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水彩画は怖くない

色鉛筆やクレヨン同様、いつの間にか家にある身近な画材といえば、水彩絵の具ですね。小学校、中学校の図工/美術の授業で使ったものが、何年も家の中で眠っている人も多いのでは?

私も、クレヨン、色鉛筆の例にもれず、押し入れの整理をしていたら子供たちに買ってやって、ほとんど使わずきれいに残っていた絵具セットを見つけて、自分のものにしてしまったクチです。
ただ、頻繁に使うようになるまでには、結構時間がかかりました。

その理由は。

その辺の広告の裏でも、紙さえあればすぐ使えるクレヨン、色鉛筆と違って、水彩絵の具は「めんどくさい」のです。

まず、準備に手間がかかりますよね。絵具とパレット、筆、雑巾、水入れを机に並べるのですが、場所も取るので机を片付けねばならず。さらに、描いている途中で水を取り替える手間があり、終わるときれいに洗って乾かさないといけない。

次に「」です。クレヨンや色鉛筆も、いい紙に描くのに越したことはないですが、先ほど述べたように、描こうと思えば広告の裏でもそれなりのものができます。一方水彩画は、普通のノートにささっと描いてみようものなら、紙が波打ってなんだかみすぼらしくなるんです。水彩画が上手な方々は、皆さん専門のいい紙を使っているんですよね。そういうのを見ると、何となく敬遠してしまいます。

そして、個人的には、「乾く時間がいらいらする」のです。もともと気が短い性分なので、水彩画も、塗ったところが乾かないうちに違う色をどんどん足してししまい、たいてい茶色っぽいくすんだ出来になってしまい、がっかりするのがおちでした。

同じような悩みを抱えている方がいたら、私がこうした水彩画の「苦手なところ」を乗り越えた方法をこれから紹介していくので、ぜひ参考にしてください。最初にちょっとの手間をかけるだけで、その次からの作成過程が楽になります。

1) 準備が大変な人にーー固形絵具を作っちゃおう

図工や美術の授業では、授業が始まるたびにチューブから使う絵の具を出して絵を描き、終わりの時間になるとパレットをきれいに洗って乾かしていましたよね。私はこれが水彩絵の具の一般的な使い方だと思っていましたが、固形絵具というのがあることを知って興味を持ちました。要は、水彩絵の具をパレットの中に固めて売っているものです。普段は乾いた塊になっていますが、水を付けると絵の具が溶けて、そのまま筆でとって紙に塗れます。所定の色をそろえたパレットが販売されているので、画材店で買い求めることができます。
チューブの絵具に慣れていると、市販の固形絵具は随分小さく見えますが、よい絵具ならわずかな量でも発色がよく、かなり長持ちします。
こんなの。ただし、上級者向けなのかお高いんですよね。

12色が1000円以下で買える学童用のチューブ絵の具があるのに、これはちょっと手が出ない、という人、そのチューブ絵の具を使って、パレットを自作してみましょう。
下の写真は、私がぺんてるの透明水彩絵の具、エクセレン(今は製造終了)を、近所の文房具屋で買ったパレットに練りだして一週間ほどおいて固めたものです。このくらいで、チューブの1/3くらいの量。

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ぺんてるやサクラの学童用絵の具は不透明水彩、上のエクセレンは透明水彩という違いがあります。違いについては、別の記事で説明しようと思いますが、パレットを作るにあたってはどちらでも問題ありません。
色のついた筆で違う色に触れると、表面が汚くなるので、こまめにきれいな水を付けて洗っておくくらいの手間で、準備と後片付けが格段と楽になります。

2) 紙の準備が面倒な人にーーブロック水彩紙を自作しよう

水をたっぷり含んだ水彩絵の具を塗っても紙が波打たないようにするには主に2つの方法があります。1つ目は水張りと言って、湿らせた紙を板に張って固定し、乾く際に縮むことで紙をぴんと張ります。1枚描くごとに結構手間がかかります。2つ目はもっと簡単な方法で、ブロック水彩紙という、水彩紙を束にして4つの辺を糊付けし、一番上の紙に水彩絵の具を塗っても波打たないようにしたスケッチブックを購入します。画材店などで入手できますが、高級紙のブランドが多く、お値段がはるため、ガンガン練習するのは躊躇してしまいます。


そこでこちらも、手軽に手に入る普通のスケッチブックを使って自作してしまいましょう。
おすすめは、文房具店でも売っているマルマンのスケッチブック。綴じの部分がリングタイプではなく、糊付けされているタイ(パッド製本タイプ)を選びます。サイズは絵葉書サイズから大きなものまでありますが、私はとりあえず一番小さな絵葉書サイズで挑戦しました。ある程度厚みのある水彩用の画用紙を選ぶことがポイントです。方法は簡単。へらや割りばしを使って木工用ボンドを、ばらばらになっている3辺につけて、クリップや洗濯ばさみで数時間固定して糊付けします。その際、2センチほどの長さの部分にはボンドを付けず、そこからナイフなどを差し込んで紙を切り離せるようにしておきます。これがうまくいったら、絵手紙用の絵葉書サイズの紙を30枚ほどまとめて買って、一番下に厚みのある同じサイズの紙を敷いて同じようにボンドで糊付けしても、ミニ・ブロック水彩紙ができます。これを使って描いたのが、こんな感じ。だいぶ濡らしましたが、紙は波打たず、快適でした。これなら数百円と若干の労力で、描きやすさが格段に上がるのでぜひ試してみてください。

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これなら5枚で400円以下!

大きめサイズも(まだ試していないので、上手くできるかは不明)

3) 乾くのが待てない人にーードライヤー

これはまあ、説明するまでもないですね。一番早いのが、髪の毛を乾かす用のドライヤー、ちょっと余裕があるなら、携帯型のファンなどを使用しても時短になります。究極の面倒くさがりの私は、風呂場からドライヤーを持ってきてコンセントをつないで...が面倒なので、絵を描くように旅行用の小さなドライヤーを入手したいと思います。

以上、少しでも水彩絵の具を始めるにあたっての敷居を下げるアイディアを紹介しました。役に立てればうれしいです。

水彩はまだまだ苦手ですが、道具もそろえたし、頑張って練習して、ここでも紹介していきます。


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