見出し画像

Leica IIIgが修理旅行から帰ってきた。

こんにちは。
しばらく前のことにはなりますが、毎日空が曇ってばかりいてモヤモヤしたような気持ちでいた時、一通のメールが届きました。

「修理品仕上がりのご連絡」

それは3月末に新宿北村写真機店経由で修理に出していたLeica IIIgとElmar 9cm F4の修理完了のメールでした。
なんだか曇っていた心が一気に晴れたような気がしました。早速メールを受信したその当日に受け取りに向かいました。

症状

Leica IIIg

僕が購入したこのIIIgは、某フリマサイトにて箱、説明書、それに当時のユーザー登録完了通知の書類まで付属しているものでした。しかし長いこと整備されていなかったためか、外観こそ綺麗ですが内部の状態はかなり悪く撮影に直接影響する問題が複数ありました。
以下の写真の通り、シャッター幕の劣化による光漏れ&1/1000でシャッタースピードで撮影した写真に問題がありました。

1/1000

バルナックライカの構造上、1/1000はかなり無理のあるスペックです。
なので1/1000は元々信頼すべきではありませんが、それにしても不安定です。

1/60

また、シャッター幕の劣化もあり、1/125以上ではそこまで目立ちませんが1/60ともなるとかなり光漏れの影響がありました。

1/250
1/500

このように、幕の劣化による光漏れはシャッタースピードに比例して減少しますが1/1000になると、今度はリボンの劣化の影響で写真がまともに写らなくなってしまいます。

それ以外にも、巻き上げ中に空回りし始める時があったり、すごく小さなグッタペルカの欠けがありました。


Elmar 9cm F4

前玉付近がかなりクモっていたためElmar 9cm F4も一緒に修理に出しました。


修理費用

さて、気になる費用についてです。
まずは見積もりから。

見積もりは修理品が北村を経由して専門の修理業者に届いてからになります。
僕の場合、北村に預けてから見積もりが出るまでちょうど1ヶ月かかりました。
以下、見積もりの内訳です。

見積もり

・Leica IIIg-83,600円税込
・Elmar 9cm F4-39,600円税込

計123,200円税込

安くない金額ですね。どちらも同じものが変えてしまうくらいの金額です。でも僕はせっかくここまで生き残ってきたこの機材たちを粗末に扱うことなんてできないので迷わず修理の決定をしました。

ただ、この見積もりは最悪の場合を想定しているのでこれより高くなることはありません。ほとんどの場合これより2割ほど安くなります。
今回も、実際の工賃は見積もりよりだいぶ安くなりました。

請求

・Leica IIIg-64,350円税込
・Elmar 9cm F4-28,600円税込

計92,950円税込

修理結果

見積もりのメールが届いてから1ヶ月後に修理完了のメールが届いたので預けてから合計約2ヶ月かかったことになります。割と早い方ではないのでしょうか?

修理後試写も兼ねて韓国、ソウルへ行ってきました。
使用したフィルムはKodak Ultramax 400、レンズはElmar 50mm F2.8になります。

しっかり写ってくれていますね。
おそらく全速問題ないかと思われます。


Elmar 90mmのクモリもだいぶ綺麗になりました。ただ、修理明細書にも書いてある通りよ〜く見ると小さな拭き後が残っています。

最後に

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ちなみに、このLeica IIIgは最初スウェーデンにて納品されました。その後スウェーデンのカメラ店でこれを見つけた前オーナーの方が購入、しかし訳あって某フリマサイトにて販売、そして今に至ります。
この時、一緒に購入したElmar 50mm F2.8と今回一緒に修理に出したElmar 90mm F4は販売当時のキットレンズそのままだそう。

ドイツで生まれ、スウェーデンで暮らし、そしてはるばる海を渡って日本へやってきたこのカメラとレンズ達。一体彼らが何を写してきたのか、僕にそれを知る術はありません。
でもいつの日か、これを記している僕でも読んでいるあなたでもない遠い未来に生きる人たちが、何らかの方法でそれを知ることができればな、なんて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?