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芹沢あさひとSHHisのホーム画面コミュ全部の感想。のおまけでSHHisと全員分のホーム画面コミュの感想。

 あさひとにちかと美琴さんとのコミュ全部つっても数えて4つ。敢えて記事を構える程の量はないのだけどもまあこれまで全員分の感想を書いてるのでせっかくだしとまとめに追加します。

 一言だけの会話でもって発言意図を探るには、シーズの二人の情報的蓄積が足りない気分満載だったので、結局全員分を聴取したのでそちらのメモもおまけ収録。おまけのが長い……あれ? それにしても長いな? こんな長くなる?(なる。

 芹沢あさひさんが283プロの爆弾扱いされてたのも今は昔。
「この娘はどんな娘なんだろう」との関係を図る為のリトマス試験紙的役割を担うのはもはやあさひであり、試薬という形でのメインはシーズの方でもあり書いてて伝わるのかそもそも比喩として正しいのかどうなんかわかんなくなってきたからこの話はこのへんでいいや。

■ vs緋田美琴

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「一緒におどるっす!」
「うん、いいよ」

 なんかねー……すごく、いいんですよ。この「一緒におどるっす!」「うん、いいよ」だけのシンプルなやりとりがねー……スゴくいいんですよ……。

 283プロ面々の美琴さんへの認識は「レッスン量がすごいひと」が第一印象として大きいものらしく、コミュニケーションをはかる際にそこを手掛かりにするコも多い。
 けれど、美琴さんにとってレッスンてのは理想のステージを実現する為の手段でしかないらしく「レッスン量すごいですね!」と褒められても「え……? 練習はみんなするでしょ……?」とか言って首を傾げるばかり。
 このへんが良く出てるのが、イルミネ三人とのやりとりですね。

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 これらに対する反応は「普通の練習だから参考にはならないと思うけど……?」「自分たちの練習はいいの?」等の淡泊な切り返し。
 やって当たり前のことなのだからどれだけやっても当たり前。
 それでどれだけ汗を掻こうとも、時に血を流そうとも、やるのが当たり前なことなので当たり前。量とか何の問題でもねえ。出来るまでやれば出来るので出来るまでやる。
 ちょっと怖い。
 私らオタクは、誰かの成果物だけでなく、その成果物の生まれる背景まで含めて楽しみたがる癖がある。野球選手がホームランを打つ姿だけでなく、そのホームランが放たれるまでに振られた素振りの数も一緒に楽しみたがる。
 それが悪いわけじゃないけどさ。
 けども、ホームランを打つ為に素振りをしてるひとに、ホームランを打ててないのに「素振りすごいですね!」と声を掛けても、確かに仕方がない。
 その構造の歪さは、急に野球なんて比喩を持ち出さなくともシャニマスのなかで既に指摘されてますわね。
「プロデューサーは、雛菜が苦労してるところをみたいの?」
 という市川雛菜の呟きである。

 その是非はおいといて。
 少なくとも、緋田美琴がみせたいのは、練習量でも芸歴でもなく、ダンスでありステージパフォーマンスなのだ。
 だからこそ、あさひの言った「一緒におどるっす!」は、美琴さんにとって素朴に嬉しい言葉だったんじゃなかろうか。
 芹沢あさひにとって緋田美琴という人物は、練習量がすごい人でもなく、芸歴が長いひとでもなく、「ダンスが上手なひと」なのである。
 美琴さんに必要な視点は、案外そういうものなのかも。
 どうあれその言葉を受けた美琴さんの「うん、いいよ」の、とても優しげな声音が印象的。

 その一言を言えたのは、あさひが背景を察したり言葉の裏を読んだりするのが苦手だからというのもあるだろうけど、練習に練習以上の価値を見出さず、ステージでの成果にこそ重きを置いているあたりに少し似通うところがあるからかも知れませんな。
 いずれにせよ、美琴さんにとって、あさひの素朴さが居心地の良さに繋がるといいですなーなんぞと思ってしまいます。

 あと、今回の件には直接関係ないだろうけど。あさひにとってダンスに誘うってのは結構大事なことっぽくてさ……感謝祭シナリオのエンディングでPを誘ってね……Pとの立場の違いを再確認するような、少し切ないやりとりでもあったけど。それを参照するなら、あさひにとって美琴さんは踊れる側の人間であり、アイドルであり、同類なのだとも察せられる。やはり緋田美琴という個性とお近づきになるには最適解に近いんじゃなかろうかと感じる。
 23人のなかで最適解を選べたのが、そのひとの持っている背景やなんやかやを全部無視できる芹沢あさひだったというのがなんとも物語である。


「ライブ映像みたよ
 ……すごいね」
「そうなんすか?
 よかったすね!」

 ……雛菜じゃあるまいし。
 というのはこのコミュをみて最初に出てきた私の呟きですが。あの娘の暖簾に腕押しっぷりは魅力でもあるし少し怖い部分よね。てのはともかく。

 こっちはちょっと解釈の難しいコミュ。
「ライブ映像みたよ」のライブ映像が自分のそれだとわからなかったんで「良かったすねー」て反応になったのか。
 それとも「(楽しめたのなら)よかったすね!」なのか。
 まあ、少なくとも、あさひは「ライブみたよ」に「みてくれてありがとう!」と答えるタマじゃないのは確かだ。

 パフォーマンスの完成度を目的としている。その点で二人は似通っていると書いたばかりだけど、それでも決定的に異なっている部分がある。
 美琴さんは「みんなに感動を与えたい」という意思でライブに臨んでいるけれど、あさひは自分自身の好奇心を満たす為にステージに登る。だから度々、観客のことを度外視している節がある。
 それは【頬を照らすのは】のコミュにて、ホタルの灯りをみた冬優子と愛依とがペンライトを連想していたのに、あさひは二人が何を連想していたのかわからなかったあたりで明示されているし、ファンの姿がみえていないというのは、LandingPoint のシナリオで遂に(やっと)意識するに至った、WING編からずっと続くあさひ自身の大事なテーマである。
 自身の好奇心を誰よりも深く探求するが故に、孤立してしまう。あさひ自身がそれと気付かない孤立と孤独を癒やせるのは、共に歩むプロデューサーであり、切磋琢磨する仲間であり、彼女の探求する姿を肯定し声援を送る大勢のファンである。
 と、個人的には思ってる。
 だからー。まとめるとー。
「一緒に踊るっす!」という言葉で見付かった互いの共通点だけど、そのダンスで果たしたい目的と、みえているものは何処か決定的に異なっているという……なんかこう、少し切ない感じのまとめになりますわね……。
 それをただの一言の交わし合いで表現するシャニマスさんスゲーなー。
 あさひに足りない部分があるのか、美琴さんに欠けている部分があるのかはまだわからない事としておきましょう。

 と。他に書くところがないのでここに書いて置くけども。
 正確にいうならば、美琴さんにとってレッスンが当たり前と言うよりも、当たり前のことを維持する為に払う努力が当たり前みたいな話ですよね。
 常に背水の陣。常在戦陣。


■ vs七草にちか

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「なんかおすすめの曲、
 教えてほしいっす!」
「……
 ベートーベンとか
 いいんじゃないですかね」

 さてはにちかさん、「あ。こいつ話通じないやつだ」て見切るの早いですね?
 天才はクラシックでも聴いてろよみたいな態度だと感じたんですが正解でしょうか。だったらモーツァルトとかのがいいんじゃないですかねアマデウス。

 声音を伺う限りでは、それほど嫌味なニュアンスは籠もってない……? とも感じるけれど、ひとまず、適当にあしらいたいだけでベートーベンて名前を出したのだと仮定して話を進めますと。
 メタ的な視点を交えれば。
 新人芸人の熱意を鼻で笑った(笑いたがった)姿を描かれたことのあるにちかさんだから、そこそこしっかり造詣のありそげな音楽関連にもそういう視点を持ち込んでるんじゃあるめえか。
「このバンド、メジャーどころ狙いすぎて最近の新譜いまいち面白くないんだよなー」とか「あー。ロキノン系ですねー(笑」とか「いかにも(任意のバンド名)目指してますーって感じですけど、(任意のバンド名)は(任意のバンド名)だけで十分って思いませんー?」みたいなヤーツ。

 いくらでも想像できるな。にちかちゃんのこういうイヤな部分(大好き。

 でもシャニマス世界でそういう名前は出せないし使えないので、適当にあしらいたい態度を出すのに適当だったのが、すげえテキトーに名前出したなってのが読んでるこちら側にも伝わる感じの「ベートーベンとかいいんじゃないですかね」だったんだろうなーとかなんとか。

 まあわかんないっスけどねほんとのところは。
 何せ急に「スフィンクスみたいにして寝るといい」とか言い出す娘だし、急にベートーベンを持ち出しても不思議ではない。


 あさひに話を戻せば、「新しく入ってきたひとはCDショップでバイトをしているらしい」「じゃあ曲とかに詳しいに違いない」て思考経路でもっての質問だと察せらるる。芹沢あさひさんが他者及びその内面に興味を持つのは割と珍しいことなのだからもう少し積極的に関わってあげて欲しかった。
 でも、なんだろな……案外、にちかちゃんにとって、アイドル志望がCDショップという売る側で働いてるって事実そのものが少しコンプレックスだったりするんかな……いやそこまで持って回って気を遣うのはあさひでなくとも難しいと思うよ……。
 あと、あさひに対しては「ちょっと今そういう気分じゃないんで話しかけないで貰えますか」くらいハッキリ言わないと「ベートーベンのなんて曲っすか?」あたりから始まって興味の的になるから逆効果だと思うよ……。


「はぁー…………」
「……?
 暗いっすね!」

 ズバりといきました。
 みんな思ってるけど敢えて口にしないことをバッサリいくのに定評のあるあさひさんを久々に見た気がします。
 たぶん、あさひ的には「暗い人がいる!」て発見を口にしただけで、それを咎めたり励ましたりする気はないんだろうなー。思えば、283プロは前向きにキラキラしてるひとが多勢派だし、少し沈んでも周囲に気を遣って気付かれないように凹む人員ばっかだから「暗いひとがいる!」てのもちょっとした発見なんだろうなー……。

 シャニマスに限らず、アイドルマスターてのはアイドルを通じた自己実現の物語である。だから、283プロの面々も皆全員、問題にぶつかることはあれどみな明るい。前向きにアイドルをしている。
 端的に言えば日々充実している。
 あさひの視点からしてもそうなのだろう。面白いことの探求者であるあさひにとって、みな楽しげにしている(もしくは、問題に直面してもそれを解決すべく向き合っている人々だらけの)事務所は居心地のいいところであるに違いない。
 だからこその「暗いひとがいる!」というのは発見なのだと思う。
 その、浮いてる感じこそが今の七草にちかの現状なのだ。それはにちか当人の視座の問題だと思うのだけれど……今にちかが送っている日々は、充実とはほど遠い、むしろ己の足りないところとばかり向き合い続ける日々だからだ。
 うーん書いててツラい。
 楽しいことの求道者であるあさひだからこそ、にちかが今置かれている状況を見抜いた、みたいな話になるだろうか。

 にちかさん、全体的に「余裕がない」てのが窺えるコミュでしたわね。
 まあ、諸々の立場を考えると致し方ないところではある。もうちょっと時間軸の進んで、にちかが283プロにしっかり馴染み、自分の居場所を入手したうえで改めてコミュを追加して貰いたい感じだけど……物語的には、彼女が余裕を手に入れたらまた話がずいぶん別の段階に及びそうで……相当遠いことになりそうだよなあ……。
 そんで、あさひさんはそうした余裕のないひととは相当、水と油であると。

■ おまけ・七草にちかと全員分。

・ vs櫻木真乃

「にちかちゃん……っ
 えっと、好きなものとか……
 教えてくれたらうれしいな……っ」
「……!
 は、はい……」
「ふあ――――
 ――――っ
 あの、あくびじゃないので……!」
「ほわ……っ
 う、うん……っ」

 真乃の持ってるほんわか空間に侵食されかけてのあくびでしょうか。
 常時テンパり気味で気の張ってるにちかにあくびをさせるとか、真乃のほんわか空間すげえな(そんな設定はどこにもない。
 真乃ちゃんなら欠伸してても(……あ。リラックスしてくれてる……のかな?)て微笑ましく見守ってくれるよ。


・ vs風野灯織

「バイトをして、良かったことってありますか……?」
「あー
 まぁ、稼げるってことですかねー」
「あの、ペン貸してもらえません?」
「いいですよ
 ――あ、拭いたほうがいいとかありますか?」

 相変わらず、プロフィール的な情報から接近を試みる灯織である。
「まぁ、稼げるってことですかねー」は言下に「良かったこととか別にない」と仕込んでそうで「稼ぐ以外の目的でバイトすることなんてないでしょ。稼ぐ必要のないひとにはわかんないだろうけど」て皮肉も含まれてそう……とまで思うと勘ぐり過ぎかなあ。

「拭いた方がいいとかありますか?」は灯織らしい過剰な気の使い方だけど、にちかはPに対し「ペン貸したらベタベタしそう」と(冗談で)言い放った前科があるので的外れというほどではないあたりなんとも。
 Pから灯織に「~みたいなことをにちかから言われた」なんて言ったりはしないだろうし。自分の言った冗談に間接的に逆襲くらってる形なのがなかなかの芸術点。


・ vs八宮めぐる

「にちかとあさひとわたしでユニット組めそう!
 漢字ひらがなの名前組!」
「……!
 あ、あー……」
「数1ってどこまでいってます?」
「あっ、テスト勉強!?
 ねぇねぇ! もし良かったら、一緒にやるのってどうかな?」

 にちかの(うわっ……距離、近っ……)て態度は仕方がない。みんな始めはそう思うんや。
 漢字ひらがなの名前組! は、あさひが最初に言いだしたこと(あさひvsめぐるのホーム画面会話)で、それを覚えてくれているあたりめぐるちゃんほんまエエ子やなと感じ入る次第。なんだけど。
 ……深読みの部類だと思うけど、「……!」って一度なってからの、「あ、あー……」という台詞を言葉に直せば(ユニットに誘ってくれた!=実力をかってくれた!)と思ったのに(……なんだ。そっかただの名前繋がりか)てガッカリという心の動きにも思えて……ちょっとツラい……深読みの部類だと思うけどォ……。

・ vs月岡恋鐘

「うちも色んなアルバイトしたばい
 どの仕事も、お客さんと色々話せて
 ばり楽しかった~!」
「……!?
 そうなんですかー……!」
「……っ
 すみません、通りたいんですけど……」
「ふぇ?
 あ~~~
 通ってよかよ~~~!」

 にちかちゃん。月岡さんの「お客さんと色々話せるバイト」について変な誤解してないかな。
 してないと思うけど。
「すみません、通りたいんですけど……」に関してはまあ月岡さんは幅があるからな。うん。幅というか奥行きというか。

・ vs田中摩美々

「……あんまり似てないかもー」
「……!?
 お、お疲れさまですー……」
「綿棒ぎっしりパッケージに
 詰まってるの見るの、
 なんか落ち着きません?」
「えー? ……じゃー
 ぎっしりのやつ見つけたら
 まばらにしとくねー」

 意外と、283プロのなかでも対人距離の取り方がうまい印象のある摩美々さん。
 にちかの方から仲良くなりたいという姿勢を取るまではずっとこんなだろうなあ。
「似てるかも?」に、咄嗟に姉とのことだとの連想が働いてないっぽいのは、はづきさんが283プロにとってそのくらい大きな存在であるとまだ気付くに至ってないからでしょうか。
 綿棒ぎっしりの「落ち着きません?」に関してはわかるような気もする。けど、それに対し「まばらにしとくねー」は、相手が会話に乗ってくるか反ってくるかを試してる感じ? 摩美々さんにとってイタズラとはおおむねコミュニケーションのきっかけなのであるな。


・ vs白瀬咲耶

「にちかのような妹がいたら
 私はきっと、親バカならぬ姉バカに
 なってしまうのだろうな」
「うわー。それじゃ
 替わってもらっていいですよー」
「――――――わっ
 すみません……
 ぶつかってしまって」
「かまわないよ
 けれど、怪我をしないように
 気をつけてね」

 さすがジェントル。
「替わってもらっていいですよー」の、身内を下げて会話を繋げるリアリティね……。
 はづきさんの有能っぷりが身内にはあまり伝わってないのもなんだかリアリティ。
 仕事人間は家庭にはあんま居着けないものだしね……。

・ vs三峰結華

「あっ、にっちゃん!
 プロデューサーから
 伝言もらってるんだけど――」
「あっ、どうもです!」
「お忙しいところすみません!
 プロデューサーさんって、
 どこにいるかご存じです!?」
「ごめん知らない――
 急ぎ? 一緒に探そうか」

 にっちゃーん! の発声は必聴。
「にっちゃん?」てならないのは、余裕のなさから意識外に行っちゃったのかしら。
 アイドル談義で盛り上がれそうな二人組なのに、お互いの共通点であるPのことでしか会話が発声しない寂しさがありますが、まあこの寂しさも今だからこそ味わえるうちよ今だからこそよと思っておきましょう。


・ vs幽谷霧子

「あ……」
「えっ!?」
「…………わっ」
「はい……」

 相変わらず霧子さんは霧子さんであることよなというコミュをする。
「あ……」の出所がわからなければ「わっ」の出所もわかんないし、「はい」はもっとわかんない。

・ vs小宮果穂

「にちかさんだー! お疲れ様ですっ
 今からレッスンですか!? がんばっ
 てくださいっ!!」
「あっ……!
 はい!
 ありがとう……ございます!」
「80、57、83……」
「な、なんですか……?」

 果穂ちゃは自分の発育の良さ(というよりは、周囲と少し違っていること?)にコンプレックスもってそげだから、マジでアカンやつ。
 まあでも、才能って意味じゃどうしても意識はしてしまうよなあ。
「ありがとう……ございます!」の敬語かどうか迷うあたりも、余裕のなさが出てるかな。


・ vs園田智代子

「踏むよカルタゴ象軍団ー!」
「えっ!?
 ぞ、象軍団?」
「駅前のカフェの新作スイーツ、
 もう試した……!?」
「……えっ
 いくらくらいのヤツです!?」

 カルタゴと言えば象である(AoE知識。
 世界史の勉強かな。声にだして覚えるのはいいけども、気を張ってる割に迂闊なところがあるよねにちかさん。まあ張ってるからこそ突けば破れるんだろうけど。
 あんま弱みを見せたがらない部分もあると思うけど、それにしても「いくらくらいのヤツです!?」て値段に行っちゃうのもまた迂闊ではある。貧乏とか金持ちとかの経済事情は二次元で便利に使われる属性じゃあるけども。
 それとも割といいもの食べてそうにみえてるんだろうか智代子さん。


・ vs西城樹里

「お腹空かねーか?
 コンビニで唐揚げ食べようぜ」
「……えっ
 お腹空いたって顔
 してました……!?」
「はぁーーーーー
 やばいやばいやばい……!」
「肩、力入ってんぞー
 なんかあったのか?」

 食べ物からコミュニケーションに入る体育会系。
 樹里ちゃんはあさひにもジュース奢ったりしてるしちょいちょい部活の先輩ムーブするよね。

 お腹空いたって顔は結構してたんじゃあるまいか。
 美琴さんは単に食べることに興味が薄いのもあって常に体型維持に気を遣ってる感じだけど、にちかさんは苦労そのものに酔う雰囲気(辛い思いをしなければ身につかない的な)もありそうなのがなかなか。


・ vs杜野凛世

「醤油……でしょうか……
 口元に……」
「……えっ、はっ!?
 付いてます!?」
「あの、B型です?」
「は、はい……!」

 おもてなしの心が強く人あしらいも抜群にお上手な凛世を怯ませるという偉業が成し遂げられている。


・ vs有栖川夏葉

「にちかははづきのお弁当
 作ったりしているんですって?」
「あっ、はい!
 ……えっ、見ちゃいました!?」
「うわやばっ、絶対遅刻……
 ば、バスで行った方が早い……!?
 タクシー……!?」
「――――送るわ
 来て頂戴」

 お弁当の中身みられるのが恥ずかしいてのも生活感のある反応。
 SNSとかキャラ弁とか映えとかであらゆるものが比較されがちな世の中ですからなあ(知った口。
 夏葉さんのこっちゃから称賛したかったり、栄養価の話とかしたくての切り出しなんだろうけど、全般的に、マイナスに受け取ってしまうにちかさんが悲しい。

「絶対遅刻……」あたりは、テンパったら口に出してしまう性格てのの表現でしょうか。
 どこにいくのに遅刻なのかはわかんないけど、やっぱにちかさん、気を張ってる割に迂闊なのが目立つんだよなあ……あらゆる失敗は余裕のなさに起因するから、そのへんかな……。
 そんで多分、送られて助かったーってなるよりかはこの調子だとスペックの差を見せつけられて凹みそうよね……仕方ないんやにちか。有栖川さんちのお嬢様に敵うスペック持ちなんぞそうそうはおらん……。


・ vs大崎甘奈

「にちかちゃん!
 はづきさんって
 どんなお姉さんなの~!?」
「あー……
 どんな姉って感じします?」
「あっ、そのリップかぶっ――――
 ――――お揃いですよ、私ー」
「えへへ、にちかちゃんも
 こういうの好きなんだ~!
 限定色いいよね~☆」

 コミュ観る前から、たぶんいちばん相性悪い組みあわせだろうなあと思ってたけど。
 リップの被りを気にし、咄嗟にお揃いですよーと言い換えた姿が。今のところは、今のところは、今のところは、と強調したくなるけども、にちかにとって283プロの面々は競争相手であってそれ以上の存在じゃないんだなあと実感させられてなんとも悲しい。
 まあ入って間もないし、当然っちゃ当然だけどね……。
 にちかは、少なくとも、事務所にはもうそのリップは付けてこないんだろうね……でももったいないからっつって学校とかじゃ付けるんだろうけど……個人的には、にちか編はこのコミュがMVPです。

 甘奈的には、姉の話は出来れば出来るほど嬉しい話題だろうからこその話題振りなんだろーなー。姉のことを自慢に思ってない妹とか想像できへんのちゃうか。


・ vs大崎甜花

「い、いっつも、お世話になって
 ます……! にへへ……
 あ……はづきさん、に……!」
「……!
 ど、どうもです……
 お姉ちゃんに言ってもらえれば……」
「――――――わっ
 あ、すみません……
 誰か寝てると思わなくて……!」
「あ……えと――
 な、七草さんも……
 お昼寝……?」

 自分よりも、先に入ってる姉のが存在感でかいんだなーと実感するのは結構ツラいんじゃなかろうかと想像してマジで胃が痛くなってます。そこまでって雰囲気じゃないけど、そのうちその事実に直面するんじゃないかしら。
 それはそれとして「お姉ちゃんに言って貰えれば……」は、それはそう。て感じ。
 甜花ちゃんと一緒にお昼寝してほしいなあ……切実に……妹同士、こう、共通の話題があったりは……どうかなあ。シャニマスって割と兄弟居る設定のコ多いしなあ……。


・ vs桑山千雪

「この間は夜中に突然……
 ごめんなさい……!」
「あ、あはは……
 大丈夫でした? 帰り道……」
「ぽっよ~ん……
 ……………………えっ
 き、聞いてました……!?」
「あの、うん……
 ……ううん!」

 夜中に突然。
 呑みかな。
 タクシーで先にはづきさんを送ってで少し粗相したかな。そんなかな。

 ぽっよ~んに関しては私も聞かなかったことにします。
 ものかなしげというか、ものうらやましげというかな声音がとても印象的ですが何も聞きませんでした。

・ vs芹沢あさひ

「なんかおすすめの曲、
 教えてほしいっす!」
「……
 ベートーベンとか
 いいんじゃないですかね」
「はぁー…………」
「……?
 暗いっすね!」

 ほんとにな!


・ vs黛冬優子

「ショートもロングも似合っちゃう
 にちかちゃん、素敵だなぁ」
「……あははっ
 お世辞上手いなー……!」
「……差し入れみたいですね、これ
 先輩から先にどうぞです!」
「わ、そんな……!
 よかったら一緒にどうかな?
 にちかちゃん」

 内面に興味を持たれるのではなく、事務員の妹という情報に話を振られるのではなく、この事務所に居る目的である、アイドルとしての姿を褒められたのに、謙遜というよりももはや卑屈な態度をみせてしまう。
 必死に食らいついているから取り繕う余裕がなく、褒められてみても、恵まれている(ように見える)連中からの言葉だからかえって差を意識してしまう。
 改めて思い知らされるのは、にちかは事務所に居るだけでストレスを感じているということだ。
 細かいところ細かいところで「にちかはアイドルになるのが正解なのか?」て突き付けてくるのかんべんして。
 誰かこの娘を救ってあげてくれ。

 或いは、ロング似合ってた、というステージの姿だけを褒めたらもっと素直に受けとめてたのかなあ。どうだろな。

 それはそれとして「よかったら一緒にどうかな?」の言葉の裏に、あ、コイツになら勝てるわ的競争心が透けてみえた気がしたのは気のせいでしょうか冬優子さん。

・ vs和泉愛依

「にちかちゃーん
 お菓子食べる~?」
「あ、愛依さんだー」
「あー……甘い匂い…………」
「あれ、にちかちゃん
 飲む飲む~!?
 ココア~!」

 愛依ちゃーーーーーーーーーーーーーーん。
 にちかを救ってあげてーーーーーー癒やしてあげてーーーーーーー甘やかしてあげてまーじーでーーーーーー。

 七草にちかさんも本来なら、年上目上との付き合い方も上手な方だと思うし、図々しいところもあるんで初見の場にも順応して自分なりの居場所を見つけやすいタチだと思うんよね……本来ならもっと、あ、このひとは甘えていい人だっつって察知するのも早いと思うねん……。
 ほんと、愛依ちゃんを接点にしてさ……可能な限り早急に、馴染んでくれ……。
 愛依ちゃんはほんま月明かりのようなおひとやでえ……。
 それはそれで「甘いにおい~……」はだいぶ、ダイエット中にキツいみたいなニュアンスっぽいけどそれはそれとして……。

・ vs浅倉透

「カニの仲間だっけ
 サソリって」
「えっ?
 ……えっ
 それ知ってどうするんですか!?」
「……あっ、これ
 浅倉さんのドリンクです!?
 間違って口つけ――えっと」
「え? あー……
 大丈夫大丈夫
 磨いたから、歯」

 サソリは甲殻類じゃなかったと思う。どっちかというと蜘蛛の仲間じゃなかったっけ。
「それ知ってどうするんですか!?」というたいへん常識的な反応はまだ事務所に毒されてないことの証左にも思えますね。毒されてって表現であってる?

 ドリンク間接キス。
 ここで面白いのは、浅倉さんの「大丈夫」が、「私は気にしないから」じゃなくて、相手を気遣っての「心配しないでいいよ」て意味での大丈夫であるところですかね。
 まあそれも、「磨いたから、歯」て発言からわかるとおり(あー、そっか。普通は嫌がるんだっけ)て感じの窺えるややズレ感が浅倉透ですが。清潔不潔の問題ではあんまないと思うよ。

「……浅倉。それ、私の」
「え? あー……じゃあ、交換」
「……一口しか残ってないんだけど」

 て樋口とのコミュがあった気がするけどおそらく幻覚。


・ vs樋口円香

「……
 なんか、
 どこかで見た顔……」
「……っ
 よくある平凡な顔で申し訳ないですー」
「バカーーーーー!!!!!
 ――――――っ!?
 す、すみません壁に言ってて――――」
「……
 どうぞご自由に」

 樋口さんにしては珍しく対人の初手でミスってる。
「どこかで見た顔」に、猫かな? て思ったんだけどもこれは私個人の(人様んちのお猫さんって、先ず「こいつって知ってる人間だっけ知らない人間だっけ……?」て確認するような仕草から入るよね)という体験があるからだと思います。関係ない話です。

 もちろん、どこかで見たとははづきさんのことを指しているのだけど、それが咄嗟に浮かばず「平凡な顔で申し訳ないですー」て反応をしてしまうのも樋口並みに顔のいい顔から言われたらばやむないことなんじゃあるまいか(個人の感想です。

 バカーーーーーーに対する反応もだいぶ冷ややかに感じる。
 激情そのものを疎んじる樋口さんなので、それをコントロールできない、八つ当たりをするような人間は即軽蔑してそうな気がする。それを同族嫌悪といいます。言い過ぎかな。或いは(そういうこともある)くらいに、少し思うところありきで流してくれているようにも解釈できるか。
 急に叫ぶ類いの人間からは冷ややかに距離を取るのも猫っぽい気がする(個人の感想です。

・ vs福丸小糸

「ぴぇ……
 あ……な、なんでもないです……」
「……!
 ど、どうもです……」
「福丸さんって……コンタクトです?」
「……!?
 …………ぴぇ」

 は?????? え?????
 コンタクトなの小糸ちゃん??????

 と狼狽えるのは眼鏡好き特有のアレなので。でも、え、何、急に。
 小糸ちゃんの小動物的おどおどした仕草を、近眼状態で「めがねめがね……」つって前が見えない由来のものだと解釈したとか……?
 お勉強はずいぶんしてるらしいから近眼でも不自然じゃないとして、本当にコンタクトしてたのだとしても、何を持ってそれと気付けたんかな。
 カラコンって話でもあるめえ。

 それはそれとしても「コンタクトです?」て聞かれただけでその反応の小糸ちゃんほんと心臓保つ? 大丈夫?

「あ……な、なんでもないです……」は、(見慣れないひとがいる!)みたいな反応かな。
 これにはまあ「どうもです」くらいしか反応できないと思うわ。仕方ないわ。


・ vs市川雛菜

「バイトって
 どのくらい稼げるんですか~?」
「えっと……
 ガッツリ稼ぎたい感じです?」
「あっ、それ……! チーク!
 超限定のやつじゃないです!?
 すごい……」
「あは~
 そうかも~?」

 この「そうかも~?」は、「限定だったかも~?」でなくて「すごいかも~?」の方かな?
「どのくらい稼げるんですか~?」に「ガッツリ稼ぎたい感じです?」て実用方面の回答するのは、今まで見てきたなかでは割と距離が近い感じではあるけども、雛菜さんは明らかに稼ぎたくて聞いたわけじゃなさそうなのでやっぱすれ違い気味。

 ノクチルの面々もまだ駆け出し的雰囲気があるので、他メンツよりかは多少近い距離で話せているような雰囲気はあるかなあ。
 近いだけで親密な関係になれるかどうかはまた別の話なんだけど。


・ vs緋田美琴

「ね、時間あるなら、
 一緒にやろっか
 …………練習」
「う、うわうわ…………!
 はい!
 30秒で着替えます!」


 シナリオを通読しておくと、美琴さんの方から練習に誘うという事実だけでちょっと落涙ものですね。
 少し大袈裟にいえば、同じ目標を持った同士なのだと認識してくれてるとでも言うか。
 それが……あんな……なあ……? とシーズシナリオに関して言及する場ではないので適当に流すとしまして。

 実際んところ、美琴さんは他のメンツからレッスンを誘われても「……なんで?」という形で消極的な態度でいた。けれど、にちかには自分から誘いかけるのだ。
 この、な。この。
 283プロのなかでどれだけ孤立しても、馴染めなくても、この一言がある限りにちかはアイドルであろうとし続けるのだろう。


■ おまけ・緋田美琴と全員分。

・ vs櫻木真乃

「もし、ご迷惑じゃなかったら……っ
 今度、美琴さんのレッスンを、見学さ
 せてもらえないでしょうか……?」
「別に構わないけど……
 普通に練習しているだけだから
 特に参考にはならないんじゃないかな」
「もしかして、何か
 探し物をしているの?」
「い、いえ……っ
 大丈夫です
 ……そのっ、ありがとうございます」

 美琴さんはレッスン量がスゴいしパフォーマンスもスゴい。
 だから、お近づきになるためにも勉強させて貰うにも一緒にレッスンして貰うのがいいだろう。
 と。3人それぞれ別々に同じ結論に至ったのにも関わらず、3人それぞれアプローチの距離が違ってるのが面白い。
 まだ馴染みのない人への踏み込める深さがそれぞれ表れてて面白い。たいへん面白い。

 真乃の場合は、邪魔にならないように見学させて欲しいというアプローチ。人見知りと遠慮と譲歩を重ねつつもとにかく仲良くなりたいという気持ちでもって踏み出してる感じがいい。その一歩を人は“勇気”と呼ぶッ!

「探し物をしているの?」は、美琴さんとお話ししたくてまごまご(まのまの)してたら不思議に思われたーという展開なのか、窓辺でぼんやりひなたぼっこしてたら不思議に思われたのかのどっちだろ。
 いずれにせよ「心配してくれてありがとうございます」と欠かさず言えるあたりが真乃ちゃんですな。


・ vs風野灯織

「あの……!
 ええと……その、すみません、出
 直します……!」
「……?
 うん、わかった」
「少し前にドラマ、見たよ
 ……ちょっと怖いやつ」
「あ、ありがとうございます……!
 ――もしかして、全員の仕事をチェッ
 クされていたりしますか……?」

「すみません、出直します……!」
 が、個人的に今回みてきたコミュのなかでいちばん好き。面白過ぎるわよ灯織さん。
 あんま素行のよろしくない神様が気まぐれで「劣等感」に美しい姿を与えたのが風野灯織という人物である。
 そんな灯織さんにとってレッスンてのは特別な意味を持っている。不完全な己を見つめ直す行為であり、不安を一時的にも和らげる為の手段であり、愛すべき人々の隣に立つ資格を失わない為の代償である。
 レッスンというものの意味をやや過剰に捉えている向きがある。
 そんな努力の信奉者であるところの灯織にとって、練習と下積みとで出来上がっている緋田美琴という存在は女神かなんかにみえてるんじゃあるまいか。半分ほど誇張でなく。
 いやほんとそのくらい「すみません、出直します……!」て台詞から放たれる真面目っぷりがマジ面白い。定規で測ったが如くむちゃくちゃいい角度のお辞儀もしてそうな声音もまたいい。

「もしかして、全員の仕事をチェックされていたりしますか……?」も、コミュを見渡した後にマジで全員分チェックしてましたという結論が出るのだけど、灯織特有の自己評価の低さから(私だけに目を掛けてくれたってことは絶対にないよね……偶然? それとも……)て発想に至り、「――もしかして、全員の仕事を?」て正解に辿り着いてるのも面白い。

 面白いには面白いんだけど、これはこれで少し深刻な事実であって。
 灯織が気付いたのは、偶然みかけた印象的なアイドルがたまたま283プロの一員だった。のではなく、新たに入る事務所所属のアイドルの仕事だからという理由で観たに過ぎないという事実である。
 美琴さんにとってレッスンなんてのはやって当然な事でしかないのと同じくらい、新しく同僚となる面々の仕事をいちいち全員分下調べしておくくらいやっといて然るべきな当たり前のことであって……そこに特別な感情はあんまりないのだろう。おそらく。

 あくまで、今のところは、と思っておきたい。


・ vs八宮めぐる

「美琴さんこの後レッスン室?
 もしよかったら、わたしたちも混ざっ
 ていい!?」
「……自分たちの練習、
 しなくてもいいの?」
「この間、タクシーから外を見ていたら
 イルミネーションスターズの看板があ
 ったの」
「わ! 駅前のやつかな?
 見つけてもらえて嬉しいなー!」

 いや、偶然みてしっかり印象に残っとるやん。
 まあ、でも、こー……。
 美琴さんにとっては、しっかり光の当たる場所で仕事が出来ているアイドルの姿は皆等しく特別なんだろうな……。
 どれだかのシナリオで、Pと、本屋さんやCDショップで、勉強の為と、縁のある人の仕事だからっていう理由でやたら色々買い込んでたもんな……そう思えば、新しく入る事務所だから、と下調べをしてきたのではなく、普段からアイドル関連の発表物をもりもり接種してるなかで様々なアイドルのことを記憶に残してて、別段下調べもなんもなしに283プロの面々の仕事を全員分覚えてたってことなんかもしれない。
 ……そっちのが超人的だな。
 三峰でさえ敵うかどうか微妙なライン……。

 同僚の仕事は下調べしてて当然だからー、なのか。
 普段からやってて世のアイドルの仕事っぷりのほとんどを観ててしかも大体覚えてるのでー、なのか。
 どっちか結論づけるのは保留にしとこうかしら。別にどっちでもでもいいだろうし。どっちでもあっても矛盾はしないし。

 ともあれ。
 一緒にレッスンをしたがるイルミネの面々。
 彼女達にとってレッスンてのはアイドルであり続ける為のものであり、「大好きな二人とずっと一緒に居る為」の手段でもあるので大切にしてるのだなあというのが間接的に窺えてよろしおすな。

・ vs月岡恋鐘

「じっとしてもらってよか?
 ……うん、もう大丈夫
 何か髪の毛についとったとよ~」
「本当?
 全然気が付かなかった
 ……ありがとう」
「……声優で出演していたゲーム
 やったよ、少しだけだけど」
「んふふ~
 ありがとうね!
 どこまでやったと~?」

 やってたね。どこまでやったんだろ。
 美琴さん単純作業とか一切苦にしない雰囲気あるから味のしないガム的なソシャゲを延々延々遊んだりしそう。

 ちょっと触っただけだけどと断りながらの報告に、「アイドルにとっては仕事があることとそれをみたと報告されるのがいちばんのこと」て美琴さんの価値観が窺えるように思います。


・ vs田中摩美々

「……なんか、ダンスの技とか
 教えてもらっといた方がよさげー?」
「ダンスの技か……
 何かあるかな」
「……このブレスレット……
 あ、ううん、ごめんね
 ……忘れ物かと思って」
「あ……どうもー
 忘れてましたぁ」

 ブレスレットは、これらコミュのなかでもだいぶ特殊な反応だけど。
 なんだろ。斑鳩さんが愛用してたのと同じブランドのだったりしたんでしょうか。
 思えば方向性は似てる気がするカミサマと摩美々サマ。

「一緒にレッスンしましょう」だと「なんで?」になるけど、「何か技教えて」という具体的提案だと「何かあるかな」てなるあたりは覚えておきたい。

・ vs白瀬咲耶

「元々、モデルをしていたんだよね?
 雑誌で見たことあるな」
「ああ――
 フフ、光栄だな
 見ていてもらえたなんて」
「フフ
 どうしたら、アナタを上手く
 エスコートできるだろうか……」
「……?
 しなくて大丈夫だよ」

 咲耶さんの世界観が通じないケースはこれまでにも多々あるけども、それにしても咲耶さんは挫けないね……。張り詰めっぱなしの生活を送ってるようにみえる美琴さんを気遣ってる雰囲気もあるかな。
 具体的な時系列はわからんけども、咲耶さんがモデルをしてたのはだいぶ前になるんじゃないのか。そうだとするならそこまで遡ってきっちり覚えてるってことになる。超人説にプラス一票かしら。
「雑誌でみたことある。って言っとけばまあ間違いないだろう」みたいな不誠実な世辞は言わないだろうしなあ美琴さん。


・ vs三峰結華

「明日のレッスン、
 シーズのすぐ後うちなので
 鍵とかそのまま預かりますねー!」
「そうなの?
 それじゃあ、終わったら渡すね」
「……どこかで会ったことある?
 ずっと前に」
「えっ!?
 めちゃめちゃロマンチックじゃ
 ないですか……!」

 急に意味深なことをいう。
 三峰さんはドルオタなので、美琴さんの過去の現場にもきっちり参戦してて、なのでうっすら覚えてたみたいな話かしら。それにしては三峰側の反応が淡泊ね……? プロフの特技覧に「推しに覚えて貰うこと」とか書いてるくらいなのに。
 まあ仮に、三峰が現場にいたことを記憶していたのだとすれば、ずっと前の、現場にいた観客の顔さえ覚えてるってことで、むしろ美琴さんの超人っぷりが増すばかりな気もする。
 美琴さんはアイドルを続けることに強い意味を抱いていて、アイドルとしてやってくのにファンの存在は欠かせないのだから、ファンに対し情が深いのも納得できる範疇だけど……いやそれにしても。
 美琴さんはSHHisになる前は今とだいぶ違った芸風で、三峰がとっさに気付けなかったとか……? うーん?

 鍵とかそのまま預かりますねー! は、三峰らしいオーバーワークになりすぎないよう気を遣った例ともとれなくはないけども微妙なラインかなー。


・ vs幽谷霧子

「レッスン……
 いってらっしゃい……です……」
「え……うん
 行ってきます」
「この事務所では、花の水やりも
 アイドルの仕事なの?」
「……?
 ふふっ
 そうかも……」

「ふふっ、そうかも」て。なんかすごい深い意味に解釈してそげ。
 美琴さんのレッスン魔っぷりに対するアプローチも、他の面々と一風変わって「いってらっしゃい」と見守るあたりの独特さ。

 あと、花の水やりを趣味とかでなく「仕事」て解釈してる無味乾燥さも少し覚えておきたいか。


・ vs小宮果穂

「美琴さん!
 美琴さんのカッコよさのヒケツ、教え
 てください!」
「……なんだろう
 そういうふうに言ってくれる人が
 いるってこと、とかかな」
「……今日現場で貰ったんだけど
 私は食べないから、あげる
 クッキーだって」
「わぁっ! いいんですかっ!?
 ありがとうございますー!
 みんなで分けて食べますねっ」

 果穂ちゃを自然に子供扱いできるひとって割と珍しいのでは。
「そういうふうに言ってくれる人がいるってこと、とかかな」はなんとも深い言葉である。
 アイドルはファンの描く理想像を体現する存在でもあろうけど、美琴さんはそれに応え、かっこいいと思ってくれるひとがいるからかっこよくあろうとしているのである。
 みたいな話でいいのかな。
 果穂ちゃんはもうちょい素直に悪の女幹部的かっこよさを観ているような気もしますが。似合ってたよね死神。


・ vs園田智代子

「美琴さんは、
 差し入れにチョコとかもらうの、
 平気ですか……?」
「普段はあまり食べないから……
 貰ったら食べるかも……?」
「ガトーショコラみたい、おやつ
 良かったら私の分も食べない?
 お腹いっぱいなの」
「えっ、わっ、いいんですか……!
 ――そうだ! じゃあ今度、
 私のおすすめ、食べてみてくださいっ」

 チョコがダイエットなど体型維持の大敵であることを身に染みている智代子さんだからこその「差し入れにチョコとか平気ですか?」という気遣いである。
 美琴さんの場合はもちろん体型維持目的でもあろうけど、そもそも普段から「なんか甘い物食べたい」とか一切感じなさそうな雰囲気がある。深夜にシュークリーム分が不足したりとかしない感じの。
 三食カロリーメイトでも別に平気そうみたいな。

・ vs西城樹里

「美琴さんはたまの息抜きとかって
 何してますか?」
「え……なんだろう
 あまり考えたこと、ないや」
「レッスン時間、交代してくれって
 プロデューサーから連絡貰ったから
 ……はい、鍵」
「あ、はい……!
 わざわざすみません
 助かります……!」

 そっか……ないんだ……息抜きとか考えたこと……。
 樹里ちゃんがそう切り出すくらいには、普段から気を張って生きてるようにみえるってことなんかな。

 それはそれとして敬語がきっちりしてる樹里ちゃんみるとなんかほっとする。
 放クラほんましっかりしてる。盤石。
「レッスン時間交代してくれ」てのも、練習しすぎないように気を回してる感じかなあ。Pが、だけど。
 レッスン室の鍵を通じたコミュが散見されるけど、これは自然な形で「この緋田美琴というひとはいっつもレッスンしてない……?」と他メンバーに気付かせる為の演出でしょうか。

・ vs杜野凛世

「静かな……
 一日で……ございます……」
「うん
 そうだね」
「前に出てた……ネットドラマ
 すごく良かった」
「…………
 ありがとう……
 ございます……」

 お互い無言で間が持たないような落ち着かなさを感じるのではなく、「静かですね」「うん。そうだね」と確認し合って、無言を肯定する。いいですね。深閑とした和やかさがありますね。
 凛世さんの出てたネットドラマってGRAD編の「いたい……!」ののことでしょうか。
 表に出せないけども確かに存在する激情。如何にも美琴さんに一脈通じそうなテーマである。他の仕事みたよ報告は割と「みたよ」て感じで淡泊だけど、例外的に「すごく良かった」て言ってるあたりとか。

・ vs有栖川夏葉

「ねぇ、普段はどんな
 トレーニングをしているのか
 聞かせてくれないかしら?」
「トレーニングっていうか……
 ダンスの練習かな」
「トレーニングって……
 筋トレとかをしているってこと?」
「ええ、そうよ!
 それに食生活にも気をつけているわ!」

 健康美人こと夏葉さん。
 夏葉さんの場合は理想を体現するためにダンベル握ってる感じだけど、美琴さんの場合は、アイドルに不必要なものは何も要らないそれが筋肉だろうが健康だろうが同じ事であるみたいな感じの違いですかね。

 健全な魂は健全な肉体に宿るらしいけど、世の中には不健全な美というのも確かに存在するので悩ましいところ。


・ vs大崎甘奈

「はい! 美琴さん、お茶どうぞ~☆」
「……ありがとう
 そんなに気、使わなくていいのに」
「先月、3誌くらい載ってたよね
 ファッション誌」
「すごーい!
 全部知っててくれたの!?
 めっちゃうれしい☆」

 甘奈さんはお世話を焼くことが身に染みついているのでまだ面識の浅い相手にもこういうことを自然にするのだろうけども、JKからお茶出しされたら確かに面食らうかも知れない。
 素人からするとファッション誌3冊(以上)通読してる時点でちょっとスゴいけども、プロからするとそんなモンかな。私も往時はゲーム雑誌3冊くらいは平気で読んでたしなあ。そもそも今はゲーム雑誌自体がね……。

 やっぱこのへんの「先月、3誌くらい載ってたよね」てさらりというあたりで察するに、事前に調べてきたというよりもアイドル関連の情報を手広く入れてるなかでそれを相当な精度で記憶してる説のが強そげ?


・ vs大崎甜花

「……あ、緋田さんの圧――
 しゅ、すごい……です……!」
「……あ、ここ邪魔だった?
 ごめんなさい、すぐに退くね」
「この間出てたバラエティ
 面白かったな」
「……え、え……?
 甜花のやつ……?
 見てくれた……?」

「圧」は割とオタク用語なので一般の人にはあんま通じないと思うよ甜花ちゃん。
 12時間くらいは平気でレッスンするような人間がバラエティまでチェックしてるのほんとどういう時間を生きてるんだろうという凄味がある。


・ vs桑山千雪

「北海道出身なんですね
 美味しいもの
 いっぱいあっていいなぁ」
「そうかな?
 でも、ほとんど帰っていないから」
「移動中のタクシーとかで
 よく聴くよ、ラジオ」
「ふふっ
 移動のお供にしてもらっちゃった」

 食い物にあまり興味ないアピール(アピールではない。
 仕事内容に関する報告に殆どのメンツが「わ、嬉しい!」て嬉し驚きしてるだけに留まってるなかで、少し余裕のある受け答えに千雪さんの社交性と案外褒められ馴れてる感じなのが窺えますな。

・ vs芹沢あさひ

「一緒におどるっす!」
「うん、いいよ」
「ライブ映像みたよ
 ……すごいね」
「そうなんすか?
 よかったすね!」

「すごかった」ではなく「すごいね」というあたりに読み取れるものがありそう。
 観たライブがすごかったのではなく、芹沢あさひがすごいと言っているような。
 ライブ、すごかった。ではなく、あんなライブが出来るなんて、すごいね。みたいな。


・ vs黛冬優子

「美琴さんって、私服も衣装も
 おしゃれにきまってますよね……!
 うらやましいなぁ……」
「そうかな?
 じゃあ、スタイリストさんがすごいの
 かも」
「MC回すの、上手だね
 ……ライブの映像、見ていて思ったの」
「わぁっ、本当ですか?
 ありがとうございます……!
 とっても嬉しいです♡」

 相変わらずおだてるところから入る冬優子さん。
(私生活にまでスタイリストいれてんの……?)て形で要らん逆襲を受けてそう。
 MC回すの上手、て部分は素直に受け取ってそう。ステージ上の「ふゆ」は黛さんにとって作品に他ならないからで、その出来映えを褒められたわけから。
 でも、MCてのはライブの一部分でしかないと言えばない。あさひはライブそのものを褒められてましたよと告げ口するのはやめておこう。


・ vs和泉愛依

「美琴さんのかっこよさってさ~
 なんていうか……
 ちょーかっこいい!」
「……?
 よくわかんないけど、ありがとう」
「普段とステージだと
 結構違うんだね」
「アハハ~……
 やっぱそう思うよね~」

 愛依ちゃんの「ちょーかっこいい!」は、美琴さんの、自然体な立ち振る舞いで普段からかっこいいところを褒めたいんだと思うんよね。後の「ステージと結構違うんだね」に「やっぱそう思うよね……」て返答してるあたりから察するに。
 でも、美琴さんの生き様のかっこよさは……研ぎ澄まされたかっこよさってのは、多くものを捨てた末のかっこよさでもあるから……ステージ上の自分を「このコ」と呼んで慈しむ愛依ちゃんとは、パと感じる印象よりもずっと遠く離れたところにあるかっこよさであるようにも感じるし……普段からストレイライトの二人のことが大切すぎる愛依ちゃんが目指すには過酷すぎるかっこよさなんじゃないかな……なんかストレイのイベントストーリーがフラッシュバックしてきてちょっと涙腺にきてます……。

・ vs浅倉透

「すみません
 何か食べるもの、持ってないですか」
「ごめんね
 水ならあるけど」
「知り合いのディレクターが
 今、すごく注目してるって言ってた」
「え…………」

 透ちゃん!!!!!!!!
 むしろ態度がきちんと目上のひとに対するものになってるあたりを褒めてあげるべきなんかなあ!!!??????

 というのはなんかまあもう仕方ないねしょうがないとして。
 ディレクターが注目してるらしいよと言われての「え…………」が。とてもきにかかる。
 普段なら「あー。そうなんだ」くらいだと思うんだけど、あからさまに戸惑ってないです?

「注目されてる」てのに戸惑う反応をみせるてことは……透ちゃんは注目はされたくなくて……消極的に積極的に、売れたがっていないってこと?
 これまでのシナリオで、透ちゃんは思ってたよりもきちんと幼なじみ同士の繋がりを大事に思っている節がみられて。で……アイドルを続けていくならその関係がなくなることも実は意識していてみたいな……? うーん。この件に関してはいったん預かりで。



・ vs樋口円香

「レッスン室
 使ってました?
 鍵、まだ持ってます?」
「あ、うん
 今、渡そうか?」
「この間、レッスン室に
 忘れ物していたみたいだから
 プロデューサーに渡したよ」
「ありがとうございます
 お手数おかけしてすみません」

「プロデューサーに渡したよ」でみごとに円香さんの尻尾踏んづけてるんだけども、踏んだ側が気付くはずもない尻尾だし踏まれた方もよくこらえた。
 でもたぶん、聞いただけで忘れ物を取り返しにはいかなさそう。

 しばらく283プロでは、鍵ないなと思ったら取りあえず美琴さんに聞く流れが定番化するんだろうか。

・ vs福丸小糸

「あ……その……
 お、お疲れさまです……!」
「……?
 お疲れ様」
「……もしかして
 レッスン室の鍵、探してる?」
「ぴぇ…………!
 あ、えっと、はい……!」

 にちかよりも美琴のが圧が強いはずなのに。
 にちかよりも美琴さんに(比較的)びびってない。
 面白い。

 小糸ちゃんはノクチルのメンツよりも一歩か二歩ほど先にアイドルとしての自覚に芽生えてて、ちゃんとアイドルをやりたいと思ってるのでレッスンにも熱心である。
 で。美琴さんというとレッスン量がすごいひとという印象があり、その時点である程度尊敬できているからそれだけ人見知り分を和らげることが出来たんでしょうか。


・ vs市川雛菜

「いつも服ってどこで
 買ってるんですか~?」
「知り合いのスタイリストさんに
 選んでもらっているから
 ……どこだろう?」
「WEBのリアリティー番組
 今度見てみようかな
 ……出演していたでしょ?」
「あは~
 ほんとですか~?」

 相変わらずの暖簾っぷりにかえって安心してしまう雛菜さんである。
 ところで知り合いのスタイリストさんはいいとしても、どういう風に頼むんですかね。
「そろそろ衣替えしたいんだけど」「よし任せて」なのか、むしろ「美琴に合いそうな服見つけたから着て!! いつもどおり勝手に送っとくから!!」「あ、うん。いつもありがとう」なのか。個人的には後者。


・ vs七草にちか

「えっとですねー……!
 ハムカツと唐揚げだと、
 どっちが好きです!?」
「……うーん
 揚げ物か……
 選択肢はその2つだけなの?」

 美琴さんの苦笑いが愛おしい。
 にちかちゃんはな。こういう図々しさをな。親しみやすい可愛らしさをな。はやくな。283プロ内でもな。発揮できるとね。いいよね。ほんとに。

 まとめてみると。そりゃーまー業界ん中で長く居続けるにはただ執念や情熱だけでなく、このくらいの対人関係への丁寧さがないとやってけないよなあーみたいな発見もありますわね美琴さん。(P並に)ちゃんと付き合わないとポンコツさん具合が出てこない。
 とはいえ、283プロの面々の細かいお仕事を、予め下調べしていたのではなく、恐らくは自然と覚えていたっぽいてのには驚くけど……アイドルへの関心や情熱がその記憶力の下支えになってるんだろうなーと思いつつ。もしかしたら業界を生き抜く為に身につけた、「一度みた人の顔はずっと覚えてる」みたいなスキル持ちなのかも知んない。
 まあそれよりかは、やっぱ情熱ゆえ。て解釈にしておきたい気もします云々。
 SHHisのこれからのご活躍を期待しております。


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