【エッセイ】夜の新幹線とその乗客

ああ、眠い。私は今新幹線でこの記事を書いている。最近仕事終わりが遅いので、明日のダイビングに向けて今日のうちに移動してしまおうという魂胆だ。この時間帯に新幹線に乗るのはあまり無いのでそれだけでちょっと楽しい。でも眠い。車窓から見える景色は真っ暗で何も見えない。

今日の弁当は品川のecuteで割引になっていた伊豆で取れた魚介類を乗せた海鮮弁当。これから伊豆に行くから、新幹線に乗ってるうちから伊豆を味わいたくなってしまい購入した。そして弁当を片手に予約した指定席に向かうと、キャリーバッグを持った顔を赤くしたオッサンが座っていた。この時間帯は自由席がパンパンである一方で指定席に空きが多いから座りにきたんだろう。私は切符をそのオジサンに見せると、そそくさとまた違う指定席へ移動し、半身になって座った。そんなに警戒するくらいなら指定席買えばいいのに。

私は先程買った弁当の蓋を開けた。何の魚介類なのか確認し忘れたけど、ブリやハマチの系列の魚だと思う。口に入れるとつるんとした食感にさっぱりとした味わいで私は一人舌鼓を打って楽しんだ。こんな時間にご飯を食べるのは太りやすいから良く無いけど、その罪悪感でさらに食が進みそうになる。特茶買ったし大丈夫でしょ。多分。

一方オジサンは見回りのJR職員に注意されていた。

「すみません、ここは指定席です。」

「えっ、ここ自由席じゃ無いんですか?」

「はい、こちらの号車は指定席になります。自由席の号車へ移動してください。」

やっとオジサンは私の視界の外に消えていった。いや、オジサン。あなた確信犯でしょ。

最寄駅に近づいたので新幹線のドアに向かっていくと、私と同じく降りる人達がドアに向かって歩いている。皆んなヨロヨロしながらキャリーバッグを転がしている。疲れてるなあ。私も疲れた。

皆さん今日もお仕事お疲れ様でした。

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