冬日(とうじつ)第2話
【第1話はコチラから】
「正規登録の信憑性なんて、今更悪い冗談くらいにしか聞こえないぜ」
「確かに」
と、山下が鼻で笑い飛ばしながら苦笑いを混ぜる。
「でも、そのお陰で取引がまとまりました」
「調整廃棄を引き取ったって言ってもタダじゃないだろ」
「ええ、それでも対価は市場価格の五十分の一です。損害賠償から比べれば蚤の毛ほどの損失ですよ」
「損失には変わらんからな」
「しかし全てを管理下に置けるなんて、それこそ幻想に過ぎないはずでは」
いたずらっぽい笑みを含み、山下が見返して