【感想】ペンギン・ハイウェイとソラリス

もう六年ほど前になるだろうか、森見登美彦著「ペンギン・ハイウェイ」を読んだ。「ペンギン・ハイウェイ」初めて読んだ時、まるでファンタジーのような出来事を小学生が自由研究の題材として考察するという内容に驚いた。「これはSFなのか…?」私はSFの映画やアニメは読んできたけど小説としてのSFは良いあまり触れてこなかった。難解に感じてしまいページを捲る速度がどうしても遅くなるのが自分にとってストレスだった。しかしこの本に関しては何故かスラスラと読めてしまったから「あれ?」ってなった。こんなに読みやすいSFは本当にSFなんだろうか。勿論読みやすさを可能にしてるのは主人公が小学生ということもあり、難しい表現を使わないような設定になってる部分はあるかもしれない。
そして元ネタとも言える「ソラリス」の存在がどうしても気になってしまった。重厚な小説だったので読み進めるのが大変だったが、やっとこさ読み終わった。読み終わったけど私の頭では一読した程度じゃ理解できない小説で、もう一回読み直す必要があるかもしれない。

ソラリスを読んでみると成程、「ペンギン・ハイウェイ」でのお姉さんは「ソラリス」でのハリーだったり、どちらの作品も「ファンタジーの考察」をしている。ソラリスは惑星ということもあり、宇宙SFとして違和感無く読むことができた。どちらの作品にも「海」が出てくる。ペンギン・ハイウェイは森見登美彦によるソラリスのオマージュだと言っても過言じゃ無いくらい共通点が多かった。元々「新訳 走れメロス」を書いたこともあり、他作品のオマージュは得意分野なんだろうな。
ところでペンギン・ハイウェイのお姉さんは主人公にとって何の象徴だったんだろう。ハリーはケルヴィンの記憶で最も悲しい経験をした彼女の投影だったけど。ソラリスと対比させるなら、将来的会うことになるパートナーとかかな?ここは想像の余地が残されてると思う。

それにしても…SFは難しいね。この重厚なストーリーを理解できない自分が不甲斐ない。

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