シャニマスが2021年についた嘘の感想。
読み終わったテンションそのままで最初に全体を通しての感想を書いておきます。
先のエイプリルフールでの『Secret × Rose』の感想を先に書いておけば、「シャイニーカラーズというゲームは、ここまで持って回った舞台装置を用意したうえにエイプリルフールであるとのエクスキューズまで用意しないと、アイドルに『ずっといつまでも二人だけで』てセリフを言わせられないのか」て感じでした。
そうして結ばれた二人は学園から姿を消す。というホラー味がありつつ不条理な展開からはメタファーを感じざるを得ません。敢えていうなら、「二人だけの恋人」という関係を結ぶことはアイドルとプロデューサーという関係の喪失に他ならず、だから、舞台(≒学園)にいる資格を失ってしまい消えてしまうと。そういうメタファーなんかなーとか思いながら読んでました。元ネタであろうロミオとジュリエットも心中のお話だし。この世界で結ばれないのならばもう別の世界に一緒にいこうってことよね。
まあそのへんのメタファー云々はおいといても。シャニマスのエイプリルフールの目的は、「ウソだから、という言い訳を盾にアイドルに普段は言わせられないことを言わせる」ってところにあるのはまあほぼ間違いないのかなと思ってまして。
アイドルの告白ボイスを聴けるんだから、そりゃファンサービスよね? なんか「タダでは言わせたくない」て圧があるのかなんなのかなんか不思議なスピンが掛かるのが毎度のことだけど。
だから。今回もそんな感じのを期待してたら期待した以上のモノがきたよ。
世界・立場・相手・状況の天地人を選択した先にみられるお話は全て「アイドルとは無関係に生きている彼女たちの姿」であって四月一日に相応しい if の物語。なのだけど、それでもシャニマスらしく、そこで描かれる彼女らのキャラクターには一切ブレがなく、彼女がそのシチュエーションに立てばまず間違いなくそうした言動をするだろうと感じさせてくれるものでした。
要するに。
彼女が、彼女だから辿り着く可能性のあるバッドエンドが。
シャニマスである限り決して描かれることのないバッドエンドが。
そこに描かれていると。
読み応えありましたわねー。
まあ。そこまで肩肘の張ったモノはおおむね「敵対ロマンス」に押し込められてて他は割と気軽に読めるモノが多かったかな。
全体的にサービス精神が過剰で。ていうかもうおシャニさんは天井社長をいじるのに抵抗がなさすぎる天井怪人も天井探偵も天井将軍もどれも面白いししかもなんでいちいちP的立場の誰かとイチャイチャしてんのよもっとやってください。
そもそもなんなんだよ敵対ロマンスって。ただ単にシャニマスライター陣が書きたかっただけじゃねえんですかね。ありがとう。その欲求に従ってくれてありがとう。
そんなだから。
一定数読み重ねるごとにアンロックされるEXシナリオも。おそらくは我らと同じくそうしてしらみつぶしに項目を試し続けている何者かはきっとプロデューサーで。様々な可能性、様々な境遇や関係を確かめて、最終的にはそれら何もかもを捨てるような形で「俺はプロデューサーであってそれ以外の何者でもない!!」て目覚めるというストーリーラインなのかなーとか予想しながら読んでた。
読んでたんだけどね。
予想は半分だけあたってたかな。
そうして端末を操作してたのは果たして、我らの知るプロデューサー当人であって。記憶の復旧に成功したプロデューサー氏は蘇ってくる愛おしい記憶を決して忘れないと誓う。
けれど。
それらは全て過ぎ去った記憶で。地球は滅びて、もう二度とプロデューサーにはなれないしアイドルとも会えないと告知され、絶望と憤怒とに駆られた氏が何かを壊す音とともに物語は終わる。
結局のところ、プロデューサーはプロデューサー以外の何かを選ぶことは出来ず、プロデューサーでないのならば生き延びる理由もないと、そう決断したのでありましょう。
……ただなー。コレをメタ的にみるとなー。
アイドル達との記憶は確かにある。愛おしい記憶として。
それでも、どう足掻いてももう彼女たちに触れることは叶わない。
ただ、既に起きた出来事として、一方的に供されるアーカイブを繰り返し再生し続ける。
プロデューサーには、それしか出来ることはない。
コレって、要するに私らのこととちゃいます?
……いやだって。全く一緒じゃん? 私らと。
ウソだと言ってほしいなあ。
いやまあ。
ウソなんだけどね。四月一日だから。
あ。誰が読むねんて感じだけど、81パターン全部に感想メモ書いたんであとでそっちのリンク貼ります。誰が読むねん。
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