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【娘におくる手紙】1歳3か月、おとな顔負け。

これは、母から娘への手紙です。
2022年の夏、ひいおばあちゃんの生き写しみたいにそっくりな顔で生まれてきた娘。まばたきするくらい早く過ぎていく日々を書き留めて、娘が大きくなった時に渡せるよう、手紙にして残すことにしました。

▼1歳2か月、あべこべパジャマ。


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こんにちは。少し遅れてしまったけれど、今月も手紙を書きます。

1歳をすぎて、だいぶ歯が生えそろってきました。
上の歯も下の歯も前歯が4本ずつ。
奥にも小さく奥歯がのぞき始めていて、むずむずするのか夜たまに泣いて起きてしまいます。

歯が生えてきて、かじりつけるようになったからか、食べられるものがだいぶ増えてきました。
まだまだおぼつかないけれど、いっちょうまえに自分からスプーンやフォークも使っています。
大人と同じものが食べられるようになって、「一緒に食卓を囲んでいる」という感じになってきて嬉しいです。

子育てをする前から、「離乳食は大変」とよく聞いていたけれど、あなたの離乳食期間は案外あっという間でした。
でもそれは、スムーズに進んだ、というよりも、あなたは離乳食も我が道を行くタイプで、日々いろいろ試していたらいつの間にか1歳をすぎていた、という感じ。
おとなしくスプーンに向かって口を開けていたのは最初の1か月くらいで、そのあとは手づかみじゃないと食べない子でした。
人の指図は受けません、とばかりに、目の前の食べものを自分で握ろうとするあなた。
クリームパンみたいにまんまるな手のひらと、まだまだ上手に動かせない小さな指なのに、食卓にストイックに向きあう姿は赤ちゃんには見えず、修行僧か何なにかのようでした。

結局、無理にあげても口を開かないので、当時は毎日にんじんスティック。
握りつぶせるくらいに柔らかく煮込んだにんじんで口の周りや洋服をオレンジ色に染めながら、うさぎのようにもくもくと食べていました。

それなのに、いまやにんじんのブームはすっかり終わったみたい。
細かく刻んで大好きなホワイトソースに混ぜ込んでも、にんじんとじゃがいもだけは器用にべーっと出します。
そんな小さいのまでよく分かるね、と感心するレベル。もう、まるで執念の域で、ひとかけらも残さずお皿に戻しています。

こだわりの強いあなたなので、保育園に入るときも、給食が食べられるか不安でした。
初日はお母さんも一緒に食べたけれど、あなたはスプーンが嫌で、お粥が嫌で、紙のエプロンが嫌で、結局ひとくちもなにも食べられず。
(家でもお粥はちっとも食べようとせず、最初から大人とおなじご飯を食べていました。徹底しています。)
でも最近は連絡帳に毎日「おかわり」の文字が並んでいて、その順応性に目を見張ります。たくましいのもきっと親譲りですね。


家でのマイブームはなめこです。なめこが好きで好きでたまならくて、「なめこのお味噌汁あるよ」というと目をきらきらさせています。
お椀に手をつっこんで、ぬるぬる具合も楽しみながら一心不乱に食べています。
集中しすぎて、口の周りがよだれなのか、なめこのぬめりなのか分からないくらいベロベロ。
ためしにしめじを紛れ込ませてみたけれど、華麗につまみだしていました。なんで分かるのかなぁ。
ひとりでなめこだけ何度もおかわりするので、お父さんお母さんはこのところ、毎日なめこのとろみ汁(なめこなし)を食べています。

食器もお箸も、とにかく大人と同じがよくて、子ども用のものを渡しても「こっち!」とお母さんの食器を奪います。
赤ちゃん扱いされては御免、という感じです。
多分自分のことを赤ちゃんだとは思っていないんでしょうね。
だから我が家の食卓には、早々に大人の食器が3セット並んでいます。(さすがにお箸は小さいサイズを買いました)
おとな顔負けにお椀のおみそ汁を飲み干すあなたを見ながら、これはこれで “ 家族 “ って感じだなと、気に入っています。


それでは、また来月も書きますね。

母より


かなり真剣に飲み干しています


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原田 理恵 | 喫茶 手紙寺分室 note 編集長
「誰かの想いを翻訳・編集して磨き上げ、多くの人に伝えていく」が信条。旅と、時間が経って朽ちた風合いや佇まいがあるものがすき。ペンのインクはブルーブラック派。喫茶で最高のクリームソーダを出すのが夢。
Smiles: Project & Company 所属。


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