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TEENS ROCK IN AICHI 2022 一次審査についての考察

今年度は…

どうも、委員長の渡辺です。今年は大会の設営のお手伝いをして頂くティーンズスタッフの募集を5月から行っています。例年は1月からの募集ですが、なかなか短期間ではしっかりとした設営ができないので、今年はじっくりと時間をかけて、より良いイベント、より高校生が中心となって設営するイベントを目指したいと思います。

3種類の審査方法

さて、気が早いようですが、2022年3月26日(土)に開催予定の「TEENS ROCK IN AICHI 2022」のエントリーと一次審査についての考察です。『ライブ審査』『動画審査』『音源審査』などいろいろありますが、第1回大会から第10回大会までは、すべて音源審査を行ってきました。なぜかって?10年前はまだまだスマホの文化もなくYouTubeもそこまで普及しておらず、動画も気軽に撮影できなかったからです。音源には、スタジオ一発撮りもあれば、エンジニアがミックス・マスタリングを行ったものまでさまざまでした。音源審査のマイナス点としては「実際の音源と当日のライブで大きなギャップが発生する」ということです。音源はすごく作り込んで音質もバランスもきれいだけど、ライブをやってみるとすごいパッとしない…。なんてことが結構起こりうる審査方法です。それに比べ、『ライブ審査』は実際の演奏を見て審査をすることで、当日とのギャップは発生しない。その代わり、会場が必要だったり、同じ場所に集まらなければいけない、コロナ禍の今の時代で審査のために集まるのをあまりいい案とは思わないし、なによりTEENS ROCK IN AICHIのエントリー数を考えたらとても一日では終わらないし、地域差があるのでこれもちょっと悩むところです。そこで、その両方の審査のちょうど中間にある『動画審査』はどうなの?というわけです。

他大会はこんな感じ

スニーカーエイジさんは今回、初の全国大会を行いますが、一部の地域では「ビデオ審査」での開催となってます。同じ愛知の軽音協さんは「高等学校軽音楽コンテスト 中部大会」は音源審査ですね。「愛知県高等学校軽音楽大会」はライブ審査です。中部大会が音源審査なのは地理的な理由でしょう。各県でライブ審査をやるのであれば実施も可能ですが、さすがにそれも大変だし、愛知県以外はまだそこまで軽音楽の文化が普及していないんじゃないですかね。かといって、愛知に来いというわけにもいかないと思いますので。「Yokkaichi Teen's Music Fes」さんも動画審査ですね。「TEENS ROCK IN HITACHINAKA」も動画審査です。参加地域を限定していない大会においては圧倒的に動画審査ですね。

TEENS ROCK IN AICHI2022は動画審査?

ではTEENS ROCK IN AICHI 2022は動画審査になるの?という所ですが、現在レギュレーションを検討中です。本来であれば「ライブ審査」が一番公平かつ正確だと思います。撮影機材や録音技術による差が生まれない、実際のライブに一番近いもので審査ができるからです。しかし、やっぱりライブ審査を実施しようと思うと大変です。エントリーが仮に100バンドあった場合、同じ審査員が審査をしようと思うと、何時間・何日必要か。また、1バンド5人となると、500人が楽器を持って集まる。この規模で審査をやるなら、いっそのこと、予選の大会にしちゃった方が早いんじゃないかという話にも飛躍しかねないので、審査という観点では、「動画審査」がとりあえず最有力かなと考えています。(もしくは可能性レベルで「ライブ審査」かな。)今年は音源審査という選択肢はなさそうです。

動画審査に向けてすべきこと

音源審査 ⇒ 動画審査になることで何が変わるかって?

もうこれ変わりまくりです。音源審査って例えば弦楽器なら演奏に集中して椅子に座ってミスしないようにしっかり弾けば提出音源のレベルって高くなるんだけど、動画審査だとそれって通用しませんよね。動画の場合、「音」と「映像」が評価対象になります。なので、音のレベルを上げると同時に、映像のレベルも上げなきゃいけません。じゃあどうやって映像のレベルを上げるかって?そこざっくりですが説明しますね。

カメラの奥に審査員(観客)がいると思って演奏する

審査側は当然映像を見ながら、このバンドが大会のステージで演奏したらどんな感じになるだろうっていうのをイメージして評価します。ということは、演奏者側も大会のステージに立ってるのをイメージして演奏したほうが良い評価につながります。

チームワークを必要以上に意識する

バンドって、アンサンブルって重要だよね、って話になることが多いですし実際その通りですが、実際演奏も難しくていっぱいいっぱいの時って、客席見ると緊張するし、間違えちゃいけないし、棒立ちじゃいけないからステージングしなきゃとか、自分自身に余裕がないと、メンバーの方も見れなくてアイコンタクトもできず、キメの部分もなんかぎこちなく…ってあるあるかと思います。そういう時は「チームワーク」って言葉をいつも以上に強く意識して、メンバー一人ひとりとここの部分でアイコンタクトしよう、ここの部分では寄って行って並んで弾いてみよう、ここの部分は向かい合ってみよう、そういったチームワークをいつもより強く意識することで、なんとなくメンバー間での一体感が生まれてくると思います。

自分が音楽にしっかりノる

Twitterとかでも強豪校の練習風景で動画を見かけますが、「まず自分たちの演奏する曲に合わせて体を動かす、ノってみる」ことって非常に大事だと思います。大会とかライブ見てると、足が一切動かない「地蔵」のようなライブをやっているバンドをよく見ます。「地蔵を意識してるの?」たぶんそんなことないと思います。慣れていないのか、緊張しているのかなぁと思ってます。「みんな、もっと盛り上がろうぜ!」って言いつつステージが全然盛り上がってない、気づいてない人も多いかもだけどあるあるですよ。

対策としては、まずは弾かなくてもいいから録音した演奏や、コピーなら原曲の音源をPAで再生して、それに合わせてとにかくみんなでノってみる・踊ってみる。自分がそのアーティストのライブに来てるような感じで体を動かしてみる。なんとなく照れ臭かったりするかもだけど、スタジオ練習のウォーミングアップだと思って毎回やればだんだん普通になってきます。それができれば次第に演奏中に音を体で感じてノれるようになってくると思います。

そして、重要なのは、目線。目線を客席側に向けれるかどうかって、すごく大きいです。終始指板を見ている弦楽器隊は、減点はあっても加点はないです。なんでかって?誰に向けて演奏しているんでしょう?お客さんに向けてですよね?会話をする時って、普通は相手の方を見ますよね。聴かせる相手の方を見ない演奏は、話しかける相手の方を見ていない会話と同じです。きちんと聞かせる相手がどのような表情をしているかをくみ取るぐらい、しっかり客席を見ましょう。(動画撮ってたらレンズね、もしくはその奥にお客さんがいると想定して)

ライブ動画を参考に

ステージングってどういうのがいいの?ってたまに質問もらいます。このへん正直審査員の好みじゃないでしょうか。私としては「曲にマッチしていてカッコよければいいんじゃないかな」と思います。

たまに、「それかっこいいか?」っていうステージングに遭遇します。具体的な説明はしませんが。

結局はステージングって表現の要素で、楽曲の表現方法の一つとして、どう体で表すか、だと思うんです。これって手っ取り早いのはライブ動画を参考にすること。コピーならそのアーティストのライブ映像を見てみる。そうすると何となく表現の仕方ってわかりますよね。出ているアーティストは体のどこを使って表現しているかというと、一つは顔の表情、そして腕や手。この二つをしっかり意識してやるだけでだいぶ違うし、これぐらいならできそうでしょ。それが出来たら次は足。曲のリズムを足でとったり前後左右に動いてみる。難しいと思ってたけど、実はプロもそんな複雑な事ってやってないよね、ってなんとなく気づけたらあとは自分はどうするかだと思います。

お勧めの練習方法としては、とにかく何度でも自分を動画にとって見返す、バンド演奏を録画する習慣は常に持っていた方がいいでしょう。あとは、鏡を見てやる、本番と同じようにスタジオで演奏する、です。自分はどう見られたいか、どう動いたらかっこいいか、しっかり研究する。ソロの時ガニマタになってませんか?足の開き方ひとつも立派な個性です。外出する前に鏡を見る習慣があるのなら、ステージ立つ前に自分の動きを見返せるといいですね。

とにかく客観的意見を求める意欲を

「自己満足バンドからの脱却」、これって、できてるバンドはどんどん伸びるし、できてないバンドはなかなか伸びない大きな分かれ道です。自分が好きなアーティストの楽曲を演奏するだけで満足しちゃって、自分に酔っちゃう。それを聞くお客さんの立場を全く考えない、想像できない、「自己満足ステージ」を繰り広げてしまうバンド。カラオケ行ったりするとよくあるよね、自分が歌うことに必死で人のうたは別に興味もなく聴かない。かかったお金は人数で割り勘、ライブイベントも同じようにやっちゃってたりとかよく見かけますよ。

それを悪いとは言わないけど、どうせだったらレベル上げたいじゃん。「演奏良かったよ、感動したよ」なんて言われたいじゃん。

大会=発表会だととらえるのであればまぁ「これだけ上手になりました」でも正解かもしれないけど、正直見てる方、つまんないじゃん?わざわざ時間と労力かけて見に来てもらうからには、良かったって思って欲しいし、楽しかった、来てよかったし、また来たいって言って欲しいじゃん。そうしたいならまず何が必要かっていうと、「自分のライブを客観的にみること」だと思うんですよ。来てくれた人に、「自分たちのライブを見て、どう思ったか、何が良くて何が悪かったか、どうすればもっとよくなるか」をできる限りいろんな人からヒアリングして、それをバンドのメンバーでしっかりディスカッションして次のライブをどうすればさらに良くなるか考える。それをするバンドはきっと成長があるんじゃないかなと思う。

例えば、好きな子とさ、デート行くとして、いろいろ事前にプラン考えるとするじゃん、最初に○○行って、ランチは××でそのあと▲▲▲行って、次◇◇寄って、最後は▽▽▽でクライマックス、みたいな。自分としてはすごい盛りだくさんの充実したデートできたと思っていても、実は相手がクタクタで全然面白くなかったとかだったらまずくね?相手に聞いてみないとわからないよね。それを聞かずに次も同じようなデートしちゃってたら、それって自己満足以外の何物でもないと思うんだよね。デートもライブも相手があってこそのものだと思うから、それを無視しちゃった時点でただの自己満足にしかならないよね、と思うわけです。

とりあえず、ここまでの事がしっかりできているようなバンドさんだったら、おそらくビデオ審査は通過できるんじゃないかなと思います。TEENS ROCK IN AICHIの場合はですけど。

※リズムや基礎個人練習、バンド練習は最低限きちんとやった上でのお話です。

ちょっと時間があったので、思ったままに書いてみました。参考になれば幸いです。また時間があったら書かせてもらいます。おかしなところがあったら訂正します。2021.06.16

writter:Sumihiro Watanabe

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