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「私はあえてオオカミ少年になりたい」環境価値の今後の価格上昇について考えてみた。

オオカミ少年

皆さんは、オオカミ少年をご存知だろうか?
村の見張りをしていた少年が「オオカミがきたぞー」と、言い続けたが、結局オオカミが来なかった。そして、いざ本当にオオカミが来た時には、誰からも信じてもらえず、村の人たちがオオカミに襲われてしまった話だ。

この話は、一般的にこう解釈される。
「普段から嘘をついていると、大事な場面で信用してもらえない」

でも、本当にそうなのか?
少年は、嘘をついていたのだろうか。もしかしたら、過去にも本当にオオカミの姿を遠くに見たため、「オオカミがきたぞ」と言っていたのかもしれない。

第一、オオカミが来てそんなに困るのであれば、村の大人のリスクヘッジも甘すぎると言える。少年が本当に嘘をつくような子であれば、そんな少年に見張りを任せてはダメなのだ。

そもそも村の大人は、「オオカミなんて来ない」とたかを括っていたのではないかとさえ思えてくる。

非化石証書の未来

そんなわけで、本題に入りたい。

ウェビナーなどをやっていると、よく「非化石証書の価格って上がらないんですか?」という質問を頂く。私の主張は、「価格は、ほぼ100%上がる」だ。

「非化石証書調達の責任者をやっていながら、何を言っているんだ」と、いう声を頂いてしまいそうだが、当初から私の主張は変わっていない。

本当に長期で再エネ価値を享受したいのであれば、CPPAしかないのである。

まず大前提として、非化石証書は、足元の取り組みとしては、非常に優れている。そして、今でもけっこう先頭集団だ。また、2030年が近くなれば、「いつから取り組んでいたのか?」ということが見られるようになるだろう。だから、「どうせ価格が上がるからやらない」ではなく、今のうちから取り組む意味はある。

ただし、今の価格が2030年まで続くことは絶対にありえない。

今は電気料金の高騰も大変だ。そして、こういうお言葉を頂く。「なんで、高くなることを予想出来なかったんだ!」と。

私はこれは反省している。そして、多くの人が電気代とは、価格が上下しにくく、安く手に入るものだと信じていた。だが、冷静に考えるとエネルギー自給率が低い日本においては、外部環境に依存していると、戦争のようなことが起きると一気に状況が悪化する。

私はオオカミ少年の村の大人と同じだったのだ。

元を辿ればLNGだってそうだ。ようやく見つけたLNGを日本と韓国だけで使っていた時は良かった。
しかし、安くていいものはすぐ見つかる。中国に真似されて、ヨーロッパにも真似された。途端にLNGの需要は上昇。価格も上がり始めた。

ダイヤモンドは、綺麗だから高いわけではない。数が少ないから高いだけだ。あんなものは、たくさん取れていれば、安く取引される。


環境価値を長期安定的に享受するために

人は低く見積ってしまう。悪いことを考えたくないという心理が働くからだろう。

だから、私はあえてオオカミ少年になりたい。
「非化石証書の価格は、将来必ず上がる」

そもそも上がる要素しかないのだ。炭素税の導入、2030年にカーボンオフの目標を掲げている企業が多い等、みんなが買いに来るのは間違いない。

話は少し逸れるが、人はなぜ保険に入るのだろうか。それは、万が一のために備えておくからだ。

そう考えると環境価値の入手が難しくなる未来を想像すれば、CPPAは保険の要素もあると言える。しかも、ほぼ元本保証されていると言っても大袈裟ではない。

ということで、ここまでの話を聞いて、CPPAに興味を持ってくださった方がいれば、ぜひ、私までご連絡ください!

【追伸】
CPPAもいつかやろうと思っていると、土地がなくなって、LNGや今の電気代と同じように価格上昇します。いつかやろうではなく、今やることが大切です。

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