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「腰で打て!」は最悪な指導!体幹ってどうやって動かすの???構え調整指導法

「体幹は重要だ」

「肩甲骨は重要だ、股関節が重要だ」

じゃあ、それ、どうするの??重要だからなんでしょう

難しいですよね、人体の構造ってそこそこ複雑であり、筋肉の機能とかがしらないとやはりどのように重要であって、どういう風に操作するのかわからないでしょう。

では、正しい姿勢と構えを目指すために、じゃあ、どこを意識すればいいのか???

今回は、人体の胴体部分の操作方法を紹介していきます

前提:骨盤をやや前傾の立位置をするためには?

前回の骨盤の説明をしました。骨盤があらゆる筋肉の箇所の連動性を生む箇所で非常に重要である。骨盤が正しい位置において、他の筋肉がしっかり働くような正しい骨盤の傾き方を目指さなければならない。そのために我々の自体は身体のどこをどう意識すればいいのか解剖していく

意識するポイント「肛門」「大転子」「胸骨」「上腕頭骨」、腰は意識するな!

人体の身体をみた時に最も意識して動かす箇所の結論をあげてしまうのならば、この4か所かな?と思います。

「肛門」...骨盤底筋群、肛門を締めることで骨盤が前傾する。理想としては自然と肛門が締まっているようにしておきたい。肛門が締まっていると骨盤は前傾し、肛門が空いていると骨盤は後傾する

「胸椎部」....腹筋(腹直筋・内腹斜筋)は、骨盤から肋骨の下部分、背筋は骨盤から胸椎部を辿って付着しているが、筋頭が骨盤で筋尾が肋骨周りであるならば、操作するのは肋骨、つまり、人体は胸の位置で骨盤を操作することとなる。

「大転子」...股関節のちょっと外側にある大腿骨上部の部分。下半身の筋尾がここら辺に集合している。すり足、踏み込み足の時、身体を前に送り出すときに意識するが、「構え」だけなら今回は使わないので、この記事では説明省略

「肩関節」....大転子と同じ理由で説明省略

この説明だけでもしっくりこないであろう。

解剖図を見て、骨盤からどのように筋肉が辿っているのか確認してほしい。その末端部分が我々が意識して動かしやすい部分となっている。

逆に、「腰」というのは、動かす部分ではないことがわかる。

骨盤の「やや前傾」位置を目指すなら胸を操作しろ

腹筋は、身体の表側を収縮するため「骨盤を前傾させる」働きをもつ。

背筋は、逆に「骨盤を後傾させる」働きを持つ。

剣道で構えているとき、身体を前に出す筋力の出力としては、左の「股関節の伸展」が主に使われるが、「股関節の伸展」=「骨盤の後傾」の作用が働く。そのため、構えている時は「骨盤がやや前傾」にしておかなければ、骨盤を傾けさせるふり幅がなくなってしまう。

剣道人は、よく、胸を張って背中を収縮させ、背筋をのばすため、骨盤が後傾しやすい構えとなりやすい。更にレベルの高い剣道人ならば、肛門を締めることで骨盤の前傾を調整することができるが、肛門を締めなければ、結構、剣道人というのは後ろに身体がそれてしまう。

指導をする際、単純に「胸を張れ!」「背筋を伸ばせ!」などという骨盤の傾きを考えない指導は安易である。

骨盤を前傾させる動き...胸骨を前に出す、股関節の屈曲、肛門を締める

骨盤を後傾させる動き...胸を張り、広背筋を締める、股関節の伸展

これらの筋肉の連動性を考えて骨盤を理想の「やや前傾」の位置で構えられるように目指す

骨盤の傾き、姿勢を鑑みて、前傾しすぎて胸を大きく張っている構えの場合は「ちょっと、胸を前に出して腹筋を少し収縮させた方が良い」と指導した方がいいし、逆に猫背すぎて骨盤が前傾しすぎている場合は、「やはり、胸を前に出して張り、あと、肛門を少し締めてみなさい」と指導した方がいい。

ちなみに首(頸部)はちょっと前弯させるために、やや上向きがポイント。頸部を前のめりにして通称「ストレートネック」という頸椎がまっすぐになってしまう形になってしまう

「腰で打て!」という指導は最悪

剣道は「腰で打つ!」という表現は、剣道の動画を見る限りでもイメージ的にはそんな感じなのですが、指導としては最悪という結論に至っております。

腰で打つような剣道を表現するならば、人体を操作するために「腰」は意識して動かせないからです。

腰は骨盤に最も近いですし、身体を支えるために勿論重要な箇所なのですが、人体は実は、腰という箇所、骨盤をを動かすための力点となる筋肉があきらかに胸椎部より少ない。

ということは、人は意識して腰を動かすのは難しようにできていて、むしろ、骨盤を調整するために動かす意識が必要なのは、胸周りの胸椎部となる。

胸を張りすぎると、骨盤が前傾しすぎるので、腹筋も意識したい

肋骨下周りに腹筋の筋尾が付着しているので、その辺と、背中は胸椎部付近をちょっと収縮させる気持ちでよい。まぁ、この表現はわかりにくい。

ちょっと、「胸を前に出す」くらいの気持ちがちょうどいいかな。

いづれにしろ、正しい姿勢を意識するには「腰」ではなく「胸」であるという人体の構造だけはこの記事で抑えて、解剖図みて筋肉の付着している部分をみていただきたいです。

骨盤から背骨に付着している主な脊柱起立筋をみてみましょう。

胸最長筋:この筋肉は非常に大きいので仙骨および腰椎の棘突起、回胸椎横突起が筋頭が広いですが、腰ですね。そこから背中に沿って第1~第2肋骨まで達して、内側腱列は前腰椎の副突起と全胸椎の横突起に付着、外側腱列は前腰椎の肋骨突起と第3~5以下の肋骨で停止(筋尾)ですね。頭部と脊柱の後屈、側屈、回旋において収縮してつかう筋肉

胸腸肋筋:第7~12肋骨が筋頭で、内側情報に向かって走り、第1~第’肋骨あたりに付着

胸棘筋:第10胸椎~第2腰椎の棘突起を筋頭にし、上方に向かって走り、第2~第)胸椎棘突起に付着

骨盤から胸椎部、胸腰椎移行部辺りが筋尾として付着しております

腰が筋尾となっている筋肉は、なんだっけ?腹筋の方に一つあったかな

ともかく、

胸骨の操作次第で人の骨盤の傾きが変わるということです。

まとめ

骨盤やや前傾の姿勢を目指すには

・胸をやや前に出すように操作する

・肛門も軽く締める

なんでも胸を張りすぎたり肛門を締めすぎないこと

目指す姿勢というのは骨盤の「やや前傾」です