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私的シャニマスPラブ論

 シャニマスユーザー間でしばしば立てられる問として、「○○はPラブか?否か?」というものがあります。いわゆるPラブ的な文脈を好む人は多いですし、それが地雷になってるという人もまた多くみられます。今回は、この問に対する私のスタンスを整理するためにこの文章を書いてます。問の性質上、これを議論すること自体に心ざわつく人もいるとは思いますが、ご容赦ください。

 まず、自分はアイドルがプロデューサーに恋愛感情を抱くことに対する忌避感はさほどありませんし、そういった文脈を楽しむことも大いにあります。アイドルである前に1人の人間であること、アイドルじゃなくなっても人生は続いていくということ、こういったスタンスはシャニPによってしばしば示されます。それゆえ、「アイドルだから」という理由で恋愛を否定する気にもなれません。しかしそれと同時に、人の心の動きを全て恋愛感情の中に回収しようとすると取りこぼしてしまうものが大きいとも考えています。

 アイマスシリーズはギャルゲーとは別の領域を開拓してきたとはいえ、その影響を強く受けて自覚的に運用してるジャンルなので、公式が出してくるものにも「これって……………ってコト!?」とオタクがざわめくのを想定した描写がしばしば見られます。それは自分も素直に楽しみます。また二次創作に対するスタンスとしては、極度にカリカチュアされたものを積極的に見に行くことはしない(嫌いというわけではない)が、そこを分ける基準としてPラブ的であるかどうかには頼らないといった形になります。

 嫌いというわけではないという言い方をすると、「なんだか随分譲歩したような言い方だなぁ、実際は嫌っちゃ嫌なんでしょ?」と思われそうですが、否定的な感情が湧いてくることはまずない…というのは強調しておきます。

 さて、つまるところ自分はどちらかといえば肯定派くらいの立場になると思いますが、そもそもこの問自体にピンと来ていないというのが正直なところです。というのも、「そこって何か線引きできるものか?」という疑念があるからです。恋愛感情に限らず、ある感情とある感情の間に線引きは可能なものでしょうか?感情の名前は人間が便宜的に名付けたものでしかなくて、「○○はPラブだ」「○○はPラブじゃない」という言い方そのものが、芯を捉えていない、本質的な議論になりづらいのではないか?と感じています。

 恋愛の話をする中でしばしば問われる議題として「男女の間に友情は成立するのか?」というものがあります。これは明確な着地点を見せないまま未だに問われつづけているというのが現状かと思われますが、この状況それ自体が、友情と恋愛感情の境界がグラデーションになってることを示してると言えないでしょうか。

 これまでのシナリオの中で25人のアイドルがそれぞれがそれぞれにシャニPと友好的な関係性を築いています。感情に明確な境界線を引けない以上、公式であれ二次創作であれ年月の積み重ねの先に恋愛関係に至ったとしても別に驚きません(恋愛関係に必ずしも明確な恋愛感情が必要と思ってないし、恋愛が必然的にこれまでの何かを毀損するとも思ってないので)。ただ前述した通り全てを恋愛の中に回収するのも大味すぎるし、それはそれで恋愛感情を意識しすぎているとも思います。

 いずれにしても、恋愛感情というものを特別視せず、人と人の関係性の中に産まれる感情の一部分としてフラットに捉えようとするのが自分のスタンスなんだな~という話でした。

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