格なし」と判断された場合は、現任者講習の受講料は完全に無駄になってしまう。変なシステムだが、Gルートは期間限定の経過措置という位置づけのため、仕方のないことなのだろう。受験のチャンスがあるだけありがたいと思うことにした。

東京都近辺の現任者講習枠は受講希望者が多く、抽選もれになりやすいと聞いていた。しかし2021年に関しては、感染症が猛威をふるう社会情勢に合わせてリモートでの受講枠ができていた。これは、倍率が高い地区に住む人にとっては吉報だったのではないか。私自身も首都圏の受講枠には抽選もれしまくり、けっきょく関西圏の受講枠での受講となった。
(所要期間、3か月)

9か月前:過去問に着手

2020年12月(X-9か月)現任者講習修了、過去問に着手
すべてオンラインで受講修了。「受講修了証明書」を入手。この証明書は、出願の際に同封するので保管しておく。
年末頃から過去問を解きはじめ、現時点の得点率を把握。過去3回の試験問題で、すでに55~60%の得点率を満たしていたが、確実に合格するために70%以上の得点率を目指すことにした。

しつこいようだが、この時点でもGルートの受験資格を満たすかどうか、まったく不確定。(財)日本心理研修センターに問い合わせても、「受験の手引き」の記載に従うよう言われるだけなので、「受験の手引き」の配布を待ち望みつつ、通勤時などのスキマ時間にアプリを使って学習。

2021年2月(X-7か月):激務と心身不調により大失速
2020年度は、感染症による社会情勢のあおりをまともに受け、激務の日々が続いていた。リモートワークなんて夢のまた夢。共に働くチームの人々が次々と自律神経の不調を訴える中、私自身も不調に。
あまりの不調具合に降参。次年度の仕事量を減らすことを決めるまで、宙に浮いたような心地の数か月。公認心理師受験の意欲ゼロ。2~4月は、ほぼ何も手につかなかった空白の時期。

けっきょく、ゆったり仕事するようになったら、思いがけない幸運や幸福がやってきたのだけど、これはまた別の機会に書きます。

6か月前:「受験の手引き」入手

2021年5月(X-6か月):「受験の手引き」を入手
GW明け、突然やる気スイッチオン。遅ればせながら「受験の手引き」を入手。一番おっくうに感じていた実務経験の証明について重い腰を上げた。
「受験の手引き」を参照しつつ、小さな法人の取締役時代、個人事業主時代の心理カウンセリングの実務経験を証明するため、確定申告書類や、心理カウンセリング業務に従事していたことを示す資料をそろえる作業に着手。

(1)自営業時代の書類集めに苦心
私の場合、自営業時代を証明する書類は確定申告書類くらいしかなく、所管の税務署で「情報開示請求」を行って入手。私の住む自治体では保管期限が7年と言われた。保管期限を過ぎると過去記録は廃棄されてしまうので、もし情報開示を考えているなら早めに税務署へ。

(2)あの手この手で業務内容を証明
心理カウンセリング業務に従事していたことを示す書類については、主に下記の三点を用意。

①過去のイベントやワークショップについてWEB上に残っているもので、肩書が「心理カウンセラー」となっているものをプリントアウトして提出。

②過去に執筆したコラムや書籍等のプロフィール欄に、「〇〇年から心理カウンセリング業務に従事」などと記載のあるものを提出。

③確定申告書類の添付書類に、企業と契約して個人カウンセリングの報酬をいただいていた記録(支払調書)があったので、そちらも提出。

実務経験とは、指定の期間に5年以上、カウンセリング業務に従事したという事実のことである。週一回以上、「心理カウンセラー」としてマンツーマンの相談業務に従事していることが客観的に証明できればよいという助言に基づいて資料を集めた。

(3)お勤めの人は、あまり心配しなくていい
多くの実務経験者は、勤務先で「実務経験証明書」を用意してもらえるので、さして心配いらない。出願に間に合うように、職場に実務経験の証明をお願いすればよい。(お勤めの人は勤務先に記入してもらう。自営の人は自分で記入する)

書式は心理研修センター指定のもの。お勤めの方は、「受験のてびき」に同封されている指定書式を職場に提出し、必要箇所に記載してもらう。複数の職場の「実務経験証明書」が必要な方は、それぞれの職場にお願いすることが必要。

私の場合は、現在の職場に所属して5年以上経っていなかったので、勤務先で記入してもらう「実務経験証明書」だけでは、5年の実務経験期間を満たさない。よって過去の自営業時代の活動の実務についても、証明する必要が出てきた。
自営業時代の実務については、私設心理相談室の主宰者であった自分自身が「実務経験証明書」を記入することで証明する。その活動の実態を客観的に説明するための補足資料として上記の①~③が必要だったということ。

3か月前:出願・受験料納付

2021年6月(X-3か月):出願完了(受験料納付)
(1)学習について

スキマ時間にアプリで一問一答に励む。ブループリントの網羅に徹し、見慣れないワードをなくしていく。見慣れないワードをつぶしていくことで、知識のネットワークの基礎をつくる。
過去問題集二冊を一巡。(河合塾KALS赤本、翔泳社ペンギン青)

(2)出願書類について
あえなく書類の不備で返送。不備の詳細は記載されておらず、心理研修センターに問い合わせた。受験資格がないのかとびびりまくったが、そうではなかった。再度、書類をそろえて送付。(返送されてから7日以内に不備書類がセンターに到着しなければならないとの記載があった)

(3)受験資格の有無について
この時点でも受験資格があるのかどうか、まったくわからない状態。実務経験の内容が認められなければ、7月末~8月初旬までに「受験資格なし」の通知が来るという「風の噂」を頼りに悶々と過ごす。
ちなみに受験資格なしと判断された場合は、さすがに受験料は返金される。しつこいようだが、現任者講習の受講料は返金されない

2か月前:模擬試験(1回目)

2021年8月初旬(X-2か月):1回目の模擬試験
本当はもっと早く模擬試験を受けたかったが、なにせ受験資格があるのかないのかモヤモヤしすぎてアクセル全開になりにくかったというのが実際。
8月の1週目を恐るおそる過ごし、不幸の手紙(受験資格なし)が届かないことを確認してから猛追モードへ。試験当日まで2か月を切っていた。

1回目の模試の後、解説を総ざらい。苦手分野を浮き彫りにして、2回目の模試までに徹底的に苦手をつぶした。

1か月前:模擬試験(2回目)

2021年8月半ば(X-1か月):二回目の模擬試験
2回目の模試の後、解説を総ざらい。今年の出題傾向等をつかみ、3回目の試験直前模試に備える。模試の見直しを本気でやるのは骨が折れる作業だと思う。しかし、ここが踏ん張りどころ。ストイックな自分に酔うのだ。
過去問題集は、2巡目(赤本)。出題率の高い分野を抑え、苦手克服のためにオリジナルのミニノートを作り、全国的な正解率60%以上の問題(取れて当たり前の問題)を取りこぼさないよう留意。

3週間前:受験票受け取り

2021年8月末(X-3週間):受験票受け取り
過去問題集、河合塾KALS(赤本)3巡目、翔泳社ペンギン(青)2巡目

2週間前:模擬試験(3回目)

2021年9月初旬(X-2週間):模擬試験(3回目)
3回目の模試を受験。安定的に75%以上を取れるようになってきたので、ペースを崩さぬよう復習にかかる。さんざんまとめてきたミニノートがなにげに役に立つ。

当日:東京流通センターにて受験

2021年9月:本試験
(1)前日
試験会場は東京流通センター。さして遠くないので当日入りで問題なかったのだが、前日はまさかの台風接近。当日のもしもの交通麻痺に備えて、風雨の中、浜松町のホテルに前泊。そして風雨の中、会場の下見。
そして夜中は、まさかの隣の部屋から断続的な大絶叫攻め(複数でゲームでもしていた感じ)。入眠したのは午前3時。裏目に出た前泊作戦であった。

(2)当日
けっきょく当日は風雨も止み、交通麻痺も生じなかった。都内でも遠方から会場入りした人は、ずいぶんハラハラする夜を過ごされたことと思う。
試験会場となった東京流通センターは、トイレ事情が少なくて常に大行列。少し離れた別の階や、隣接した駐車場の棟のトイレに走る人も多数。混雑を見越して、女性のみだが仮設トイレも用意されていた。

なんというか・・。
ある意味、試験前から当日まで、試験(本題)以外の部分でこんなに気をもむのも初めてのことだった。今となっては思い出深い。そういうことにしておく。
試験を終えた帰り道、放心状態で子どもに頼まれたコオロギせんべいを買って帰ったことが、鮮烈な記憶として残っている。

次号に向けて

次号では、そもそもの勉強の仕方について、しつこさ満載の持論を展開しようかなと画策しています。
「勉強を始めてみたけど、わからないことだらけで途方に暮れている」という方が2か月もあれば大変身できる、しつこくて地道すぎる裏技を公開予定(あくまでも予定)。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「どんなことでも、なんとかなる」「なにごとにも意味があり、学ぶことができる」という考え方をベースに、人の心に橋をかける言葉を紡いでいきます。サポートいただいた場合は、援助職をサポートする活動に使わせていただきます。