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【エッセイ】子役評

そういえば、今更な話で「いぬのおまわりさん」を歌って人気者になった子がいる。その子がカワイイのはそうなのだけど、その子を使ってバラエティを成立させようとするお昼番組の大人達に対して何か違和感を感じることがある。主婦の視聴率が上がるのかもしれないが、そういう意味では女性の思う「カワイイ」には毒が孕んでいるように思う。子役に対する「カワイイ」は母性的な意味合いを含むため、よちよち歩いてる子供を映すだけで視聴率を取れたりする。「はじめてのおつかい」はその典型例だと思う。

しかし、子役で成功してしまったが故に一般社会との接点を無くし、大人になってから不幸になった人達がいるのも事実だ。そのため、私のような捻くれ者は子役を見るたびに悪態をついている。
「子供の内から金なんか稼いでどうするんだ。」
でもカワイイは正義だ。誰も私の悪態なんか相手にしない。でも、そうやってその子を可愛がったが故に将来的不幸になるのかもしれないんだぞ、と思うと子役を応援する気持ちには到底なれない。

因みに芦田愛菜は例外である。中学受験で有名校に入った時点でただの天才子役では無くなった。正直まだ高校生くらいだと思うが、「この子はもう大丈夫」と思わせる謎の安心感がある。やっぱり学歴なんだろうか。学歴の力は恐ろしい。ただの天才子役なら、
「将来恐ろしい。怪物だ。」
とか言われつつ、言ってる側も何がそんなに不安かわからないままそれなりに大成していくだろう。

「いぬのおまわりさん」の子は多分天才じゃない。だから、あんまり可愛がり過ぎないほうが良い。勘違いさせちゃったら、その子が可哀想だ。でもなー、多分目の前で歌われたら私なんかイチコロなんだろーなー。子供の無邪気は大人にとって暴力に近い。逆らえない。私も今のうちに頭の中で唱えておこう。
「将来末恐ろしい。怪物だ。」

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