ストームグラスの作り方(前編)
こんにちは。科学グッズのハンドメイドなどを色々しています。
今回はストームグラスの作り方について(前編)です。
ストームグラスがどんなものかについては、前回の記事、ストームグラスレポート1をご覧ください。
いきなりですがお待ちかねのレシピです。
材料
・蓋付きの瓶容器(金属の蓋のものは錆びて穴が開く場合があるのであまりお めできません)
・A液 水80ml 塩化アンモニウム6g 硝酸カリウム6g
・B液 エタノール90ml 樟脳10g
1、A液、B液をそれぞれ別々で作って混ぜ合わせる(必ずよく振って混ぜる!)
2、蓋を開け(閉めたままだと爆発します)湯煎して混ぜた際にできる固形物を溶かし切る(匂いが強いので換気をお勧めします)
3、蓋を閉め玄関や窓辺、エアコンをつける部屋など温度変化の激しい場所で数日おき、ちゃんと結晶が育つか確認する。
4、何らかの結晶が育てば完成
〜番外〜
このレシピ通りに混ぜると、季節によっては結晶が少なすぎたり、多すぎたりする場合があります。
その場合は
結晶が多すぎる時 アルコールを加える
結晶が少なすぎる時 水を加える
事で調整ができます。
4〜5滴加えるごとによく振って溶かすと失敗が減ります。
ーーーこのように、ストームグラスを作る操作自体は簡単です。たったの5工程です。
、、、ところがその前に必要な材料の調達に、人間を諦めさせるハードルや気をつけることがうんざりするくらい多くありますので、一つ一つ越えていきましょう。私が泣きながら躓きまくって手に入れた努力の成果を紹介していきます。
今回は「俺の屍を越えてゆけ回」です。
まずはA液
A液
=水=
多くのサイトや本では精製水と書かれていますが、天気管は、1600年ごろ、少なくとも19世紀までには発明されていたものです。
そもそも清潔な水を手に入れるのが難しい時代ですから、水道水でいけるだろと思い試したら目立った問題はありませんでした。水道水でも大丈夫です。多分。
(精製水も500ml100円くらいでどこでも売っていますが、コロナによる転売の影響で個数制限がある場合があります。2本買えれば大体足ります。)
=塩化アンモニウム=
アマゾンで食品添加物として1,000円程度で手に入り(燻製とか肉料理に使う?らしい?)ますが、売っている量は500gで実際製作に使うのは、1セット6gですので、めっちゃ余ります。
知り合いに分けてもらうか、丁寧な肉料理を作ってみるか、、、お任せします。
=硝酸カリウム=
おそらく1番入手が困難で最も高いハードルです。火薬の主原料になるため、販売が厳しく制限されているためです。これが手に入らないために諦める方が多いと思います。
法人向けには販売されており、500g 1,500円くらいです。
代用品も何種類か紹介されていますが、できる結晶の姿が少し異なるので、
今回はレシピ通りにできるよう、硝酸カリウムを自作する方法を紹介します。
このレシピは『花火を自分で作ってみよう!!』みたいなタイトルで紹介されていたもの(!)を使いやすくいじってみました。
*ストームグラスの材料として紹介しています。他の用途(肉加工・花火の自作など)には使用しないでください。自作のものは工業製品と異なり不純物が含まれます。食品や火器に使用すると事故が起こりやすくとても危険です。
*火薬の主成分です。火のそばに置いたり、口に入らないようにしてください。
〜硝酸カリウムの作り方(自己責任で行ってください)〜
+用意するもの+
耐熱ガラスボウルまたは耐熱ガラスコップ 1つ
瞬間冷却パック(原材料が“硝酸アンモニウム”となっているもの) 2〜5個
塩化カリウム(アマゾンにあります) 1本(500g入りですが、そんなに使いません)
はかり 1つ
+手順+
1、瞬間冷却パックにそっとハサミを入れ、中の粉末を取り出します。一緒に入っている水の袋は捨てても大丈夫です。
2、1で取り出した粉末が“硝酸アンモニウム”です。これを基準に作業を進めていきます。
硝酸アンモニウムの重さを計ります。
3、2、で計った硝酸カリウムの重さ×0.9gの塩化カリウムを計っておきます。
4、2、で計った硝酸アンモニウム×2.5mlの水を沸かして、ガラスボウルに注ぎます。
5、2、3で計った硝酸カリウム、塩化カリウムをお湯に入れ、完全に溶けるまで混ぜます。
6、ぬるま湯くらいになったら、冷蔵庫の冷凍室に入れます。
7、1、2時間経つと、白い結晶が育つので、冷蔵庫から取り出して結晶が流れないよう、そっと水を捨ててください。
8、日当たりの良い場所に結晶のついたボウルを1〜2日置いて、結晶から水分が完全に飛んだら完成です。取り出してください。ボウルなど使った器具はしっかり洗ってください。
冷蔵庫に入れた時間によりますが、使った硝酸アンモニウムより気持ち少ないくらいの硝酸カリウムが出来上がります。
繰り返しになりますが、この製法で作る硝酸カリウムは純粋なものではありません。他の用途には使わないでください。
冷蔵庫に長時間入れるほど取れる結晶の量は多くなりますが、純度もだんだん低くなってきます。
このようにして硝酸カリウムは作ることができます。ここまででA液の材料が揃いましたが、長くなってきましたし、B液もまあまあ長くなるので次回に回して今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。お疲れ様でした。ばいばーい。
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